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4章 慟哭

 ツェリカに戻る最中、一つ気になった事があり、イレイザに尋ねた。

  それは、亡きフイルドから頼まれた彼女を守ってやってくれという事。

 …。俺と重ねて見ると似ているが、彼女はこの力を与えられておらず、

  人のままだ。本来なら彼女がフイルドの立場では無いのか。

 彼女は、一言。私は必死で奴を押さえ止めたが、何故か私には見向きもしなかった…と。

  どういう基準で選んでいるのか、全く判らないな。

 陽は沈み、辺りを暗闇が覆い少し離れた所に焚き火が見える。

  俺は少し皆とは離れた所で座り、考え事をしていた。

 何の基準で意識を保てるか選び、何の基準でまたあの忌々しい薬を。

  …当の本人に聞かないと判らないだろうな。そう判断し考えるのをやめ、

  もう一つの疑問をクリスに尋ねる事に。

  「細胞の急激な破壊と再生により、失われた部分も再生します。」

 ん。成る程、そりゃ便利な事だ。だがガイアスは左腕が無かったみたいだが。

  それを尋ねると、本来は完全に変異する為、変異後の負傷は再生されず。

  俺みたいな中途半端な奴だと、元に戻りまた変異するので再生すると。

 ちょっと初めてこの忌々しい力がかなり使い勝手良いなと思え、笑みが毀れた矢先

  に、ぬか喜びだったと思い知らされた。

  「然し、多様は禁物です。急激な細胞変異にいずれ耐えられなくなり、

      細胞そのものが形を保てなくなります」

 …。つまり何か? 使用回数制限みたいなものがあって、0になると

  塩の柱にでもなって崩れ去ると? 使えねぇ! 使えなさ過ぎるこの変身能力。

  「それに、短時間で連続使用すると、即座に細胞崩壊が起こり得る可能性が高く。

    今回はたまたま上手くいきましたが、連続使用は控えて下さい」

 たまたま…か。暑い空気の中、背中に寒気が走り、額から冷たい汗が流れ出てくる。

  何でもっと早く言わなかったと、半ば怒りながらアイシクルフィアを軽く叩く。

  「貴方が使用しない様に私達がいるからです。

    出来るなら、私は、苦痛に恐怖して使わなくなって欲しかった」

 私…達?ゼロブランドか、いや違うな。 腰にしてあるフランヴェールに視線を移すと

  それを指差してクリスに複数? と、尋ねると彼女の感情からか口が滑ったのだろう。

 慌てて何か誤魔化そうとしたが、どうやら諦めたのか、一つの事を教えてくれた。

  「ノア。これは彼女の名前ではありません。彼女の名前はラナヴァル」

 突如出てきたノアの本名。ではノアとは何か、それを尋ねると。

  彼女の時代の一つの組織の名称。そして、ノア計画と、その使者の名であると。

 何だ…、改変者は時代を変えようとしているのだろう? 判らない。

 大きく首を傾げていると彼女が、世界を変える組織。それに違いは無く、

  俺にノアの箱舟を知っているかと尋ねてきたので、頷く。

 確か、世界規模の水害だよな。で、箱舟に乗った何か動物やら人間やら。

  …どういうことだ? 頭が追いつかないらしく、クリスを揺すって尋ねると、

  揺するな!と強く怒られてしまうが、そんな彼女の無い口から出た言葉。

  「要約すると、全ての人間のある物を消し去る計画。ですので、自身が消える恐怖も

    ありません。ただ全ての人間からある物を奪えばいいのです」

 ある物…不意に思い出されたイレイザの先見の明とも言うべきか。あの言葉。

  そのある物を答えると、それを肯定し、暫く黙り込んでしまった。

 そして、俺に空を見ろと。全ての生物に平等に広がる空。

   それが遠い未来、自身の更なる安息を得ようとした結果。

   あの空が牙を向き、そこから逃げる様に地下での生活を強いられる。

   他の星を探そうという計画もあったが、それもままならず。

  一人の科学者が、人生全てを費やして過去へと遡る物を発明し、

   始めは、過去に移住する計画でしたが、結果それも上手くいかず滅びを向かえたと。

 …。過去に滅んだ…。何か思い当たる節があるな、喉元まで来ているそれが出てこない

  苛立ち。痒い所を掻いても痒みが取れない感覚、不快。

  「貴方も良く知る所の、アトランティス」

 ちょ!それか。でもまた何で滅びたのか…。聞く所、二つの意見に分かれたらしく、

  安息を求めすぎた結果、空を敵に回すなら、自然と共に生きるべき。

  そう唱える者と、余りに不衛生な物に耐えられない者とに。

 結果、前者が勝ったが、彼等はこの時代にいるべきでは無かった。

  そう判断して、住んでいた所を破棄し後者を捕らえ未来へと戻った、と。

 捕えた後者はやはり諦めきれず、秘密裏に組織されたのが、ノア。

  そして、カイリス少将とクリス。そしてフランヴェール達は、

  複数回に分けて計画されたそれを阻止すべく、色々とあったらしく、

  その結果時間を同じく分けて目覚める様に過去に仕組まれたと。

  あ…頭が追いついて無いかもしれないな俺。

 一度、頭の中整理すると、彼女に言って空を見上げて黙り込み整理してみたが、

  どうにも追いつかなく、眉間にシワを寄せて頭を掻き毟る。

  「つまり、イレイザの言う悪。それを滅ぼす者、ノア。それを止める者が、私達」

 うお、俺の頭でも理解出きる様に要約してくれた所為かスッキリした顔で、

  空からクリスに視線を移し、例えそれが悪であっても滅ぼせるものなのか?

  それを尋ねると、逃げない強さ、強靭な体を持つ者を作り出せば良い、と。

 そうきたか。んだがそんな事をしたら今度は生態系の破壊か何か、何。

  またしても頭が追いつかなくなったのか、頭を押さえて考え込んでしまう。

  「まだ、貴方には早い。いえ、本来なら気づく筈も無く。

     これ以上は言えませんが一つだけ、貴方はイレギュラーです」

 おい、人を時間とかかそういった理から外れてしまった奴みたいに言うなよ。

  まぁ実際、バグに巻き込まれたからそうなんだろうけどなぁ。

 ま、ノアって奴が何したいか。それが判っただけでも良しとするか。

  立ち上がり、再び夜空を見上げてこの空が敵になる未来…嫌なもんだと。

  「ユタ、貴方は…いえ」

 何だよ、何が言いたい。意味ありげな台詞吐いて止めるなよ!

  クロスボウを振り回し、吐け!吐くんだ!と怒鳴ると、怒鳴り返されてしまった。

  全く! ヘタに喋ると未来変わるから気持ちは判るが…。

  途中でお預け喰らった奴の身にもなれこのヘッポコ軍人が! と、心の中で

  叫びつつ行き場の無い憤りを地面にぶつけて夜があけた。


 怒涛の如く教えられたそれに対し、脳内で処理出来なかったのか、一つ聞きそびれた事

  をツェリカに戻る道中に聞いた。フランヴェール達。と言う言葉。

 どうやら、彼等の内の二人、ヴォイドラッカーとアクアリウムいう武器がこの大陸、

  東部にある森に眠っていると言う事と、加えて、あの遺跡のDNA認証キーっぽいそれ。

 それを持つ者は過去の始祖から時間が経ってわりといるらしく、この大陸にも

  気づいてはいないが、確かに居るだろうと。…まぁリフィルがいるし、

  何より悪用しようとしても拒絶されるから問題無いか。

 それより東部? あの変な守り神のお土産っぽい物も東にあるリーエンドという森。

  成る程、今回の戦いで再認識したが、ガイアス相手にするにはもっと力が必要だろうし、

  次はそこへ行く事になる…か、それを考える俺の目に入った遠くに見える港町。

 …ん? 何か、変じゃないか。煙が。

   「血の臭い…」

 イレイザが猟犬の如き嗅覚で嗅ぎ取ったのか、どうも戦闘になっている様で、

  イレイザがいない間…まさかディエトか? いや、彼女に惚れている奴が

  彼女に嫌われる事を今更するのか?しないだろうな。

 行って見ないと判らないな。俺達は互いの顔を見合わせると、ツェリカへと駆け出した。


 港町の一部から立ち登る煙、その下には火の手があがり、地面には町の人が幾人も

  横たわっている。化物化…? 判らないとばかりに、互いに顔を見合わせて首を傾げている。

  「おらテメェ等 囲め囲め!」

 お? ディエトの声…。何かと戦っているのか、物が崩れる音や断末魔だろうか、

  それが遠くから聞こえてきた。 慌ててそこへ駆け寄ると、

 両手に同じサーベルを一つずつ持ち、腰を深く下ろして両腕両足を開いて構え、

  防御全く考えて無さそうな動きでサーベルを無茶苦茶に振り回し、

  あのヤマアラシの化物を斬り倒していくディエトと、一際大きい蛇?

  うお、何か懐かしいとも思えたヒュドラ一匹を子分達が取り囲んでいる。

  「ディエト!? 貴様が何故この港町を守っている!?」

 思わず声を荒げたイレイザに視線を向けると、眉間にシワを寄せて明らかに怒って…

  いや、侮蔑・軽蔑といった感情からの怒りとでも言うのか。

 俺を含めたリフィル達も不思議と思ったのか、

  彼の答えを待ったが、どうも手一杯の様で返事も無く、俺達も加勢しようと前に出る

  が、怒気を放ちながらディエトに止められてしまう。

  「手ぇ出すんじゃねぇぞクソが! 出したらテメェ等も殺す!!」

 何だ…何考えてるんだよ。子分でもやられてキレてるのか? 判らないが、

  イレイザは黙ってその場を去り、逃げ惑う町の人を安全だろう町の外へと誘導し始めた。

  それを見たリフィル達も同じく。 …俺だけその場に居て、見ている事に。

 一応見ておかないとだからな、何でこんな所にこんな化物がいるのか。

  結局、タルワールじゃ原因不明のままだったしな。

 軽くディエトに手を振って、その蛇は頭を二つ斬り落とせば倒れると言う助言だけすると、

  一瞬こっちを見て礼を言ってきた。…何だコイツ。ますます判らん。

 俺から視線を戻した彼が、ヤマアラシの化物を正面から斬り倒し、

  子分達の包囲を蹴り飛ばしそのままヒュドラの腹の下へと駆け込んで…おい。

  無防備過ぎだろ!死ぬぞ!というか子分いたわれよ船長!!!

 慌てて、クロスボウで援護射撃しようと思った瞬間、

  彼へ向いて襲ってきたヒュドラの頭をかわすのでは無く、襲ってきた勢いと、

  地面を蹴った反動それに加えて体を駒の様に回し作りだした遠心力だろうか。

  その力で襲ってきたヒュドラの頭を首から斬り落とし、

  崩れる様に地面に落ちようとする首と頭を蹴り空中に、

  それに追ってきた残り二つの頭の内の一つをを落下の勢いで

  マグロの兜割りみたいに斬り裂いた。…防御など微塵も考えて無い、

  攻撃的というか自殺する気か? とも思える狂気染みた戦い方。

 …いや、どこかセドニーの様な動きに似た感じもする。

  そんな事を思い出している間に、崩れ落ちる残った首を掴み、

  身を翻して首の上に乗り頭目掛けて走り出して頭を斬り落とす。

   地面にヒュドラの体液が、脈打つ様に首から流れ出て巨大な水溜りが出来ている中へ

   水しぶきしいうか、血しぶきを撒き散らして着地すると、

  そのまま駆け出して、彼は残っているヤマアラシの化物をこともなげに斬り殺し、サーベル

  を腰の後ろに×印を描く様に納めた。

 一瞬こんな外道を格好いいなと思った俺は駄目だろうか。

  そんな彼が一度肩で息をすると、俺の肩に駆け寄ってきて、ありゃなんだと。

  肩をすくめて、見たまんまじゃないか。そう答えると怒り散らして、

   突然海から出てきたと思えば、暴れ出した…。アレの残りが海でも渡ってきたのか?

   判らないが、一つ彼はわかっている事があるらしく、果物を食べた子分が

   いきなり苦しみだして化物になったと。

 化物化の薬か何かで果物培養しやがったか。てか、それだとやばいな。

  慌てて町中の方へ視線を向けると、どうやら町の人は無事の様だが…うん?

  俺は、なんでお前等だけそうなったのか、彼に視線を戻して問い詰めてみると、

  新しく収穫された果物奪ってきたんで、そいつを子分が先に喰ったらそうなった、と。

 自業自得じゃねぇか! ざまみろ。と口が裂けても言える筈もなく、それよりどこから

  奪ってきたのか尋ねると、西の方角を指して、レンスラットという国から着ていた

  行商人から奪った物だと。…成る程。どうもそこにノア、いやラナヴァルは居るらしいな。

 軽く礼を言うと、しまった言葉を間違えたか、少し怒らせてしまったようで、

  腰にあるサーベルを抜こうとしたのを見るや否や謝ると、

  舌打ちをして視線をそらしやがった。そんなに斬りたいのかお前は。

 まぁ、それはいいとして。何で俺等の加勢を拒んだのか、

  町まで守らなくても、逃げられば良かったんじゃないか?それもついでに尋ねてみるが、

  不機嫌そうな顔をして、背を向ける。

  「は! 町なんざ壊滅しようが知ったこっちゃねぇ」

 とだけ、…成る程。 ニヤニヤと笑みを浮かべながら、イレイザのご機嫌取りか?

  だから加勢拒んだのか? と彼の背中を肘で数回つつくと、腰のサーベルに手を

  当てながら振り向くと、一言。俺は傷の入った宝に興味は無い。とだけ。

 ま、まぁ、結果的に港町を助けたし、イレイザも少しは振り向いてくれるんじゃないか。

  そう伝えると、怒り出してしまったようだ。…人それぞれ愛の形は違う。

  とでも言えばいいのか、嘘を言ってる様でもなく、ましてやツンデレ…じゃないな。

 もっと別の何か、コイツの信念だろうか、それに則ったモノの様に思えるが…判らん。

  コイツなりの悪の美学にでも反する。とでも取っておくか。

 ついでに、何でタルワールで美味しい所を奪っていかなかったのか、それを尋ねると、

  どうもフランヴェールとイレイザを天秤にかけたらしく、興味は失せたらしい。

 全く持って理解出来ないが…無理矢理納得して、俺は彼から離れ、

  港町の連中を誘導している皆の下に。そして、片付いた様だと伝えると、

  今度は全員で鎮火にあたり、瓦礫を除けたり、遺体を埋葬したりで、夜が更けた。


 その晩、死んでしまった町の人の縁者。その者達の悲しみすすり泣く声が耳に入る様な錯覚を

  覚える静寂の闇夜を一人歩いていた。

 酷い事があったにも関わらず、夜空には相変わらず光り輝く星の海。

  見上げた夜空に、いつかこいつが敵になる未来がある事を思い出す。

 変えようとする組織、ノア。それは良く判るし、手段も間違っているだろう、それは判る。

  だが、カイリス達はどうなんだ? そんな地下に押し込められた生活に耐えられるのか、

  …。考えても無駄…か。

 再び、視線を戻すと、弔った墓の所に、一際大きい…ハザトか。

  彼の背中は大きく打ち震えており、死んだ者の中に子供が居た事を伝えている。

  ここは、話しかけるべきでは無い…か。 少し彼の背中が小さく見えたが、

  それは何も考え無いでおこうと、視線をそらし別の所へ歩いていく。

  「ユタ。 リフィルは一緒じゃないの?」

 昼は所狭しと露天の並んでいる広場にしかかると、背後から声をかけられ、

  振り向くとディアナが心配そうな顔をして、少し息が上がっている。

  言葉から察するとリフィルを探している様だが、多分、俺と同じく殺し損ねの

  化物がいないか見回ってるのじゃないかと。伝えるとそれは判っている様だな。

 黙って頷いて俺の方を見ている。何か言いたそうだな。

  何かいいたい事があるのか、それを聞くと、これからの不安。

  そう、例えば、フイルドやタルワールの王の様な化物が、今後も現れるなら、

  ディアナも含めた4騎士が足手纏いになつてくるのでは無いか。

  その不安を俺にぶつけてきた。どうやら冗談で言っているワケでもなく、

  答え次第では、セイヴァールの復興に戻ると言わんばかりの険しい表情。

  「正直、私は怖かった。殆どの攻撃が通用しない。

     目で追うのも辛いあの速さ…。貴方は怖くないの?」

 確かに速かったし、その上硬い。この時代の武器だと到底太刀打ち出来ないな。

  それは間違いない。あの戦いで誰もが思った筈。だからこそ、

  彼女は戻るという選択肢も視野に入れて悩んでいるのか。

 不安を露にし、あの戦いの恐怖が今頃出てきているのか、少し身が震えている。

  ここは伝えておくべきかと、この大陸にもゼロブランド程では無いにしろ、

  アイシクルフィアや、フランヴェールに匹敵する武器があるらしい。

 そうクリスから伝えられた事をそのまま、彼女に伝える。

  「それは…本当?」

 光明を見出したのか、俺に歩み寄り肩を掴んできた彼女の手から、震えは感じられない。

  それに黙って頷き、先ずはその武器を探しに行く事がノアを探すよりも、優先される

  だろう事を伝えた。それに安心したのか、そのまま手を離し、俺から背を向け、

  リフィルを頼んだとだけ言い残すと、宿屋の方向へと歩いていってしまった。

 軽く頭を掻きつつ、頼んだといわれてもなぁ。 どこかディアナの背中にアリアを見た

  気がしなくも無いが…。彼女にとっても妹の様なものだろうと。一人で納得。

 その後、リフィルを探して町中へ行くと、酒場の前に通りかかり、中にはリヴェルトと

  ラザが酒を飲みつつ、何か浮かない顔をして話しているが…それはディアナと

  同様の悩みだろう事は判ったので、俺はそのまま通り過ぎ、町外れへと。

 …リフィルの声と、イレイザか? だなこの声は。

  近くの家の影に隠れて、こっそりと覗き込むと早速イレイザがリフィルを鍛えてくれて

  いる様だが…うーわー。思わず右手で顔を覆ってしまう酷い鍛え方。

 鍛えるというよりも、最早苛めている様にしか見えない。

  予備があったのだろう、フレイルで容赦の無いあの連撃をリフィルに叩き込み、

  倒れたら胸元を掴み上げて無理矢理起こす。…ちょっとやり過ぎじゃないか。

 立っているのもやっとな彼女も、負けじと斬りかかるが、全く当たらず。

  どう考えてもセドニーとか人間だった頃のガイアスに匹敵するだろう、

  人間規格外の強さ持ってるからなぁ。…ま、ここは彼女に任せるか。

 そのまま、顔を引っ込めて一応町中を見て歩いたが殺し損ねは無し。

  と言う事で宿屋に戻って、ベッドの上に倒れ込み寝る事にした。

 翌朝、目が覚めると、隣にラザは相変わらずいない。女遊びでもしてるのか。

  どっちでもいいが。 軽く伸びをし、アクビをした声が響く室内にノックの音。

  返事する間もなく扉が蹴り破る様に開かれ、あまりの事にアクビして右手を口に

  当てたまま目を丸くして顔がフリーズした俺に倒れ込んできた。

 うわー…、至る所が破けて覗く肌がアザだらけ。まさか朝までアレやってたのか。

  てか、何で俺の所に着たのか、とりあえず尋ねてみると…寝てやがる。

 部屋間違ったのか? いや、ノックしたよな。明らかに俺に何か用事があって

  着たが、その途中で力尽きた。と、とるべきか。

   「ユタ…おぼえ…ていろ」

 …。嫌な予感ならぬ悪寒が、まるで電撃の如く体を走り冷や汗をかいたまま

  彼女が目覚めたらどうなるものかと、恐怖を覚えつつ、

   俺は疲れきってヨダレ垂らして寝ている彼女をベッドに寝かせ、

  今後の事を考えていると時間は過ぎ、目覚めた彼女の怒りを買う事になったのは、

   言うまでも…無い。

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