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4話 スキルの検証

もう少し続きを書いてみます。



畑作業を昼食を食べ終わったあと数時間してから今日の手伝いは終わった。

まだ日も落ちていない頃合いのなので母さんも早めに自宅に戻れると言って喜んでいた。



僕は自室に籠ってスキルの検証を進めることにした。


今の段階で分かっている『算術』スキルで出来ることは、

自分のステータスの数値に+1するだけ。


そう、自分のステータスなら+1することが出来るのだ。

僕は基礎体力とか身体筋力に+1させたり戻したりして体の動きの変化を確認していった。


しばらくそんな遊びの範疇を超えない検証を進めていたが、+1程度では大きな効果は得られないと気付いた。

僕の授かった恩恵はあまり優秀なスキルじゃなかったんじゃないか。

そんな風に思い始めてしまったのだが、LV1という数字があるのでそれが増えることでもっと大きな変化が起きるかもしれないと前向きに思い直すことで落胆した肩を持ちあげる。



そこで疑問を一つ発見した。


あれ?LVの数値は上げられないのかな?


その疑問は僕にとって大きなきっかけとなった。



【 LV1⇒LV1(+1) 】



わわっ!変更することが出来た!!


LVに+1した結果をステータスで確認すると、



■■■■■■

☆ポーツ

LV1(+1)

基礎体力 10 ⇒ 12

身体筋力 8 ⇒ 10

保有魔力 5 ⇒ 6

精神知力 6 ⇒ 7

天運気力 12 ⇒ 13

創造器量 7 ⇒ 8


スキル:算術LV1

■■■■■■



どれかの数値を+1にした時よりも上昇効果が高かった。

体感的にも一段階体が軽く感じたし、頭の切れも良くなったような感覚を得た。



次に算術スキルのLVを上げられるかを試したところそちらは上げることが出来なかった。

どうやらスキルLVに反映させることは無理なようで残念だった。


まぁ、スキルLVが上がってもし変動可能な数値が+2とか+3になったらスキルのLVを上げまくって永遠に増やすことが出来てしまうのでさすがに都合が良すぎるな、と自分で納得した。



いつの間にか外の明るさが落ち、父さんも帰ってきていたようで一緒に夕食を囲む。


「父さん、LVって何か知ってる?」


「ああ、LVっつったら強さの基準のことだろ」


「そうそう、LVってみんな知ってるものなの?」


「みんなが知ってるかどうかわ分からんが街に行ったことがあるやつは大抵耳にしたことはあるぞ。

 街に行くとギルドってのがあってそこで身分証を発行したりするんだけどそこでLVの確認が必要だからな」



そうだったのか。じゃあ『算術』スキル以外でもLVの確認をすることが出来るんだな。


「父さんはLVどうだったの?」


「父ちゃんのLVは14だったな。結構前に確認したから今はもう少し上がってるかもしれないがな」


父さんの言葉から察するにLVを上げる方法があるってことだ。

それならスキルのLVも上げられる可能性がある。



「父さんはどうやってLVを上げたの?」


「どうって言われてもな、父ちゃんの場合いつの間にか上がってるんだよな。冒険者から聞いた話だと魔物を倒すと上がるんじゃないかとは言われてるぞ。村に出る魔物を退治したりしてるからそのおかげかもな」



「そうなんだ、教えてくれてありがとう」


これで次に何を検証するかが決まった。



◇◇◇◇



次の日の朝、僕は父さんの職場に付いていくことにした。


警護隊の仕事を見学したいと話したら父さんは喜んで連れて行ってくれた。

本心では魔物がどんなものか見ておきたかっただけだから少しだけ罪悪感が芽生えた。



ソナニ村を囲む柵は所々隙間があるので防衛機能が優れているわけではない。

その為、村の入口に常時警備の人間が立っている。

それに加え、柵の補修をしながら村の周辺を巡回する部隊とで役割を登板で交代している。


父さんの今日の役割は周辺の巡回だった。

僕はそれに付いていくので、念のため皮の軽鎧と切れ味の悪そうな短剣を渡され、背負い袋に補修道具を入れて担がされた。



巡回をしていると村の外には草原が広がっている。

村人は基本的には柵を越えて外の世界には出かけない。

出る時は警護隊の人間や村の外から来た護衛の人と同行するのが暗黙のルールとなっている。

子供は特に厳しく言いつけられていた。


それは外の世界に人を襲う魔物が存在しているからだ。


僕は遠目で眺めることはあったし、悪友と一緒に村の外に足を踏み出したことも多少はあったけどそれはほんとに数歩だけだったので間近で魔物と遭遇したことはなかった。

村に持ち運ばれる魔物の死体くらいは見たことがあるけど、それがどうやって倒されたかは見たことがなかった。



成人して初めて永遠と広がる世界を感じて自分がちっぽけな存在だな、と干渉に浸ったのだ。



「おい、ポーツ!村を出たらぼーっとするなよ。いつ魔物が現れてもいいように警戒を怠るな」


父さんは普段の家でいる時の柔らかい印象から打って変わって厳しい顔つきをしている。

それだけ危険が隣り合わせの仕事なのだと実感した。



「はい!」と自分の態度を正すように力強く返事をして警戒しながら父の後ろをついていく。



村の外周を半分ほど進んだ頃、


「ポーツ、その場で警戒して待機してろ」

父さんが強い言葉で僕に指示を出す。


どうやら魔物が現れたみたいだった。


草原は見晴らしがよく遠くまで拓けているのですぐに魔物の存在を確認することが出来た。

こちらに灰色の狼が駆けているのが分かった。



父さんは武器と防具の装備を確認し、鞘から剣を抜き戦闘準備をすぐに終えた。


数十メートルまで狼が近づき、父さんは狼の方へと近づき剣を向けた。


狼は鋭い爪で飛び掛かってきていたが盾でいなし、剣の刃で狼の傷を増やしていく。


数合の接触があってから見るからに弱弱しくなった狼に止めを刺して刃についた血のりを振り払った。

その姿は歴戦の戦士さながらで、改めて父親の尊敬につながった。



「いいかポーツ、あれが魔物のウルフだ。大した強さじゃないが動きが機敏だからしっかり防御しないと怪我をするからな、こんな風に」


そういって腕に引っかかれた傷を見せながら余裕な表情で見せつける。

父さんにとってこれが日常なのだろうか?そう思ったら警護も大変な仕事だなと素直に感嘆した。



その後は特に魔物も現れず、柵の隙間を木の板で塞いだり、ぼろくなったところを補修して周っていった。



村の入り口に戻っていき、ウルフの死体を持ち込むと他の警護隊の人から「今日は収穫ありか」と父さんは称えられた。

借りていた僕の装備は村の兵舎に返して村の中へと進んでいく。



ウルフの死体は村の雑貨屋に持っていき解体をしてもらうそうで、そこで買い取ってもらえると教えてもらった。


ちなみに雑貨屋はヘラケラの実家で、ウルフを持っていくと店の中にヘラケラが手伝いで働いていた。



「おお、ポーツじゃないかー!今日は親父さんと一緒に巡回したのかい?」


「うん、そういうヘラケラは店を引き継ぐの?それとも手伝い?」


「実はまだ決めかねてるんだよねー、だからとりあえずの手伝いってところ。ポーツは?」


「僕もまだ決められなくてね。今日は父さんについていってみたんだ」



簡単な日常会話をしている間に買取が終わったようで、多少の臨時収入があったので手ごろな武器を買ってくれると父さんが言ってくれたので廉価なショートソードを選んで買ってもらった。


店を出る時にヘラケラから「ありがとっしたー!」と笑顔で送られたのがなんだかむずがゆかくて可笑しかった。




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