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Guardian・spirit 〜ガーディアン・スピリット〜セカンド!!  作者: きつねうどん
battle5 騒がしい月
28/45

「ピストル」の回想

強さは正義だ。弱い奴はシャトランスにはいらない。

でもある時こう言われた事がある「強すぎてつまらない」と。


あたしは役者でもピエロでもない。

お前達観客を楽しませる為に大会に出たんじゃない。

高みを目指す為に出場した大会だったが試合を重ねるたびに億劫(おっくう)な気持ちになっていった。


あたしが欲しいのは強さと勝利だ。

あと、ちょっとの楽しさも必要かな?

弱い奴を倒しても面白くないし。


あたしは上へ上へと勝ち上がって絶対に頂点に立つ。

それには手段を選んでいる暇はない。

あたしはこれまで色々な技を生み出してきた。

それを隠す術もだ。


全てを駆使して勝利を掴んできた。

…まぁ、少しやりすぎだったかもしれないけどね。


でもあたしは、そんな全力で挑む自分をも超える相手、即ちライバルが欲しかった。

しかしそんな奴が現れる事はなかった。


イオアンは直ぐに卒業してしまったし、キョウはそもそも戦う事すら否定的だった。

戦う気なんてさらさらなかったのだ。


大会後、噂話で聞いたがあたしは強すぎてつまらないから番狂わせ、対抗馬としてキョウを望んでもないのに出場させたらしい。

誰もあたしが退場した事には触れず、キョウが優勝したという結果だけが残った。


そんな大会の雰囲気が嫌で大会に参加しなくなったが銃を手放す事は出来なかった。

…いつか自分と対等に戦える奴が出てくるのだろうか?

いや、そんなの自分にそっくりな奴だけか。


何となく無人の射撃場に赴き、無心で銃を撃ち続ける。

キャンディを食べながら休憩している時、何かの視線を感じた。

「…気のせいか?」

あたしのファンが隠れて見ているのではないかと思ったが勘違いのようだ。


そのあとの事だった、キョウがあたしにバッチを渡してきたのだ。

自分には相応しくないと。


「これはメイさんが本来持つべき物なんだよ。僕じゃない。どうか受け取ってくれないかな」

「…ふざけんな。あたしはバッチが欲しくて大会に参加してんじゃない!!自分と対等に戦ってくれるライバルが欲しくて大会に参加してんだよ!!」


誰もわかってくれない。

誰もあたしを理解しようとしてくれない。

なんであたしは孤独なんだろうってずっと思ってた。

でも違った。

ライバルじゃないけど同じように戦ってくれる仲間がいたのだ。


「メイさん大丈夫?けい君、相手を包むよ《葉》に顕現して」

「ひぃぃぃ、なんでこんなにいるんだよ。世界の終わりだ。もうおしまいだ!!僕達は殺されるんだ!!」


「ジュリオ煩いぞ。メイ立てるか?森の中なら良い隠蓑になる。移動するぞ。あいつら寮まで襲撃してくるなんて容赦ないな、皆んなに被害が出ない内に急ぐぞ」

「あんた達…ありがとう、助かった」


突然現れた人物は私達の知っている守護者の1〜4番目の人達だった。

私達は事前に同じ手紙をもらい指定の場所で待つように言われていた。

その位置はバラバラだったがあたしの危機に3人が来てくれたのだ。


あたし達は場所を点々とし、その途中グノムアランド寮でシェパード先生に庇ってもらいながらも、皆んないい奴らばかりなので仲間を庇い次々と捕まっていく。


そんな光景を見るのが嫌だった。

あたしとジュリオが残った時あたしは諦めてしまった。

そもそもあたしに戦う理由などなかったのだ。

何の為にこうやって足掻くのかもわからない。

相手の目的もわからないのに…。


「ジュリオ、ごめん。あたしは2人のもとへいく。もう勝ち目はないよ。ジュリオもわかるでしょ」

「…メイ。ごめんよ、僕のせいだ。僕が弱いから足手纏いになったんだよね」


「違うよ。ジュリオ、泣かないで。ジュリオは優しいし強いよ…あたしなんかよりずっと。ほら泣くな、ノッポの癖にひょろひょろしやがって」

その後あたしは自分でも不思議な程、素直に相手に投降した。


「あたしの事はどうでもいい。でも、あいつらを傷つけたら容赦しないからな」

「…そうですの。貴方、自分が一番大切だと思いませんの?貴方程の強さを持っている人なら自分の価値も自ずとわかるでしょうに」


「知らないよそんな事。やっと出会えたんだ仲間に。…まぁ、あたしより弱い奴らだけどさ優しい奴らなんだよ」


そのあと、1年後も同じような事が起こった。

こんなもの戦いとも言えない、殺戮と一緒だろう。

私達が何もしなくてもヴァンダは捕らえられた。


「さて、メイは何をご婦人に捧げますか?ご要望があるならお応えしますよ」

「酷い物ね。仲間から奪っておいて逆に貴方は何を捧げるの?」


「私ですか?そうですね、人生そのものですかね?冗談だと思うならそれでも構いませんが私は本気でこんな事望んでいる訳ではありませんよ。…ただ、声に従っていれば楽になれると思っただけです。自分は命令通りやってるだけ、役者の1人で有ればいいと思っていますからね」


「…あたしが1番嫌いなタイプね。わかってんの?どんな事にも責任は付き纏うのよ。貴方が自分自身でやってるのなら尚更でしょ?…まぁいいわ。そうね、私はもう戦いたくないの。だから耳にして。銃声も悲しい声も聞こえないように」


そうやって同じ事を繰り返していくのだ。

今年もまた守護者を捕まえるらしい。


今回はあのDr.の娘らしい。

あんなひ弱そうな体でよく優勝したものだ。

というより、大会レベルが年々低くなっているのがわかる。


じっと彼女を見つめていると、目の前に不思議な格好をした男子生徒が現れた。

確かキモノといっただろうか?黒髪だし、アジア人だろう。

ウサマルやキョウと一緒の出身国かもしれない。


何度も同じような事を言われるが読唇術を覚えてまもないあたしには3回目でなんとか言っている事が理解できた。

どうやらあたしのファンらしい。いいセンスをしている。


握手をし、即興で考えたサインも嬉しそうに受け取っている。

単純だが面白い男だと思った。

そんな男に残酷な願いを託した。

その文字を悲しそうに見つめる彼はどんな答えを出すのだろうか?みものだわ。絶対、あたしを楽しませてね。


「ピストル」の回想を読んでいただきありがとうございました。

メイの口調かなりブレブレなんですけど、素はミランダと同じような口調ですね。

メイはツンデレなのかもしれません、異性相手なら特に現れるかもしれませんね、あんまり異性の前で女性らしさを見せたくないのか男勝りな性格というか口調になっているように感じます。

作者は師弟関係が結構好きなのでメイとシュンの関係は結構好きです。

一度もあった事のない離れた関係でも師弟関係という特殊な状況ですけどね。

現代というか近未来ぽくていいかなと思いますけどね。

2人が出会う事で何か生まれる物もあるかもしれません。

次はNo.24「願望」をお送りします。

メイは4話予定ですかね?今のところは。24→25と本編が続きます。


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