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境界線 4

黒い光球が

地を焼き尽くすように

燃え盛る業火が生み出した

紅い光景を

呑み尽くした先にあったのは


最初にあった

濃密で空虚な闇だけ

ではなかった


私は濃密で空虚な闇の中に浮かぶ

銀色の巨大なシーソーの

真ん中に佇んでいた


シーソーの左側には

蒼い光球があり

シーソーの右側には

紅い光球がある


私が左右の光球を確認すると

辺りを覆い隠すように広がる

濃密で空虚な闇の中から

一人の男の声が聞こえた


「このシーソーが意味するは

それぞれの光球が視せた

未来を選択する

その前哨


我はただ汝に委ねるのみ

汝が選ぶは汝の未来のみ

ゆえに汝は選ぶがいい

汝が望みし未来を


我は何もしない

我は何も関わらない

我は何も干渉もしない


我はただ委ね見るのみ


汝が望みし未来を――」


男の声は詩を謡うように言うと

言い終えたという風に

何も言わなくなった


男の言葉の要点は

私は未来を選べばいいだけだ

私の選択した未来に

男は何もしないと

謡うように謳ったのだから


ゆえに私は選んだ

私が心惹かれた

あの光景が見せた

光球がある側を

そう、紅い光球がある

シーソーの右側へと

私は歩んだ


その選択が何を意味するかは

私は知らない

けれど

私が自分の意思で選んだ

この選択は

誰であろうとも

覆すことなど

できはしないのだ――


《終》

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