No.14 結末
今回、展開を変えてしまったので中身がぐだぐだ&スカスカです。
プロットを作っていても実際に細かい話の中身を書いていくと結構変更があったりします。
ヤンさんから逃走し、島の西側にある瓦礫の山に混じって隠れている時だった。
「さてと、これからどうしようかな?完全に島の中に閉じ込められちゃったね。希望はあの幽霊船だし、やになっちゃうよ。
出られないように橋の近くでヤン君が見回りしてるみたいだね。GPSで相手の位置がわかるのは幸いかな」
「ごめんなさい。今の所、私全然役に立ってないですよね?」
「カンナはこれからだと思うよ?だって彼を戦車から出したら丸腰の状態だし、その時1番有利なのは接近戦のカンナでしょ?チャンスは私達が作るからちょっと待っててくれるかな?」
「そうなんだよね。僕達2人で戦車から引きずり出して本体を叩かないといけない。まずはクレア君のランタンで燃料庫や弾薬庫目掛けて攻撃してもらう。次に焦って外に出てきたヤン君を僕が鉄条網で彼を囲んで戦車と引き剥がす。あっ、その時カンナ君も一緒に入ってもらうよ?」
「えっ!?私もですか!?」
「勿論。誰が彼を捕まえるの?アイキドウで拘束してくれれば良いんだよ?ライアン君も出来たし、ヤン君もできるよね?クレア君、一応鉄条網の周りに火を放って置いて。そうすればよじ登るなんて事しない筈だから」
「ワットも中々クレイジーというか、容赦ないよね?でも、そこまでしないといけないのも確かかも?カンナには苦労かけるけど出来るよね?」
「はぁ、分かりました。やってみます」
そのあと、作戦通り私がまず最初にヤンさんの元までいく。
瓦礫の山が上手く隠蓑になってくれて相手に気づかれず2、30m近くまで来れた。
逃げ惑っていた為、戦車をじっくり見ることが出来なかったが、8、9m近くはあるだろう。
自分が今までこんな物と戦っていたなんて信じられないぐらいだ。まるで恐竜のようだと思ってしまった。
(でも、ヤンさんって。こんな偉大な武器を持っていても自分が死ぬっていう結末を知ってる訳だよね?もし、自殺をしようと考えているなら絶対止めないといけない!!)
そうだ、ヤンさん自身は運命から逃れるような事はしないし、それが彼にとっての使命なのだ。
(…なら周りが変えてあげないといけない。彼の未来を)
そのあと、じっとしていたら後ろからついてきていた2人に話しかけられた。
「どうしたのカンマ君、戦車をじっとみて?あまり頭を出してると相手に見つかっちゃうよ?」
「…もし、ヤンさんが自殺しようと考えてるならどんな方法を使うかなと考えてしまって」
「彼結構クレイジーだからね。そうだな、腰に爆弾でも隠してるんじゃない?」
「でもそんな風に見えなかったよね?それなら私達が近づいて来た時に爆破させてると思うよ?…もっと身近に良い物があるよね?」
その言葉にミランダさんの事を思い出した。
戦車は乗り物と同じく守護霊が操作してる。
ヤンさんがエルヴァイラさんに自分を戦車砲で撃てと命令すればそれが実行されてしまう。
「だとしたら、戦車から出さない方がいいんですかね?でもそうしたらヤンさんに攻撃できなくなる。…なら、私が囮になります。私を傷つける事は出来ない。私が近くにいればそれも一緒、巻き込む事もできない出すよね?」
「ならさっきの案で正解だね、でも気をつけて。君が戦車の中に入ったらゲームオーバーだよ。上手く抵抗してねカンナ君」
「じゃあ、火の玉をつかって上手く足止めしておけばいいかな?カンナが視界に入らないよう上手く誘導しておくね?」
「お願いします。では作戦開始!!」
瓦礫の山を掻い潜りながらヤンさん達の元まで一直線に走り出す。
そのあと、3つの火の玉も私と一緒に彼らの元へむかっている。
試合の時は相手として苦戦したけど、仲間となった今ではすごく頼もしく感じる。
きっと1人では守護者ともまともにやりあう事も出来なかっただろう。
仲間の大切さを今になって知る事になるとは思わなかった。
先に火の玉が戦車の前に到着し、身を潜めながらその様子を見る。
作戦通り後方にあるであろう燃料庫、弾薬庫に火の玉が近づくが反応がない。
ヤンさんに動きを読まれているのかもしれない。
「エルヴァイラ、落ち着いて対処して下さい。6時の方向に砲を向けましょう。そのまま動かないで。隙を見せたらいけませんよ」
『流石、ヤンね。こんな状況でも落ち着いてる』
(相手もやっぱり慎重派だよね。でも、これならどうかな?)
「八咫烏さん顕現して。あの砲がピタリと止まったら行くよ!!」
(私が近くに行けばエルヴァイラさんが動揺して私の方に砲を向けて来るかもしれない。そしたら後方はノーガード。ヤンさんはどう指示をだすかな?)
「エルヴァイラ、彼女が近くにいます。弾を切り替えて下さい。煙幕用です。9時の方向にいますね、確実に捕らえますよ。Feure!!」
そのあと、一瞬で一直線に白い幕が上がる。
直線上に私がいれば彼の射程範囲に入るのだ。
1kmと射程範囲があるならもっと警戒しておくべきだった。
辺りを見渡すがヤンさんは勿論、ワットさんやクレアさんの姿も見えない。
「ヤンさん、ワットさん、クレアさん。どこですか!?きゃ!?」
突然、体が宙に浮き。何があったのかと目を凝らすと、ヤンさんが戦車の外に出て私を抱きかかえているのだ。
「少し、手こずりましたが行きますよ。Dr.が貴方を待ってます。じゃじゃ馬姫もこれなら大人しくなるでしょう」
「…いえ、ヤンさん。捕らえるのは貴方ですよ。とても分かり易いサインをありがとうございます。戦っているのは私だけじゃありませんよ。私には仲間がいます!!」
その次の瞬間、長方形に煙を閉じ込めるように鉄条網が現れ、その周りを炎が包み込む。
「ヤンさん、私はか弱い姫じゃありません。貴方と同じ守護者ですよ」
と言いながらヤンの軍帽についているバッチを触る。
「そうでしたね。それで私をどうするつもりですか?貴方が離れてくれれば私はこのまま死にますよ。ここに来る前、ブロンディが老衰で亡くなったんです。私の命を助けてくれた愛犬です。誰も信じる事が出来なかった私にとってエルヴァイラと同じく信頼出来た存在でした。私はエルヴァイラと一緒に彼女の元へ逝きます」
その言葉の後、「ガラガラガラ」と戦車姿のエルヴァイラさんがこちらへと近づいて来た。
こちらを撃ってくるのではないかと恐怖したが、ピタリと立ち止まった。
『ヤン、そんな事をしてもブロンディは喜ばないわ。私にはわかるの。彼女は貴方に生きて欲しいと心から願っているわ。病が完治しても貴方の命を守ることが彼女の使命だったでしょ?』
その言葉にヤンさんが目を見開き、手を緩める。
彼の腕から逃れた私は今の内にと彼の腕を掴み、捻りながら地面に伏せさせる。
「貴方は生きるべきです。過去からも、これからの未来からも逃げるなんて許しませんよ」
「私が生きていても何のメリットもないでしょう。だったら死んだ方が私もそうですし貴方のためでしょう」
「そんな事ありませんよ。私達はまだまだ知らない事ばかりなんです。情報が欲しい。それを持っているのは貴方達、守護者の皆さんなんです。協力して下さい」
そのあと、ワットさんやクレアさんも近づいてきて鉄条網と火を解いてもらう。
念の為、網でヤンさんを拘束してもらった。
「船でしたっけ?校舎まで私達を運んでくれるんですよね?」
「…まさか、全員で乗る事になるとは思いませんでした」
海岸の近くに停泊している幽霊船という名のクラーケンに話しかける。
「クラーケンさん、私達を貴方の船に乗せてくれないかな?校舎まで連れて行ってくれるんだよね?」
「…うん、いいよ。嬉しいな、カンナが乗ってくれるなんて」
その言葉になんだがクラーケンさんを騙してるみたいな気がしてならないがこれしか手段もないので船に乗り、校舎まで移動した。
校舎まで行くと皆心配して来てくれたのか、シャンランさんやルイスさん、タマミちゃんが校舎の前で待っていてくれた。
「みんな、良いお土産だよ!!」
とワットさんが手を振りながら嬉しそうに言う。
「ワット何してるヨ!?そいつは1番連れて来ちゃダメな奴ヨ!!しっ、しっ、捨ててくるネ」
「私を捨て犬扱いしないで下さい」
ヤンさんがそう口を開くと目の前の3人は警戒しているようだ。
「大丈夫ですよ。ちゃんと話せば仲良く出来ると思いますから。ちょっと失礼しますね。本当に貴方がカードキーを持っていないかどうか調べますから」
そのあとヤンさんの上着のポケットなどを確認するが本人の言う通り無いようだった。
「でもさ、逆に連れてきて良かったのかもしれないね。また他の守護者の元に戻られても意味ないし。でもさ、ずっとここにいさせる訳にはいかないよね?どうしようか?」
「なら、一旦母国に戻ってもらったらどうだ?何年も戻ってないんだろ?バッチつけとけば位置もわかるし、監視出来るからな。外されたら意味もないが」
「…きっとヤンさんの家族も心配してると思うよー?私もお兄ちゃんに戻ってきて欲しいもん。だから、嫌でも家族に会ってあげて欲しいなー」
そのタマミちゃんの言葉にヤンさんは少し俯きながら考えごとをしているようだった。
「…はぁ、分かりました。嫌ですけど、帰ります。帰れば良いんでしょう。どうせ、ここにいても敵ばかりですから。…いや、人数が減っただけで家族も敵ですけど」
『じゃあ、あちらにブロンディのお墓を作りましょう。やっとヤンの故郷に行けるのね。いつもシャトランスにいるんだもの。私、初めて行くの本当に楽しみだわ。大丈夫、心配しないで。私が彼の事を見張ってるから』
そのあと、しばらく不機嫌な顔をしていたヤンさんだったがポロリと涙を流したあと、笑いだした。
「ククク、いや、何というか晴れやかな気分ですね。もう、何も聞こえないんです。これからの未来もわからない。でも、一つだけ分かった事があるんです」
「何ですか?分かった事って?」
「元々、「救世主」は貴方の母親だと思っていました。でも違った。貴方だったんですね。幼い頃、オレンジの髪をした女性をだと聞いていました。私が勘違いしてたんですね。何か違いでもあれば気付けたでしょうが」
「ヤンさんって、私の母とあった事ありましたよね?私と母は瞳の色が違うんです。黄緑と青。私は父と同じなんです」
その言葉にハロウィンで見ていた3人は頷いてくれる。
しかし、ヤンさんは目を見開き驚いている。
「私には顔が見えてなくて、貴方がたには見えてる…。記憶の違いですかね。生前と死後の。なら、カンナには知らない事があるという事ですね。私が見たご婦人の遺体は悲惨な物だった。顔面が潰されていたんです。身元がわからないようにする為でしょうね。そう考えると私は生きていてよかったのかもしれません。じゃないと大切な事を言い忘れたままになっていたでしょうから」
その言葉に私は絶句する。
四肢を分断されただけでなく、顔面まで酷い状態にされていたなんて知らなかった。
しかもそれによって事故ではない事もはっきりした。
間違いなく、母を殺した犯人がいる。
そしてそれは父ではないかと私は考えている。
父は母をどこまで苦しめるつもりなんだろうか。
拳を強く握り、怒りが込み上げてくるのを感じた。
「…なんで、父のしようとしている事を貴方は止めてくれなかったんですか。貴方も母の遺体を弄んだ!!貴方も父と同じ人殺しに違いありません!!」
「貴方は何か勘違いしている。Dr.はご婦人を殺してはいません。むしろ生き返らせて貴方に会わせたいと計画していた。イブはその前身です。今も計画通りに進めようとしている。何故わからないですか?…かなり貴方達と私達では食い違ってる部分が多いようですね」
その言葉に私は頭を冷やした。
ヤンさんの態度が冷静なのが余計、自分が我を忘れて怒り狂っていた事に対して恥ずかしいなと感じてしまったのだ。
そんな私を見たヤンさんが「ぽんっ」と頭を撫でてくれた。
気を使わせてしまったのかもしれない。
「私は母国へ帰りますが、落ち着いたら話す機会を設けましょう。守護者達には私は死んだと使えておいて下さい。私はかなり恨まれてますからね。私を庇った貴方達もです。この先、かなりヘイトを稼ぐ事になると思いますが勝てば正義です。負ければそこで終わりだ。どうか生き抜いて下さい」
「勿論だよ。勝った方が英雄扱いだからね。貴方達もそう考えると勝ち抜いてきた英雄だ。そんな人達に勝負を挑まなくちゃいけないのはプレッシャーだけど、終われば頼もしい仲間になってくれる。ヤン君、君は僕たちの仲間だよ」
「私は観戦武官としてこの戦いを見守ります。ですので味方でも敵でもありませんよ。あとは後輩にまかせます」
そのあと、先生方に相談し無事にヤンさんを母国ドイツへと帰す事が出来た。
これからも守護者の皆さんと戦う事になるだろうが一体どんな結末を迎えるのだろうか?
こうして長い1月の満月の夜が終わりを告げた。
No.14を読んでいただきありがとうございました。
…なんで黒幕を連れてきちゃっちゃんですか!?捨ててきなさい!!
No.13の流れを変更してヤンを生存組にしたのには色々な理由があります。
回想やると死亡フラグが立つと言いますが、ヤンの場合「死ぬ、死ぬ」と言いすぎて「こいつ殺しても面白くない」と作者が思ったからですね。
一応死亡ルートの案が色々あって、戦って死ぬというより自殺で死ぬというのが初期案にあったので文中で描写しています。
ですが、ヤンの場合本性を出さずに死ぬというタイプなので冷静なままなので不思議な感覚になりながらヤンのパートが終わるという展開なので後味悪い感じを予定していました。
ヤンの本性ですが、回想でやっていた悪魔に憑かれたヤンが本性ではなくて作者の中だと割とノリがよくて、作者に対してクレームも言うし、毒舌、ドSなのが本来の彼という説明足らずな性格をしています。
これらは今後彼を見ていくとわかるかなと思っています。お楽しみに。
結構女性や子供に対しては優しくて、紳士的ですね。
なんだかんだ言って予言の話を否定せず聞いてくれたカンナちゃんに対しては心を開いています。
心を開くとデレデレしてるタイプですね。以前から一緒にいるブロンディやエルヴァイラに対する態度と一緒です。カンナの事を妹のように思ってるかもしれません。ヤンデレとはことのと。
次はNo.15「束の間の自由」をお送りします。ジャンヌ戦ですが、カンナちゃんはお休みなのでジャンヌ視点でやりたいと思っています。戦うのはシャンランとルイスですね。タマミちゃんは兄妹対決まで持ち越しです。




