第14話
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
10階層へとやってきた俺達を出迎えたのは、俺の身長の何倍もある巨大な扉。この扉の先にはボスモンスターと呼ばれる一際強い魔物がいるらしい。
「この書類によると、このダンジョンのボスモンスターはメタルゴーレムのようです。」
「メタルビートルもめちゃくちゃ強かったし、今の俺達の力を試すには丁度いい相手かもな。」
そして大扉の前に立つと、まるで俺達の事を誘うように自然とその扉が開いていき、部屋の中央に佇んでいた巨大な銀色のゴーレムの目に紫色の光が灯った。
「さて、じゃあ今の俺の全力を試させてもらおうか。」
ありったけの魔力を注ぎ込んで魔法を放つ。
「黒風っ!!」
普通のゴーレムは魔法が効きにくかったから、こいつも相当魔法には強いだろう。だからこそ試しがいがある……そう思ったのだが。
「あれ?倒した?」
全力で放った黒風は、ゴーレムの足から上を全て消し飛ばしてしまったのだ。そして倒した実感の沸かないまま、メタルゴーレムは大きな魔石へと変わってしまう。
「ボスモンスターを一撃とは……流石ですゼラ様っ!!」
「あれぐらいなら、多分アイでも一撃で倒せるぞ。ダンジョンのボスモンスターは一定時間で復活するって書いてあったし、今のアイの力も試してみよう。」
「はいっ!!」
その後アイにもメタルゴーレムと戦ってもらったが、結果は俺の予想通り、魔法で一撃だった。そして彼女もメタルゴーレムの魔石を取り込んでから、更に奥へと続く扉に手をかけると、そこには2つの宝箱と宙に浮かぶ紫色の結晶があった。
「宝箱が2つ。それにこっちの紫色の結晶はなんだ?」
「宝箱はダンジョンの攻略報酬ですね。それでこっちの紫色の水晶は触ると地上に帰還できる物のようです。」
「なるほど、じゃあこっちの宝箱は俺が貰うから、アイはそっちの宝箱を開けてくれ。」
「りょ、両方ともゼラ様が手に入れたほうが良いのではないでしょうか?」
「二人で攻略したんだから、アイにも攻略報酬を手にする資格がある。それに、多分アイがいなかったこのダンジョンを攻略できなかったからな。」
「もったいなきお言葉です。」
「ま、そういうわけだからさ。遠慮なくもらってくれ。」
「ありがたく頂戴しますゼラ様。」
二人で揃って宝箱を開けると、俺の方の宝箱には古びた巻物が入っていた。それを開いてみると……。
「なになに?これを読んだ者は鑑定のスキルを手に入れることができる。って、あっ?」
書いてあった文をそのまま全部読み上げてしまうと、巻物の文字が浮かび上がって一つの光となり、俺の体に吸収された。それと同時に、目の前に画面が現れる。
『スキルスクロールを吸収し、鑑定が使えるようになりました。』
「鑑定か。悪くないスキルだな。……嫌な思い出もあるけど。」
鑑定のスキルは、スキルを確認する神官が持っているスキルだ。俺にとっては苦い思い出のあるスキルだな。
「アイの方には何が入ってた?」
「ゼラ様、私の方には2つ指輪が入っていました。これはどんな効果があるのでしょう?」
「おっ、早速出番だな。鑑定!」
指輪に向かって鑑定スキルを使うと、目の前に指輪についての説明が表示された。
・念話の指輪
効果
・この指輪を着用した者同士、脳内で会話ができるようになる。範囲は無制限。
「ほぅほぅ、アイ、これは念話の指輪ってアイテムらしい。試しに1つ着けてみてくれ。」
「はいっ。」
アイが人差し指に指輪をはめたのを確認して、俺ももう片方の指輪を指にはめた。そして頭の中でアイに向かって語りかける。
『アイ、聞こえてたら返事をしてくれ。』
「は、はいっ!?ぜ、ゼラ様の声が頭の中で聞こえます。」
「この指輪をつけてると、頭の中で会話ができるようになるんだ。試しにアイもやってみてくれ。」
『え、えっと、聞こえてますかゼラ様?』
『バッチリ聞こえてる。これは他人に会話が聞かれたくない時に使おう。』
『わかりました。』
「良し、もう口で話していいよ。」
「ぷはっ、これ慣れないといけませんね。咄嗟に口で返事しちゃいそうです。」
「ま、そのうち慣れるさ。っとさて、それじゃあこのダンジョンにはもう用はないし、これを使って脱出しようか。」
「はいっゼラ様!」
アイと二人で紫色の結晶に触れると、急に目の前の景色が変わり、俺達はダンジョンの入り口へと移動させられていた。
しかし、そこでは騎士達が俺達のことを待ち構えていた。
「盗賊が出てきたぞ!!」
「お前達、武器を捨てて投降しろ!!」
すでにダンジョンの入り口は囲まれていて、槍が俺達に向かって突き付けられている。
「あ〜……や、やっぱりこうなるよなぁ。」
『ぜ、ゼラ様どうしますか?』
『今考えてる。』
アイからの念話に返答していると、騎士達の中から見覚えのある女性が前に出てきた。
「むっ、キミはあの時の魔法使いの少年ではないか?」
「あっ、あなたはあの時の……。」
「盗賊団が討伐されるまで、ダンジョンは封鎖していると言ったはずだぞ?警備中の兵士を無力化したのもキミ達だな?」
「ご、ごめんなさい。」
深く頭を下げて謝ると、赤髪の女性騎士の人は周りにいる騎士の人達へと命令を下した。
「武器を下ろせ。彼らは盗賊団じゃない。私の知り合いだ。」
彼女の命令で一斉に騎士達は武器を下ろす。そして少し警戒しながら彼女は俺達に歩み寄ってきた。
「キミ、そちらの魔族の女性は?昨日会った時はいなかったな。」
「彼女は、両親がいない僕の保護者なんです。」
「なるほどな。で、急にここに現れたところを見るに、まさかキミ達はダンジョンを攻略してきたのか?」
「はい、ボスのメタルゴーレムを倒して帰ってきたところです。」
俺の言葉に騎士達がざわめきだす。
「ふむ、キミのような少年が盗賊団蔓延るダンジョンを攻略したとは、にわかに信じ難いが……。何か実力を証明できるものはないか?」
「これで信じてもらえませんか?」
俺は今ある魔力を半分ほど一気に体の外へと放出した。すると、彼女以外の騎士達は口から泡を吹いてバタバタと倒れてしまう。
「お、驚いたな。キミの魔力は化物か?」
「これで半分ぐらいです。」
「キミの力はよく分かった、魔力を鎮めてくれ。これ以上は隊員が死んでしまう。」
魔力の放出をやめると、彼女は一つ大きく深呼吸しながらある誘いを持ちかけてきた。
「近くに美味い飯屋があるんだ。そこでキミ達の話を聞かせてもらえないか?もちろん私の奢りだ。」
『い、いかがいたしますかゼラ様。』
『この人は信用できそうだ。ちょうどお腹も減ってきてたところだし、ついて行ってみよう。万が一罠なら……強行突破する。』
『承知しました。』
「ちょうどダンジョン攻略でお腹が空いているところでした。良ければぜひお願いします。あ、でも人払いはお願いしたいです。」
「あぁ、そこは安心していい。あの飯屋はいつも人が居ないんだ。飯は美味いんだがなぁ……。」
そして俺達は、なにやら訳アリそうなその飲食店へと案内された。
「邪魔させてもらうぞ。」
「いらっしゃい!!……ってなんだラナか。」
店に入ってすぐにこちらを出迎えてくれたのは、エプロン姿の筋肉質な女性。赤髪の女性騎士の人の顔を見るなり、ガックリと肩を落としている。
「ふっ、相変わらず客が入っていないなローザ。ここの飯は美味いんだがな。」
「あたしにもなんで客が入ってこないのかサッパリだよ。常連なのはラナんとこの騎士団だけ。」
「そんなお前に今日は違う客人を連れてきた。さ、二人とも入ってくれ。」
「お、お邪魔します。」
「あん?」
俺とアイが中にはいると、エプロン姿の筋肉質な女性は冷や汗を流しながら、表情を引き攣らせた。
「おいおい……ラナ、テメェなんつー化け物を連れてんだよ。」
「おっ、流石は魔見。二人の魔力が見えたか?」
「こんなデカい魔力は今まで見たことがねぇ。魔族の嬢ちゃんも規格外だが、そっちの坊やはもっとやべぇ。」
「実は今さっきこの二人がダンジョンを攻略して出てきたところなんだ。」
「あ〜あ、そりゃあ盗賊団の奴らも災難だったろうなぁ。騎士団総出で突っ込まれるより、よっぽど絶望的だろうぜ。……んで、事情聴取するためにここに来たってわけだ。」
「飲み込みが早くて助かる。二人はダンジョン攻略で腹が減っているようだから、美味い飯を頼むぞ。」
「はぁ〜あ、緊張するぜまったくよぉ……。」
ローザという人が料理を作りに行ってから、すぐに店内に美味しそうな匂いが充満し始める。料理が出来上がるのを待つ間に、俺とアイは事情聴取を受けることになった。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。




