呪詛
タイトルから推測できるように、怨恨的なものです。
――巨大な火柱が
ただそこにあった――
「燃えよ燃えよ
業火よ燃えよ
我が苦憎を糧に
我が憤怒を糧に
我が悲痛を糧に
消されることのない
万物を焼き尽くす
劫火と化して
燃え盛れ」
火柱へと響くは
怨念が込められし
暗き呪詛
「燃え盛れゆく業火よ
我が願いに
我が望みに
聞き従え
悦楽に溺れる者を
自己の正しさに酔いしれる者を
無知であり続ける者を
思慮を欠きし者を
愚考を押し付ける者を
焼き尽くせ
歪みし偽義を成す者を
悦楽のために刃を振るう者を
思い出を踏みにじむ者を
愚かしき愉悦感に溺れし者を
焼き尽くせ
傲慢なる愚かしき者を
過ぎたる害を成す者を
偽賢なる罪を成す者を
自己の正義しかなき者を
焼き尽くせ」
火柱は燃え上がる
呪詛に聞き従うように
火柱は燃え上がる
万物を焼き尽くす劫火へと
昇華するように
「燃えよ燃えよ
劫火に至る業火よ
論理境界を
破歩せし者のために
虐げられし者の
積もりゆく憤怒を
晴らすために
身魂遺さず焼き尽くせ
沈みゆく死神に
再始動のための
力と成すために
偽神の精神に
囁かせよ
魔王を持って
罪人たちを殺戮させよ
復讐の物語を
新たに紡がせよ
それこそ汝の存在理由
さぁ業火よ
愚かしき罪人たちを
焼き尽くせ
万物を存在まで
引き上げし生ける神に
憎まれながらも――」
紡がれし呪詛を
聞き終えた業火は
さらなる膨張を
成し続ける
沈むように眠りし者を
激しく揺さぶり起こすように
そして、死せる神の物語は
動き始めた――
《終》
ようやく、タナトスものが投稿できます。
……長編の伏線も張っちゃいましたけどいいのか?




