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彼の想い
5月下旬に書いたものです
彼は自分の衣服を
返り血に染めて
心の中で嘆く
かつては殺めても
無感だった心
しかし今は
殺めたという
揺るがない事実
そこから生じる罪悪感が
彼女の――想い人との
約束を反故が
彼の心を締め付ける
彼女を想い続けるがゆえに
彼は殺める度に
心を苦痛の鎖で
縛り付ける
彼女を想うことを
止めれば
苦痛からの解放がある
しかし
彼はそうしない
彼女のことが
心の底から好きだから
だからこそ彼は
刃を振るう
大好きな彼女が
好きだった場所を守るために
好きだった場所を
蹂躙しようとする者らを
この手にかける
遥かな時を経て
それを知った彼女が
嘆くとしても
それでも彼は
刃を衣服を
返り血で濡らすだろう
守るために汚れるだろう
彼女が愛した場所を
守り続けるために――
《終》
エッセイ村の[くまくるの杯]に出せば良かったですかね?
ルールとして、[美人秘書のくまくるのさんが悶えるようなもの]なので。