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災厄スキルで人類追放〜しかしそのスキル最強なり!?〜  作者: しゃむしぇる
第一章 変わり始めた運命

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第8話

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 重い瞼を開けると、瞼を真っ赤に腫らしたアイの顔がすぐ間近にあった。ペルと話をしていた時同様に、俺はアイに膝枕されているようだった。


「ア……イ?」


「ぜ、ゼラ様っ!!良かった、本当に良かったですれ!」


 ボロボロと泣き始めてしまったアイの頬に、思わず俺は手を伸ばした。


「ごめん、あの魔法痛かったよな。」


「あ、あの魔法の傷ならばゼラ様が治してくださいました!!こ、この通り傷跡一つございません。それよりも御身は……。」


「俺はもう大丈夫!!」


 ペルの膝枕は冷たかったけど、アイの膝枕は温かかった。正直もう少し頭を乗せていたかったが、俺にはやらなきゃいけないことがあるから、やむなく俺は体を起こした。


「アイ、さっき魔法を撃ってきた魔物の魔石って残ってると思うか?」


「魔石には破壊耐性があるので、もしかすると残っているかもしれません。」


「よっし、探してみよう。」


 さっきゴブリンをまとめて、黒風で薙ぎ払った場所の地面をよく探してみると、青色の魔石が落っこちていた。


「あった、これだ。」


 それに手で触れた瞬間、俺の体に吸収されてしまった。やはり魔石を取り込むと大幅に力が上昇しているのを感じる。強くなったことを実感していると、目の前に文字が書かれた画面が表示される。


『闇魔法(特殊)のスキルレベルが4になりました。』


「おっ、魔石を取り込むだけでスキルのレベルもアップできた。」


 これも俺が魔族じゃなく人間で、魔石に力を全て残さず吸収できるからなのかな。


「さて、新しく使えるようになった魔法は……闇氷(ダークアイス)か。」


 まぁまぁ物は試しに使ってみようか。近くの木に向かって闇氷を放つと、さっきまで青々としていた大木が一瞬でくすんだ色の氷像となってしまった。


「ん〜?この魔法は凍らせるだけか。スキルレベル4になって覚える魔法がこれって、なんかしょぼいような……。」


 新たな魔法を試していると、興味深そうにアイが凍らせた木を見つめていることに気が付いた。


「アイ?」


「はっ、ひゃいっ!!」


「そ、そんなに驚かなくても……何かその凍らせた木が気になるのか?」


「あ、じ、実は私も氷の魔法は使えるんですけど……。」


 アイは落ち葉を拾うと、魔法を詠唱する。


「ア(・)イ(・)ス(・)っ!!」


 詠唱と同時に魔法が発動すると、アイが手にしていた落ち葉が氷の中に閉じ込められてしまった。彼女の氷は、俺のと比べて透明度が高いような気がする。


「う~ん、この感じを見ると俺の魔法と大して変わらないような気がする。」


「ぜ、ゼラ様の氷魔法と比べるには、お、お粗末すぎますっ!!」


「い、いや、そんなことは無いと思うけど。」


「そ、蒼角族は氷魔法に長けているものが産まれやすいんです。ですから氷魔法に関してだけですが、私は他の魔族よりも少し知識があります。」


「そんなアイの目で見て、俺の氷魔法はどうなんだ?」


「普通の氷魔法は、時間が経てば溶けます。で、ですが、ゼラ様の氷魔法は……。」


 アイは小さな炎を指先に灯すと、それを俺の凍らせた木に近づけた。しかし、一向に凍った木は溶けない。


「ん!?」


「ゼラ様の氷魔法は、熱や炎の干渉を受け付けません。ゼラ様が魔法を解かない限り、溶けることのない氷魔法。こ、こんな魔法は大精霊に選ばれた者しか……。」


「そうなのか。」


 アイから話を聞いていて、俺はある疑問を抱いた。


「アイ、俺は魔法についてはまだまだ無知なんだけど、精霊って何度も呼び出すことってできないのか?もしできるなら呼べる精霊が変わったりとか……しない?」


「複数回精霊を呼び出すことは可能ですが……呼び出す精霊が変わるなんて話は聞いたことがありません。」


「……良しなら実験してみよう。」


 もし俺の考えている実験が成功したのなら……アイはとんでもなく強くなることができる。それこそさっきのゴブリンの大群ぐらい簡単に蹴散らせるほどに。


「アイ、こっち来て座って。」


「は、はいっ!」


 俺の前で正座したアイの膝枕の上に頭を乗せながら、精霊を呼び出す儀式をするようにお願いした。


「それじゃあさっそく精霊を呼び出してくれるか?」


「わかりました。」


 アイは魔力を手の平に集めると、精霊を呼び出すあの言葉を口にする。


「我が呼びかけに応えよ。属性を司る精霊達。」


 昨日アイは3体精霊を呼び出したって言っていたけど……さて、どうなるか。心地良い膝枕の感触を楽しみながら精霊が現れるのを心待ちにしていると、アイが泣きそうな声で俺の名前を呼んで来た。


「ぜ、ゼラ様ぁっ、せ、精霊が来ませんんんんんんっ!!わ、私には魔法の才能が無かったのでしょうかぁ……。」


「……いや、そういうわけじゃなさそうだぞ?」


 下を向いているアイには見えていないかもしれないけど、上を向いている俺には見えている。俺達の頭上で何やら言い争いをしている精霊たちの姿がな。


「ちょっと!!なんでウ(・)ン(・)デ(・)ィ(・)ー(・)ネ(・)とク(・)リ(・)ス(・)タ(・)までいるの!?あの女の子はアタシのことを呼んでるんだけど!?」


「はぁ?何勘違いしてんのよイ(・)フ(・)リ(・)ー(・)。ワタシのことを呼んだに決まってるでしょ!?」


「ふふふっ、落ち着いてください御二方。呼ばれたのはわたくし達3人で間違いありませんわ。」


 クリスタと呼ばれていた精霊が喧嘩をしていた2人の精霊の手を引いて地上に降りてくると、その姿を目の当たりにしたアイが驚きのあまり石像に変わってしまっていた。そんなアイのことを差し置いて、彼女たち精霊は俺に詰め寄ってきた。


「あぁっ!!アンタ、ペルのお気に入りでしょ!!あいつの匂いがするわよっ!!」


「あんの強欲精霊、久しぶりに出てきたと思ったら、アタシ達の力を吸収してこいつに渡しやがったからなぁ。」


「ふふふっ、ペルに良いところを全て持っていかれたときは、永久凍土も溶けるような怒りが湧いてきましたが、私達の力も上手く扱えているようで何よりですわ。」


「ペルのことに関しては、完全に彼女が独断でやったことだから、あんまり俺のことを責めないでくれ。それと、今回精霊を呼び出す儀式をやったのは、こっちのアイの方だ。」


「はんっ、この魔族の娘はアンタの仲間なワケ?ちょうどいいわ、本来の純粋な水の力をこの子を通して知って嫉妬するといいわ!!」


 ウンディーネと呼ばれていた精霊は、終始怒りながらも、アイの中へと吸収されていった。


「あ、お、おいっ!!抜け駆けすんなよウンディーネ!!~~~っ、おい小僧っ、アタシの本当の炎の力もこの娘を通して見せてやる。ちょっとでも羨ましいって思ったらペルから乗り換えろよな!!」


「ふふふっ、2人ともやる気満々ですわね。」


 2人の精霊がアイの中に入っていったのを笑顔で見送っていた、クリスタと呼ばれていた精霊は、チラリと俺の方を向くとある警告をしてきた。


「魔に愛されし者よ、闇の精霊にはくれぐれもお気をつけなさい。飲(・)み(・)込(・)ま(・)れ(・)な(・)い(・)よ(・)う(・)に(・)……ね。」


 そう警告して彼女もアイの中に入っていってしまった。そしてすっかり騒動が納まった後、アイの意識が戻ってくる。


「はっ!?わ、私意識を……。」


「アイ、実験は大成功だぞ。」


「へ?い、一体何が起こったんですか?」


「また気を失わないように、気を強く持って聞いてくれよ?」


 俺はアイの呼びかけにイフリーと、ウンディーネ、クリスタという大精霊が応えたという事を伝えると、一瞬失神しそうになりながらも、なんとか彼女は新たに使えるようになった魔法を確認する。しかしながら、自分が使える魔法を確認した途端、また意識を失ってしまっていた。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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