No.13 運命
ヤンって、ロマンチストというか、メルヘンチックですよね。
運命とか、おとぎ話の事も言ってましたね。ドイツ出身なので白雪姫、グリム童話の描写を入れてました。
色々裏設定とかあるんですけど、読書や絵を書いたりするのが好きで、綺麗好きでお風呂に入るのも好きです。
マニュアル人間なので、料理とかも上手そうですね。
…完全に女子じゃねぇか!!プリンセスにでもなるつもりかよ!!動物とも話せるから尚更そう見えます。
1月の満月の夜の日の事、私達は事前に多目的室で作戦会議をしていた。
「相手の目標はカンナ君だよね。だから、カンナ君を倒すんじゃなくて捕まえるのが目的なら僕達は身を挺してカンナ君を守らないといけない。どうしたらいいかな?」
「守るだなんて、私は皆さんを傷付けたくないですし逃げたい訳じゃありません。私も一緒に戦います」
「でも9人いるんだよ?1人ずつとは言え、全員出て手の内がバレたら大変だよね?各個撃破なら今後の相手に対策されちゃうかもしれないんだよ?」
「確かにそうだな。なら、分けるか。半分の3人まで出して、前半組が対処出来ない場合は後半メンバーがカバーする。まぁ、出来るだけ少人数で戦えれば良いに越した事はないんだけどな」
「良い案だと思います。でも、まず私がいないと。もし、皆さんに何かあった時止められるのは私だけです。私が父の所に行けば、皆さんは傷を負わずに済みますから」
「でもさー、カンナちゃん。守護者の皆んなもそうだし、お兄ちゃんもそうだけど何か変だよねー?写真と全然違ってたし、傷付けられたのかなー?カンナちゃんが同じ思いをするのは嫌だよ。それは最終手段に取っておこうねー」
確かに、キョウさんは眼帯をつけていたしメイさんは耳当てをしていた。
これは何と関係しているのかわからないが、守護者の皆さんに何があったのだろうか?
逆にヤンさんやジャンヌさんには何も異変を感じなかったので逆に違和感を感じた。
2人と他の7人に何か違いでもあるのだろうか?
「わかったよタマミちゃん。でも、私も一緒に戦います。守護者の目的が私なら「あいつはどこだ」と言われて皆さんを脅すかもしれませんから」
「確かにそうネ。相手は戦車ヨ。接近戦のカンナと相性が悪いね。クレア、お願いしても良いネ?攻撃範囲も広いし、悪くないと思うヨ」
「うん、良いと思うよ?でも、あと1人欲しいかな?カンナのサポートが出来る人いない?接近戦は相性悪いし、除外した方がいいと思うよ?」
「じゃあ僕が良いかな。長距離攻撃が出来る人このメンバーだと余りいないんだよね。僕は戦車を食い止めるって言うより、本体であるヤン君を捕まえる事に専念するよ。じゃあ、このメンバーで作戦会議しようか?」
そのあと、作戦会議をしていたのだが肝心な事を忘れていた。
「…あの。ヤンさんってどこから来るんですか?地下からだとしても戦う場所は?私達全然知りませんよね?」
その言葉に2人は私の方を向いてくれる。
(何かまずい事でも言ったかな私…)
ワット&クレア「…あっ、確かに」
「まぁ、何とかなるよ。だって相手はカンナ君を狙ってるんでしょ?君がいれば近づいて来るでしょ?」
「確かな作戦なんてないんだから臨機応変に行けばいいと思うよ?」
「あはは…大丈夫かな、これ」
そんなグタグダな話をしながら、1月の満月の夜を迎えた。
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「とりあえず校舎の方に来たんですけど誰もいませんね」
事前に話した通りワットさんとクレアさんと一緒に外にいるのだがヤンさんの姿が無い。
「リリアックに頼んで探して貰おうか?場所がわからないとしょうがないよね?」
「そうですね。じゃあお願いします」
リリアックさんが飛び立ち10分後の事、慌てた様子で彼女が帰ってきた。
「クレア見つけたわ!!コロシアムの方に幽霊船と一緒に敵がいたわ!!」
「ナイスだよリリアック!!じゃあ移動しながら作戦を確認しようか?戦車とコロシアム、この2つの要素を上手く使って相手を食い止めるよ!!」
そのあとコロシアムへと向かうが2人が入り口の前で足を止める。
「カンナ君作戦通りここは君1人で行ってくれないかな?僕達は外からバックアップするからさ。君にもバッチを通してGPS付いてるよね?ここからでも携帯から位置がわかるし何かあったらすぐ駆けつけるからさ」
「えぇ、少しでも相手の目的を探らないと。大人数で行ったら警戒されますしね。行ってきます」
コロシアムに入ると試合場の中で月を見上げるヤンさんの姿があった。
その顔はどこか寂しそうに見える。
恐る恐る試合場に向かうと相手も私に気づいたのかこちらを見つめてくる。
「GutenAbend、こんばんは。大丈夫、遅刻などしていませんよ。そもそも、時間や場所を指定しなかった私に罪がありますから」
(もしかして、ずっと待っててくれたのかな。もしかして怒ってる?ラントユンカー君も時間には厳しかったし)
「えぇ、えぇっと。戦わないんですか?凄く落ち着いてますけど」
「何と伝えればいいんでしょうか?私としては余り乗り気ではないんですよね。この日が来る事をわかってはいましたが、いざとなると躊躇して動かなくなってしまったんです。必要な事は済ませましたがね」
「その…ヤンさんって予知能力でもあるんですか?クリスマスパーティーの時もそんな話をしてましたよね?」
「昔から悪魔にこれからのことを教えてもらっていました。教えてくれる事と教えてくれない事がありますけどね。そうですね、では1つだけ貴方に特別に教えておきましょう。Dr.には内緒ですが私は次の守護者を知っています。「カグヤ」未来ではそう呼ばれるでしょうね」
「その未来が当たってるかわかりませんけど、もしそれが本当なら自分の手で確かめます」
「えぇ、それがいいと思います。では始めましょう。エルヴァイラ顕現を」
『了解よ、ヤン。大丈夫、私は貴方のそばにいるわ。だから悲しまないで』
(悲しむ?どう言うこと?ここに来る前ヤンさん達に何かあったの?)
しかし、考えている暇はない。
ヤンさんはすぐさま戦車の中に入り、じっと砲を向けたまま動かないようだ。
相手は私を殺したい訳じゃないのだ、だから打ちたくても打てないのかもしれない。
「八咫烏さん、ここは一旦外に出て2人と合流しよう。戦車の射程範囲は1km、剣なんかじゃ太刀打ち出来ないよ!!」
『同じ守護者でも格差ありすぎだろ。ちっ、一旦引くぞバカンナ』
そのあとすぐさま外に出るが、ヤンさん達が追ってくる気配がない。
それが逆に怖いとすら感じてしまう。
ヤンさんも何か策があるのかもしれない。
後方を確認しながらもコロシアムの外に出て2人と合流する。
「カンナ君、無事で何よりだよ。じゃあ相手を追い込むよ、メアリー鉄条網に顕現して。コロシアムの周りを囲むよ。広範囲だけど出来るよね?」
『全く、蜘蛛使いが荒いったらありゃしないわ。しょうがないわね。やってあげる』
そのあとメアリーさんはコロシアムの周りを鉄条網で覆ってしまった。
「す、凄い。これならヤンさんもコロシアムから出て来られないかも」
そのあと、コロシアムの方面から「バコーン」と言う大きな音が聞こえた。
銃声よりも大きい砲音に思わず鳥肌が立ってしまった。
「やばい、相手もガチだよ!!コロシアム穴だらけじゃん!!逃げるよ、カンナ君、クレア君!!」
逃げている最中後ろで何度も「バコーン、バコーン」と砲撃の音と共に瓦礫がガラガラと崩れる音がする。
恐怖心を押し殺しながら、島と島を繋ぐ橋の所まで来た。
「とりあえずここを戦線にしよう。戦車は平地じゃないと上手く動けないからヤン君は平地のここを選んだんだよね。今壊してるコロシアムもいずれは彼の障害になるよ」
「障害?あっ、なるほど。ヤンさんの周りを囲い込んで瓦礫を周りに敷いたんですね」
「そゆこと。クレア君、ここら辺の木も燃やしてくれないかな?良い障害になると思うよ」
「良いと思うよ?今は私達は動かないで守護霊達に任せた方がいいかな?」
「確かにそうですね。八咫烏さん、上空の偵察を頼んでも良いかな?戦車相手でも霊体なら大丈夫だよね?」
『了解だ、各自行動を開始する。お前ら3人いるからって怠けんなよ。俺様達だけが力を持ってる訳じゃねぇんだからな』
わかってるよ、でも動くのは今じゃない。頼んだよ八咫烏さん」
そのあと、クレアさんはランタンへと変え周りの木々を焼き尽くしている。
その上空を行くように八咫烏さんは飛びたっていった。
〜コロシアム〜
「これではコロシアムも使い物になりませんね。エルヴァイラ大丈夫ですか?戦闘に支障は?」
『大丈夫よ。でも視野が悪いわ。瓦礫の山で周囲が見えないの』
「なら壊しながら進みましょう。彼女達の目星はついています。行きましょうエルヴァイラ」
遠くから砲音がする。その音に守護霊の皆んなが無事か気になるが、ここは冷静に行動しなければいけない。
「ヤン君はコロシアムの中だね。ここまで来るのには結構時間かかると思うよ。僕達は出来るだけ遠くから攻撃しないと勝ち目ないよね。どうしようかな…まずは彼を戦車から引きずり出さないと。戦車の燃料目掛けて攻撃するのが一番かな」
「今、リリアックが木を燃やしにいってるから終わった後に攻撃を開始した方がいいよね?燃料に引火したら結構焦って出てくると思うよ?」
そのあと木を焼き尽くしたのか、火の玉がクレアさんの元へ帰ってくる。
そのあとだった八咫烏さんが慌てた様子でこちらへとむかってくる。
「どうしたの?八咫烏さん。もしかして何か見つけたの?」
『おい、もたもたするんじゃねぇバカンナ。ヤバイぞこちらに一直線にむかってる。あいつ本当に予知能力持ってんじゃねぇのか!?』
「…ヤンさんって何でもお見通しなのかな」
そんな話をしているとガラガラガラと機械音がする。
「そんな事ありませんよ。全てを知っている訳ではありませんから。皆さんお揃いで、丁度良いです。エルヴァイラ、ここを占拠しましょう。この島から出られないように」
その言葉にワットさんは慌てて私とクレアさんの手を引いて橋を渡ろうとする。
「まずい、このまま僕達を島の中へ閉じ込めるつもりだ!!逃げないと!!」
そのあと後方で砲音が鳴り響く。
その音に体が反応し、脊髄反射で目を閉じ体をかがめた次の瞬間何かが海の中へ落ちる音がした。
橋に穴があき、その瓦礫が海に落ちているのだ。
その穴を中心に地割れがおき今にも切断されそうになっている。
その光景に足が竦み逃げ道を失った私達は絶望感を抱かずにはいられなかった。
しかし、それと同時にある疑問が生まれた。
そのあと、戦車がこちらまできて崩壊した橋を眺めにきたのか戦車のハッチを開け顔を出している。
「ヤンさん。貴方も閉じ込められているのは一緒ですよね。どうやってこの島からでるつもりですか?」
「貴方もご存知でしょう?Dr.の守護霊を。そこで決着がつくのを待ってるんですよ。どうですか?クラーケンに頼めば貴方達も乗せてもらえますよ」
と言いながら海岸にある幽霊船を指差している。
「それは最終手段にとっておくよ。その前に貴方からカードキーを手に入れないといけないからね」
確かに、私達の本来の目的は守護者の皆さんからカードキーを奪うことだ。
私達の目的は彼らを傷つける事ではないのだ。
そう考えると、こうして戦闘をしている事がおかしいと感じてしまった。
協力してくれる人もいるかもしれないにも関わらずだ。
「カードキーならもう手元にはありませんよ。言ったでしょう、私は結末を知っていると。やるべき事は全て済ませてあります。信じられないなら私の遺体を隅から隅まで見て見ればいい」
(なに、この違和感?まるでヤンさんは自分が死ぬ事を知っているような。…だとしたらここで全部話してもらわないと何の情報も得られなくなっちゃう。彼の本当の目的を探らなくちゃ)
私は武器を持たずヤンさんの元へ近く。
「カンナどうしたの?危ないと思うよ?」
「少し彼と話をさせて下さい。ヤンさん、正直に答えて下さい。貴方の本当の目的はなんですか?」
「私の目的ですか?そうですね、一言で言うなら自分の運命に従うこと。…いや、違いますね。その運命を相手に押しつけて従わせるのが私の目的でしょうね」
「…自分が死んでもですか?」
その言葉にヤンさんは迷いなくこう言った。
「勿論です。それが自然の摂理と言う物ですから」
「ヤン君って凄いクレイジーだね。人間いつか死ぬ物だけどさ、別に死を受け止める必要はないんじゃない?どんな人生をおくったらそうなるの?」
「私の心配をしていただかなくて結構です。長い話になるので省略しますが、私は幼い頃から霊が見えるのと同時に声を聞いていました。悪魔の声です。悪魔はこう言ってました、「永遠の未成年集団が東方の地に現れる』と『そこは巨大な実験場であると』やっと理想の地にたどり着く事ができました。シャトランス、ここの事だったんです。だから私はここに来た。これからの予言を忠実に守る為に」
その言葉に半分理解出来なかったが、多分ヤンさんにしか知らない未来というのがあるのだろう。
彼の話に飲み込まれるのはいけないが、話を聞き続ける。
「大変興味深い話ですね。ヤンさん、貴方はその運命にどこまでも従順ですね。どこまで手を加えるつもりですか?」
「そうですね。私の役目は「ロボット人間」を作る所まですね。いるでしょうこのスクールにも」
何というか、ヤンさんの話を聞いていると頭が痛くなってくる。
でも本人は真面目に話をしている所をみると本当の事なのかもしれない。
「別に理解してもらう必要はありませんよ。私を狂人と思うならそれでいい。さぁ真面目ましょうか、エルヴァイラ?もうそろそろお腹が空いたでしょう」
『そうね。おやつの時間にしようかしら?』
そういうと、砲台が90度傾き「ドゴーン」と発砲される。
「見せしめです。次は正面、12時の方向に打ちますよ?いいですか?」
「カンナ君逃げよう、早く!!」
その言葉に「ハッ」と気が付き皆んなで走り出す。
「長話は予想外でした。少し話過ぎましたかね。口封じしておかないと。時間内に済ませましょう、行きますよエルヴァイラ」
『了解。私達から逃げられると思わない事ね』
No.13を読んでいただきありがとうございます。
クレイジーサイコパスってこういう人の事を言うのかな…と思いながら書いてました。
悪魔さんは有名な方なので文中で名前を出すのは控えたいと思います。
というかヒトラーなんだよな…。文中であった「永遠の未成年集団」とか「巨大な実験所」とか「ロボット人間」とかはネットを通じて調べたヒトラーの予言を抜粋したものです。
予言って色々な解釈があるので、作者が自分の作品のテーマに合うと思った物を入れました。
今後のヒントになればいいかなと思います。
次は「バルバロッサ」の回想をお送りします。
守護者が未来のBIG7だと言われていましたのでコードネームを作りました。
バルバロッサは「赤髭王」という意味があります。ドイツではバルバロッサ、フリードリヒ1世が眠りから覚めドイツの危機を救ってくれると言われています。第二次世界大戦でも大切な戦いで使われていました。




