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Guardian・spirit 〜ガーディアン・スピリット〜セカンド!!  作者: きつねうどん
battle4 対極の月
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「オオクニヌシ」の回想 後編

「まだやるのか?しつこいぞ」

俺の目の前には万華鏡から脱出しながらも、今にも倒れそうになるぐらい傷を負った2人だった。


「絶対に連れて帰りますわ。こんな所で躓(つまず)く私じゃありませんもの」

「やはりウサマルは自分に有利な状況を生み出すのが上手いですね。平地である滑走路は私にも有利だと思っていましたが、これほどの大きな空間を生み出すとは思いませんでした」


「ならいっその事諦めたらどうだ?今なら俺はニホンに帰れるし、お前達もずっとここにいる訳じゃないだろう?故郷に帰ったらどうだ?」

その言葉に何故か2人は下を向いて寂しそうな顔をしている。

その2人の態度に疑問が生まれた。

そもそも、2人の目的がわかっていない問いたださなければ。


「そもそも、お前達2人は何のために俺やマルソを捕まえようとしている。答えろ」

「私とジャンヌはDr.の研究に協力する為に材料を集めているのです」


「ヤン、人を材料扱いするのは良くありませんわ。人間を生き返らせるには人間が必要なんですもの。ウサマル、貴方にも協力していただきますわ」

その2人の言葉にある単語が思い浮かんだ。「胡散(うさん)臭い」だ。


「おい、2人もと騙されてるぞ。そんな事を頼む奴なんて碌な奴じゃないのはお前達の会話ですぐわかる」

そのあと2人は目を見開き動揺しているようだ。

自分達に自覚がなかったようだ。


「そんな事ありませんよ。Dr.はお優しい方です。命を救ってくださった恩人でもあります」

「そうですわ。私の事も良く褒めてくださいますもの。「良くやった」って」


「お前達の会話を聞いていると宗教の信者と教祖の関係と一緒だな。お互い依存している。おい2人とも、そいつに会わせろ。俺がそいつと話をする。案内しろ」


そのあと、2人の案内され校舎の地下へと案内される。

2人が単純というか馬鹿でよかった。

仲間になってくれると思っているらしいが、こういう物は見せしめとして教祖を懲(こ)らしめるのが一番だ。

地下の一室に入るとマルソが円錐形の水槽の中に閉じ込められ眠らされているようだ。


「お前達、マルソに何をした」

「あら、ウサマルもこの中に入りたいんですの?この中にいれば細胞も死ぬ事はなく、永遠の命を得られるんですって面白いと思いません?中に入っている何の液体だったかしら?忘れてしまいましたわ」


「恐らく、ホルマリンに似た何かだろうな。この中に入るなんて虫唾が走る、お断りだ。それで本命の医者はどこにいる。そいつのせいでお前達はおかしくなったんだろう」


「随分と騒がしくなったな。これで全体揃ったか」

その言葉の発する方に目を向けると白衣をきた男性がいた。

思っていたより若い、30代後半と言って所だろうか?

しかも意外だったのがその容姿が俺と同じニホンのように見える事だ。


「貴方が医者か。3人を解放しろ。お前だろう、こいつらを騙したのは」

「騙した?私は一度もそんな事をした覚えはない。彼らが自ら望んでやった事だ」

その言葉に2人の方へと振り返り、確認をとる。


「本当ですよ。私は私の利益を得る為にDr.に協力しているのです」

呆れた。しかも嘘をついているようにも見えない。

4年も一緒にいながら気づかなかった俺にも非はあるかもしれないが、まだ余力はある。

ここで全員まとめて懲らしめてやるのが最適だろう。


「ここは可笑しな奴らしかいないんだな。もち、顕現せよ。本拠地を潰す。他の犠牲者が出ない為にもな」

武器を出すと3人は険しい顔をし、ジャンヌも武器を出し戦闘態勢だ。


「クラーケン近くにいるか?実物顕現しなさい。彼を捕らえろ」

医者の指示に巨大な触手が襲ってくるが、反射でそれを弾き返す。


「このまま地下をめちゃくちゃにされたら困ります。Dr.、ジャンヌ。私はマルソを連れて上の階に避難します。まだ上の階にあの方もいるでしょうから協力を要請します」

(あの方?3人の他にも仲間がいるのか?というより、上の階に行かれて地下から出られなくなったら不味い。ヤンを食い止めないと)


3人を閉じ込める為、バッチの裏に埋め込んだ鏡を使い無限回廊を展開させる。

だが、無限回廊には一つだけ弱点がある。

内側にいる者を閉じ込める事が出来ても、外からの侵入者を拒めない事だ。


もし、ヤンの言う協力者がいるのなら見つかる前に3人を倒さなければいけない。

だが、俺の武器では攻撃することに向いていない。


どれだけ、攻撃を吸収し反射しようとも相手の攻撃を利用しなければ攻撃手段がない。

しかも狭い地下ではヤンも戦車を出さない。

戦車を投影できなければ勝機もないだろう。

(不味いぞ、このまま時間稼ぎをしても意味がない。3人をまとめて倒せる方法はないか)


「もち、3人と守護霊もまとめて吸収せよ!!」

巨大クラーケンは吸収するのに苦労したが、鏡に閉じ込め安堵している時だった。

後ろのエレベーターから誰かが降りてきた。

その姿に俺は安堵したが、ここにいる事を考えれば彼が的である事は明らかだった。


「どうして貴方がこんな奴らに協力しているんですか!!」

次の瞬間、腹部に痛みが走り倒れ込む。

しかし、彼はこれでも手加減しているのだろう。

彼の武器なら全力を出せば俺など殺せるだから。


そのあと、俺は意識を失ったのか良く覚えていない。

目が覚めればヤンもジャンヌも医者もいた。

その時ようやく気づいた、自分が捕まりこの戦いに敗北した事を。


「オオクニヌシ」の回想 後編を読んでいただきありがとうございました。

これで一期生の回想は全員終わりですね。

ウサマルは戦いで捕まるというのがしっくりこなかったので深入りし過ぎて本拠地で捕らえられたという感じにしました。

ウサマルは惜しかったですね。回想でちょっとずつ物語が進行して行く感じにしていますが一期生はここでラストにしてメイからはまた違う感じにしたいと思います。

次はNo.21「唯一の手がかり」をお送りします。

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