No.23 願望
訂正:話数を間違えていたので訂正いたしました。
24→23でしたね申し訳ありません。予告も訂正しておきます。
あと、英語の所も間違えてました。馬鹿タレ。何か、おかしいなと思ったんですよね。
your→myです。これだと意味合いが変わっちゃうつうの。
「カチッ」 「カシャ」
「パァン」 「パァン」
森の中で似たような音が鳴り響く。
両者共、再装填し弾を発射させる音だ。
会話もせず俺たちは銃を打ち鳴らす。
隙を作れば全てが狂う。そんな世界にいるようだった。
指定された時間に場所に撃てばいい。
何も考えなくていいのだ。ただ本能のままに手を動かす。
何でだろう、それがとても居心地よかった。
きっとメイさんもそう思ってくれているだろう。
『坊っちゃん、聞こえますかい。坊っちゃん!』
「すまない、夢中になってて聞いてなかった。凄く楽しいな。メイさん相手だからだろうか?ゾーン状態っていうのはこう言う物なんだろうな。頭が真っ白になってた」
『それならええんけどのぉ。余り実弾を使い過ぎると体に負担がかかりやすよ。無自覚じゃと、後でくるけぇのぉ』
「そうか、残念だな」
と言いながらも俺は銃を撃ち続けていた。
別にメイさんを傷つけたいわけじゃない。
でも、本能がこう言うのだ「邪魔な奴は殺せ」と。
「自分に歯向かってくる奴はその武器で打ち倒せ」と本心ではない筈なのに頭にそう流れてくる。不思議な物だ。
「それで俺達はメイさんをどうすればいいんだったかな?戦いに夢中になって忘れてしまったな。どうしたらいい?隼」
『坊っちゃん、大丈夫ですかい?ワシらは相手に頼まれてる事があるじゃろ?その願いを叶える。その判断は坊っちゃんに任せますがね』
「そうか「Make a gunshot in my heart 」心に銃声を響かせればいいんだな。難しいな。どうやったらそんな事出来るんだ?」
撃ちながら考えているとメイさんが近づいてきたので教えてもらう事にした。
「メイさん、心に銃声を響かせたいんだがどうやったら出来るんだ?」
「はあっ!?そんなのあたしに聞くなっつうの!!そのままの意味だよ。ここに撃てばいいんだよ」
と胸を叩いている。
「…メイさんは凄いな。俺には出来ない芸当を持っているのか。人の心を響かせるのは凄く大変なんだ。俺にも出来るかな」
「お前は深読みしすぎなんだよ!!…はぁ。撃ち続けてたらいつか響くんじゃない?やってみれば?」
「そうだな。時間も弾も無限にある。メイさんと戦える今を楽しまないとな」
なんだろうか、今まで感じた事のない感覚。
とても非現実的でふわふわとしていて夢の中にいるような感覚。
この瞬間がずっと続けばいいのにと思っているがそうはいかないのだろう。
もう何百発撃っただろうか?
普段から鍛錬しているとはいえ、一瞬でこれほどの量を撃つのは初めてだ。
いつしか森の中が地面も木々も穴だらけとなり、火薬の匂いが充満している。
『坊っちゃん、怪我しとるよ。気づいとらんかったんか?ワシの声も聞かずに』
確かに何か顔に熱いものがつたっているのがわかる。
少し触ってみると血のようだった。
足にも軽くだがズボンの一部が切られており、そこからも出血している。
撃つ事に夢中になっていて気がつかなかった。
一方でメイさんはそうなったいるのか気になり、辺りを見渡すが姿が見えない。
どこかに隠れているようだった。
「あぁ、あそこの木の影だな。行こう、隼」
もっとメイさんと戦いたい。
俺の尊敬する人がこんな物で満足する訳がない。
木の影に近づくと赤い物が見えた。
さっき俺が見た物と一緒だ。
しかし、今度はもっと赤が重なりあったドス黒い血の色だ。
昔見た叔父さんの姿を思い出し、慌てて彼女に話かける。
どうやら腹部から出血しているようだった。
ほかにも無数に傷がある。
俺が無自覚に彼女を傷つけてしまったのだろう。
「お前凄いな。ちょっとタンマ。もう動けないよ。あたしも腕が鈍ったもんだな。いや、お前が強いだけかもしんないけどさ」
そう言いながら腹部を抑える彼女に後悔の念を抱かざるおえなかった。
俺は自分の尊敬する人を傷つけ哀れな姿にしてしまったのだ。
「メイさんすまない。戦える事が嬉しくて無我夢中になって貴方を傷つけてしまった」
止血をしようとハンカチを取り出し、腹部に当てながら話かける。
こんな苦しい状態にも関わらず、メイさんは笑顔で頭をわしゃわしゃと撫でくれる。
叔父さんの事を思い出し、思わず涙が出てしまった。
「いいんだよ。あたしも楽しかったからさ。…やっと欲しかった物に巡り会えたよ。ほんと今更だよな」
「何だ?メイさんが欲しい物って」
「ライバルだよ。互いに競い合える相手が欲しかったんだ。…ずっと会えないと思ってた。でも会えたんだ、最期の最期に」
「…ライバル?俺とメイさんがか?光栄だな。こんなに嬉しい事はない」
2人で笑い合っているとメイさんが握手を求めてきた。
「なんか死ぬのが惜しくなったよ。もっと戦おうよ…えっと、名前聞いてないな。何ていうの?」
「シュン、シモダイラ・シュンだ。よろしく頼む、ジェーン・メイさん」
「シュン。面白い名前だな。まぁいいや、なんか元気出てきたし、早く私もシュンも手当てしないとな。寮に行けば誰かしらいるだろ」
そんな時だった。何かカサカサと音がする。
夜の闇の中でよく見えなかったが月光が差し込むと、その正体がわかった。
一度俺も見た事のある人だったが、少しおかしい。
オレンジの髪と青い瞳をしているが、イブさんではない。
でもあの人だったら尚更おかしいだろう。
だってはっきりと見えているのだから。
「10番目?いや、0(ゼロ)か。何しに来た、見せ物じゃないぞ」
その言葉に酷く怯えている様子だったが、恐る恐る近づいてくる。
多分「人体蘇生」が成功したのだろう。
イブさんの体をベースにしているが中身は彼女だろう。
俺はその答えを確かめるべく、彼女に声をかけた。
No23を読んでいただきありがとうございました。
坊っちゃんおぉ、怖い怖い。やっぱり坊っちゃんはなんだかんだいって坊っちゃんなので本能に抗えません。
普段、天然でふわふわしているキャラなだけあってこう言う時は怖いですね。
次はNo.24「介添人」をお送りします。
介添人は決闘とも関係のある用語ですね。




