No.34 急降下
「アポリナルさん、ヴァンダさんがどこにいるのかわかりますか!」
「こっちも探してるんやけど、この森の中や。見つからへん。あのバッチで位置がわかるんやっけ?ウロボロス、戻ってや。顕現して森をもう燃やしてしまった方がええかもしれへんな」
「リスクは大きいですけどこのままヴァンダさんを見つけられないよりかはいいかも知れませんね。お願いします」
「なら、輪の中に入り。ウロボロス、拡張せな」
すると一瞬で広範囲に炎が燃え盛り木々が次々に倒れていく。
「これで見つかるといいんですけどね。きゃ!?」
次の瞬間、目にも止まらぬ速さで何かが飛んでくる。
脊髄反射で避けられたものの当たっていたら死んでいたかも知れない。
燃え上がる森の中から弾の無いロケットランチャーを持ったヴァンダさんがこちらに歩いてくる
「反応が一つだけあったがお前たちだったのか。カンナ私と戦え、そして私に勝て。己の責務を最後までやり遂げろ。逃げた所でなにも救えないぞ。...私達のようになるな」
「ありがとうございますヴァンダさん。貴方にそう言っていただけるならどんな手段を使ってでも貴方を救い出します」
その言葉に目元にしか見えないが優しく微笑んでくれている気がする。
しかし、何故ヴァンダさんはガスマスクをしているのかが未だに分かっていない。
もし、他の守護者の皆さん同様父によって何かを奪われているとしたら消去法であれしかない。
できる事ならキョウさんに協力してもらいヴァンダさんの顔を元通りにしたい。
(ヴァンダさんの武器は遠距離武器だ。なら逆に近距離はおそろかになるはず。まだワットさんや2人とも合流出来てない。自分でなんとか食い止めないと)
ある考えを叩き出し、ヘアゴムをアポリナルさんにこっそり渡す。
「アポリナルさん、申し訳ないんですが上空から囮になってもらえますか?私は地上でヴァンダさんから身を隠します。時間稼ぎをしながら他の3人と合流しますから」
「ええで、任しとき。ほなサラマンダー様行きましょか?」
そのあと場所を移し木々に隠れながらサラマンダー様は飛び立っていった。
「八咫烏さん、3人の位置わかる?出来るだけ早く合流したいの。偵察してきてくれないかな?」
『バカンナ、ちゃんと持ち堪えろよ。お前が捕まったら話になんねぇぞ』
「わかってるよ。ちゃんと逃げ切るから。うわっ!?また来た!?八咫烏さん早く行って来て!!」
ロケットランチャーの攻撃を掻い潜り、木々に隠れながら攻撃のチャンスを伺う。
(ロケットランチャーは発射した後再装填するのに一瞬だけど隙が出来る。上手く拘束出来れば勝機はあるかもしれない)
手ぶらでも攻撃出来る手段があって良かった。
徐々に距離を詰める事ができ、ヴァンダさんまで2、3mと迫った。
「カンナちゃんどこ!!どこにいるの!!」
その言葉にヴァンダさんが警戒し声のする方へと武器を受ける。
(ヨハンナさん!?発射されたら危ない。突っ込むなら今しかない!!)
ヴァンダさんの死界から飛びだし身体全体を使って身体をタックルする様に拘束する。
「離せ!グリフォン戻れ、実物顕現しろ」
「絶対に離しません!!貴方を連れて帰りますヴァンダさん!!」
しかし、私の考えをよそにグリフォンさんからの邪魔が入る。
羽を広げ、威嚇されるだけでなく直接大きな嘴で突かれ鋭い爪のある足で背中を踏み付けにされる。
爪が服を貫通し、皮膚に鋭い痛みが生じる。
「…っ」
(堪えろ、堪えろ!!ここで手を離したらヴァンダさんが救えなくなる)
「スフィンクス、実物顕現して!!カンナを離して!!」
グリフォンより大きいスフィンクスさんが獅子の足で相手を薙ぎ払い私を救ってくれた。
『ちっ、やられた。おいヴァンダ逃げるぞ。モタモタすんな』
次の瞬間、肘で溝打ちを攻撃され拘束を解いてしまった。
「ヴァンダさん待ってください!!」
「カンナちゃん落ち着いて。まだチャンスはあるから。もう無理しないで。私達も協力するから。カンナちゃんだけがヴァンダさんを救いたい訳じゃないんだよ?」
「そういえばさ、さっきワットに会ってバッチを渡されたんだけどどうしたらいい?カンナに何か考えがあるなら指示に従うよ」
「なら、一つは寮の中に。もう一つはヨハンナさんかアーリフ君につけて欲しいんです。私のバッチも今アポリナルさんに渡してます。ペアで行動して撹乱したいんです」
「わかったわ。なら私が付けるね。もう一つは寮の中よね、それだったら…」
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「何で私なの?他にもいるじゃない。姉さん何考えてんの?」
「マリアだったらヴァンダさんと面識ないし武器も不意をつけるものだからいいかなっと思って」
「マリアちゃんお願い。もし、ヴァンダさんがここに入ってきたらチュールと協力して拘束して欲しいの」
「はぁ…まぁこんな緊急事態だし嫌だけどやってあげる。行くよヒュドラ」
『まりあちゃん、がんばろうね!!わくわくするね』
「準備は整いましたね。行きましょうヨハンナさん、アーリフ君。アポリナルさんも心配です」
外に出て空を見上げると危険な状態に陥っていた。
アポリナルさんとヴァンダさんが空中戦を繰り広げておりお互いが今にも落ちそうなギリギリの体制で攻撃を続けている。
「不味い。2人を救わないと落下したら怪我だけじゃ済まない。落下しても大丈夫なようにしないと。ワットさんってまだここの島にいました?網とこの人数なら助けられるかもしれません!!急がないと!!」
慌ててワットさんを呼び戻し、網を出してもらった。
「みんな持った!?見てるだけで凄いハラハラするんだけど!早く落ちてきてくれた方が安心するよね。あっ、アポリナル君が落ちてきた。キャッチするよ!」
「アカン、アカン、アカン!!」
そう大声で落下してくれたので位置がわかりやすくて助かった。
上手く受け止め、ゆっくり下に下す。
「もうアカンかったわ。カンナちゃんはどこやって問い詰められてな。やっぱりバッチの力は凄いわ。何なんこれ?」
「でもこれでヴァンダさんが私達の実際の場所よりバッチの位置を優先してる事が分かりましたね。また落ちる事になったら危ないので私が持ってますね。準備は整いました。あとはヴァンダさん次第です」
上空を見上げるとヴァンダさんはわざとグリフォンさんから手を離し、ロケットランチャーを出すと空中で逆噴射させるように発射し素早く実物顕現に切り替え体制を持ち直す。
彼女に手助けは必要ないようだった。
そのあとお互い睨み合い夜の戦いは続いた。
No34を読んでいただきありがとうございました。
今回めちゃくちゃダラダラした展開になってしまいましたね。
ここまでくると正直言って書くモチベーションを保つのが難しいです。
でも第二部はあと2話の予定なので頑張りたいと思います。
次はNo.35「決着」をお送りします。
第3部の投稿ですが年末年始は作者も忙しいですしゆっくりさせていただきたいと思っていますので1月中はお休みをいただいて《2月1日16時》から開始したいと思っていますのでご協力お願いします。




