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災厄スキルで人類追放〜しかしそのスキル最強なり!?〜  作者: しゃむしぇる
第一章 変わり始めた運命

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第7話

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 持てるだけの荷物を持って、俺とアイはこの森から移動し、魔界へと繋がる穴を探す旅を始めることとなった。しかし、やはり魔物誘引のスキルはここでも邪魔をするように、俺達の進む方向からどんどん魔物を引き寄せてくる。


「ったく、面倒だなやっぱりこのゴミスキルは!!」


 現在俺とアイは、続々と襲い掛かってくるゴブリンの群れを魔法と短剣で殺しながら前に進んでいる。どうやら俺達の今いる現在地の付近にゴブリンの集落があったらしく、そこにいたやつらが一斉に襲ってきている状況だ。


「アイっ!!そっちは大丈夫か?」


「私のことはご心配なく!!この程度の魔物、いくらかかってきても負けませんっ!!」


 アイは俺には扱えない長剣を豪快に振るい、ひと振りで3匹以上を両断し続けている。しかし、なかなか終わりの見えないこの状況に、表情に疲れが見えてきている。そんな時、ゴブリンの大軍の奥でキラリと何かが光った。それと同時に俺が今まで魔物と戦ってきた経験が、あれは危険だと報せてきた。


「っ!!アイっ、横に跳べっ!!」


「は、はいっ!!」


 俺の声を聞いて、アイはとっさに横っ飛びしたが、わずかに間に合わず、彼女の足を氷の棘が貫いてしまう。これを放ってきたのは、ゴブリンたちの一番後方にいる杖を持ったゴブリンだ。


「あぐっ……。」


「っ!!黒風っ!!」


 詠唱はいらないとわかっていても、込み上げる怒りから詠唱で黒風を発動させ、アイに襲い掛かろうとしていたゴブリンの一群を薙ぎ払った。そして俺は彼女を庇うように前に立つ。


「も、申し訳ありませんゼラ様。」


 自分が傷ついているのに俺の謝罪の言葉を述べてきたアイ。その瞬間、俺は自分の持つこのゴミスキルがとてつもなく憎くなった。


「……っ、ごめん。俺のせいだ。」 


 彼女に謝りながら、俺は闇の祝福の魔法を彼女にかけた。すると、彼女の足を貫いていた氷の棘が消え、傷も元通りに塞がった。それに安堵する暇もなく、やはり魔力が枯渇したことで、とてつもない倦怠感が襲い掛かってくる。


「クソッ。」


 視界がぼやける……腕に力も入らない……足も動かない。誰かを気にしながら戦うのって難しいんだな。そんなことを痛感していると、またゴブリンたちの大軍の奥でキラリと光った。またあれが来る。この状態じゃ躱すことはできない。


 半ば諦めかけていた時、目の前にある言葉が書かれた画面が表示された。


『闇魔法(特殊)のスキルレベルが3になりました。新たに常時発動魔法として魔(・)喰(・)い(・)が発動可能になりました。発動しますか?』


「よくわかんないがもういい、発動する。」


『常時発動魔法に魔喰いが追加されました。』


 画面が切り替わった瞬間、すでに俺の眼前に氷の棘が迫っていた。しかしそれは俺に当たる直前で闇に飲み込まれて消えた。それと同時に全身に襲い掛かってきていた倦怠感が消えた。


「はははっ、なるほどな。」


 今のでこの魔喰いというスキルがどんなものかわかった。これは相手の魔法を吸収して俺の魔力に変換する魔法だ。こちらに放たれる氷の棘を放つ魔法を全て吸収した俺は、大量の魔力を込めて黒風を放った。


「黒風!!」


 大出力の黒風は眼前にいたゴブリンたちを塵一つ残さず消し去った。こうしてゴブリンたちの大軍を何とか殲滅できたわけだが、今ので俺は魔力を使いつくした。もう意識を保っていられない。


「あ、アイ……ご、ごめん。」


「ぜ、ゼラ様!?ゼラ様ぁっ!!!!」


 ブツンと途切れるように意識が刈り取られて、俺はその場で倒れて気絶してしまった。




 そして次に意識が覚醒したとき、俺は闇の精霊ペルに見下ろされていた。どうやら彼女に膝枕されているらしい。


「なっ!?」


「あらぁ、おはようゼラ君。といってもキミの意識は目覚めたわけじゃなくて、夢の世界を彷徨っているだけ。現実のキミはまだ眠ったままよぉ?」


「っ!!すぐに俺を現実に戻してくれ!!じゃないとアイが危ない!!」


 強引に起き上がろうとすると、ペルに額を押さえつけられて、頭を彼女の膝枕に押し付けられてしまった。


「焦らない焦らない。安心していいわよぉ。彼女がピンチになったら起こしてあげる。といってもしばらくは大丈夫そうだけどねぇ。まぁ、それまでお姉さんと少しお話しましょ?その魔物誘引のスキルについても知りたいでしょう?」


「……っ!!わかった。」


「うふふっ、聞き分けの良い子は好きよぉ~。私のことを呼び出せた奴ってみ~んな性格がひん曲がってたり傲慢だったりで、キミみたいに素直な子はいなかったの。」


 俺の頭を撫でながら彼女はそんなことを口にした。


「アイから聞いた。名前にある精霊は大精霊って呼ばれてるって。ペルがそうなんだろ?」


「その通りよぉ~、ちなみにゼラ君が初めて精霊を呼び出そうとしたときに駆け付けた他の精霊も、み~んな名前持ちの精霊だったのよぉ?」


「でもその精霊達の力は全部ペルが吸収したんだろ?」


「そのと~り、でもそのおかげで……ゼラ君に歴代最強の闇魔法を手渡すことができたわぁ。闇魔法でありながら他のすべての属性をも扱える。過去私を呼び出した誰にもできなかった偉業よぉ?」


「でも俺は、そんな物を持っていてもアイを守れな……むぐっ!?」


 話している最中で、突然ペルに口を塞がれた。そして彼女はぽつぽつと、魔物誘引のスキルについて話し始める。


「ゼラ君が持っている魔物誘引のスキル。あれはねぇ、本来魔族が得るものなのよぉ。しかもとびっきり強い魔族がね。」


「…んぐっ、ぷはっ!!じゃあなんで俺にそんなスキルがあるんだよ。あのスキルのせいで俺は……。」


「わかってるわぁ。魔物誘引のスキルの本来の効果を知らない人間は、キミのことを無責任にも野に放り出した。大方勝手に集まってくる魔物に殺させようとしたんでしょうねぇ。」


「それだけじゃない。あのゴミスキルがあるせいで、アイっていう初めてできた仲間まで傷ついた。」


「ゼラ君、何でもかんでもスキルのせいにしちゃダメよぉ?今回キミの仲間の魔族の子が怪我をしたのは、キミの油断が招いた結果。自分に魔法の才能があって、ウキウキで警戒心も緩んでいたでしょ?」


「……っ。」


 ペルの言っていることは正論すぎて、俺は何も言い返すことはできなかった。すると、彼女はニコリと笑い何度も頷きながら頭を撫でてくる。


「うんうん、自分で分かってるなら良いわぁ。やっぱりキミは素直で良い子ね。」


「これからもっと強くなるにはどうしたらいい?」


「それはもうキミ自身わかってるんじゃないかしらぁ?魔物誘引のスキルがあるおかげで、魔物の魔石を取り込めるようになったでしょう?」


「魔族にできることができるようになっただけ。」


「確かに魔族は魔物の魔石を取り込んで、自分の力にできるわぁ。……でもねぇ、魔族には制(・)限(・)があるのよぉ。取り込んだ魔石の1割の力しか、自分にプラスされないようになってるの。そう世界が定めてるのよ。」


「……じゃあ人間は?」


 そう問いかけると、ペルは最初に出会ったときに見せた狂気じみた笑みを浮かべて、ずいっと顔を近付けてきた。


「人間にはそんな制限なんてないわぁ。だって普(・)通(・)の(・)人(・)間(・)は、魔石を取り込むなんてことはできない定(・)め(・)なんだから。」


「でも俺は……。」


「そう、キミは違〜う。魔物の魔石を取り込む事ができて、尚且つその力を全て自分の物にできるの。これって、と〜っても素敵なことじゃなぁい?」


 ペルの真っ黒な瞳の奥に吸い込まれそうになっていると、彼女は何かに気付いたように上を見上げた。


「そろそろキミの魔力が戻ったみたいだわぁ。目覚めが近いわね。だから最後にこれだけ教えてあげる。魔物誘引はキミを強くするために力を発揮する。そして、いずれ世界を手中に収める者の側に相応しい者を、見極めるためにあるのよぉ。」


 ペルのその言葉を最後に、闇に包まれていたこの意識だけの空間に眩い光が差し込んできた。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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