5話 レベルアップ
本日2話目です。
話の構成が少しずつ固まってきました。
成人の儀を終えてから2日が経った。
僕はスキルの検証を進めていき、LVが上がったらどうなるかが気になっている段階だ。
それが分かれば僕の職業とまでは言わなくても方向性が少しは決まってくるのかな。
前日と同じように父さんについていこうかと思ったが、
今日は村の門で警護に当たるということだったので魔物との戦闘はなさそうだったから今日は自由に行動することにした。
母さんからは畑の手伝いをお願いされたがやりたいことがあると言って逃げるように家を出ていった。
僕は昨日村の外周を歩いてどこに隙間があるのか確認していたからそこから村の外に出ることにした。
外周を巡回してくる警備隊の人に見つからないようにして急いで走っていく。
草原を走っていき、息が切れるほどの距離を進み、振り返ってみると村から大分離れていることが分かる。
ここまで来れば巡回にも見つからないだろう。
少しずつ木も生えていて草の背も高い。
草むらの中を剣で道を切り開きながら進むのは自分にとってそれだけでも大冒険をしている気分でわくわくした。
そんな高揚感を得ながら歩を進めると川のせせらぎが聞こえてくる。
村にも川が流れているけど繋がってるのかな?
疑問を浮かべながら乾いた喉を潤していると川の対岸に昨日見たウルフが現れた。
向こう岸は木が多く、気付かなかったみたいだ。
よし!あの狼を倒してLVを上げるぞ!
早くなる鼓動を落ち着かせながら近くにある石をウルフめがけて投げる。
当たりはしなかったがこちらに敵意を示し、威嚇するように唸り始めた。
ウルフは川幅数メートルを物ともせず水の中へ飛び込みこちらに向かってくる。
僕は川を渡ってくるウルフを待ち構え、こちらの岸に上がってくる瞬間を狙って剣を叩きつけた。
隙だらけのウルフは川に落とされ、何度も川岸から上がろうとする。
ウルフの知能があまり高くなかったことが幸いして数回繰り返したことでそのまま川から出てこずに息絶えた。
その瞬間に体が軽くなったように感じた。
ステータスを確認すると、
■■■■■■
☆ポーツ
LV2(+1)
基礎体力 12 ⇒ 14
身体筋力 10 ⇒ 12
保有魔力 6 ⇒ 8
精神知力 7 ⇒ 8
天運気力 13 ⇒ 14
創造器量 8 ⇒ 9
スキル:算術LV2(1)
■■■■■■
やった!LVが上がってる!
しかもスキルのLVも上がって表示が変わっている。
確認してみると、
【 算術:特定の条件で数値の変動を可能にする式算術。LV2=変動値2 】
やっぱり変動値が2に変わってる。
残りの変動値も基礎LVの方に追加すると、
■■■■■■
☆ポーツ
LV2(+2)
基礎体力 12 ⇒ 16
身体筋力 10 ⇒ 14
保有魔力 6 ⇒ 10
精神知力 7 ⇒ 10
天運気力 13 ⇒ 15
創造器量 8 ⇒ 11
スキル:算術LV2(0)
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手を加えていないステータスから結構数値が上がって体の調子が格段に良くなった気がした。
僕はそれが楽しくなってきて対岸にウルフがいないか川に沿って探しているとまた1匹見つけた。
同じようにして投石でこちらにおびき寄せて上がり際を剣で切りつける。
先程よりも早く倒しきることができた。
それに今回は大分痛めつけてから岸に上がりきったところで止めを刺したから死体もゲットすることができた。
嬉しくなって僕はそのウルフを担いで村に戻ることにした。
人に見つからないようにしながらヘラケラの実家である雑貨屋へとウルフを買い取ってもらいにこそこそと隠れながら進んでいく。
やっとのことで雑貨屋に行くとそこにはガキ大将のジャングとネオスが居た。
げっ、なんて間の悪い。
なるべく関わらないように声をかけずにカウンターにいるヘラケラのおじさんにウルフを渡して買い取ってもらう。
「あれ?ポーツじゃん。その魔物どうしたんだよ」
案の定ネオスが話しかけてきた。
「ああ、父さんの手伝いで渡しに来ただけだよ、ははは」
誤魔化すために嘘をついたことで乾いた笑いが漏れてしまう。
「手伝いか。そりゃそうだよな。ジャングじゃあるまいしポーツがウルフを倒せるなんてないもんな」
そう見下すような決めつけるような物言いはネオスの常套句みたいなもんだ。
いちいち鼻につくやつだからあまりみんなからは好かれていない。
「おいポーツ。お前の持ってる剣、見せろ」
今度はジャングが僕の剣に興味を持ったのか話しかけてくる。
あまり気が進まないが断ったら断ったで面倒なことになるのは分かり切っているから仕方なく見せる。
「ふーん、安物だな。でもちゃんと手入れはした方がいいぞ」
買った店で貶すことを言うなよ!ヘラケラのおじさんも苦笑いしてるだろ!
でも手入れしろっていうアドバイスは確かにもっともかもしれないと思った。
ジャングは言い方や普段の態度こそ悪いが一本気が通っているというか、根は悪い奴じゃない。
だからネオス程は嫌われてはいない。
我が強いから好かれているというわけでもないんだけど・・・
そんなやり取りを終え、おじさんから買取金を受け取り足早に店を出ていく。
「ちょっと待てよ!」
ジャングがまだ何かあるのか呼び止めてきた。
ああ、嫌な予感しかしない。
「なに?僕もう行かないと・・・」
「お前、スキル貰ったんだよな?何貰ったんだ?」
神官のノギスさんから他の人の詮索はするなって言われていたのに無遠慮に聞く当たりやっぱりガキ大将と呼ばれる由縁だ。
「それは・・・」
言い淀んでいるとジャングは言葉を続ける。
「俺は『怪力』っていうスキルもらったぞ!」
まさか自分からスキルの発表をしてくるとは!?
しかも怪力?
ジャングにぴったりだと思うけどそのスキルをどうか人には使わないでくれと願う。
こうなったら僕のスキルも言わないとジャングは許してくれないだろうな。
僕は諦めて『算術』スキルだと教えた。
それを聞いたネオスは「なんだそのスキル!聞いたこともないぞ?」と言って嘲るように笑った。
お前はスキル貰ってもいないじゃないか!と口からこぼれそうになるが争いの火種になるだけなのですぐに封印する。
僕のスキルを聞いて満足したのか僕に関心を失ったようなので、
「じゃあね!」とだけ軽く挨拶を交わして逃げるように店から離れていく。
今日はなんだか逃げてばっかだ。
◆◆◆
店を出ていくポーツを見てネオスに話しかける。
「なあ、ポーツってあんなに足早かったか?それにウルフも軽々と持っていた気がするな」
「どうだろ?逃げ足は速かったかもね。あのウルフも子供だったんじゃないの?」
そういってネオスは笑う。
「俺の気のせいか?」
ジャングは微かな違和感を持ったが今となっては確かめようもないので自分の武器選びに戻り、
刃の大きな斧を確かめるように持ち上げて「これにする」と少年らしく嬉しそうに選んだのだった。
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