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第二幕① くるくる変わる顔色、向かう先は…

ジェーンに促されるまま、恐る恐る部屋を出る俊也が最初に目にしたのは広い廊下だった。

廊下の横幅は学校の倍はあり、これなら移動は勿論、子供が走り回ってもぶつかる心配は少ないだろう。更に床には弾力があり、転んでしまっても怪我をしないように配慮されている。

広い天井が開放感を与え、壁には様々な色の扉が等間隔に並んでおり、パステルカラーの壁紙と相まって、昔遊んだプレイランドを思い出した。

ただ不思議な事に、左右どちらの廊下を見ても端が見えず、無数の扉と廊下がどこまでも続いている。

(めちゃくちゃ広い施設だなぁ、どこにあるんだろう? )

先の見えない廊下を俊也が興味深そうに眺めていると、不意に目の前の白い扉が開き、中から声が聞こえてきた。

「よし! じゃあ、競争だ! ビリのヤツはアイス奢りだよ!」

(突然競争を宣言してからの奢り……昔、仲村の奴もやっていたなぁ、懐かしい……)

俊也は小学生時代の思い出を懐かしんでいると、急に目の前を一陣の風が吹き抜けた。


「……え?」

ほんの一瞬、赤い物が横切るのを俊也は見た気がするが、目の前には何も見当たらない。

まるで、《《高速で俊也の目の前を走り抜けたとでも言うようだ》》。

「……い、いやいや、そんな訳は……」

ありえない事を思い浮かべて、否定するように頭を振る俊也を他所に開いた扉から別の声が聞こえてきた。


「あ! ずりぃ!異能ありならジャンの勝ちじゃん!」

そう叫んで茶髪の男の子が扉から出てきたが、俊也は自身の眼を疑った。

「は?」

茶髪の子の両腕がある部位が《《鳥の翼となっているのだ》》。

「待てよ! 急にかけっこ勝負なんてズルいぞ!」

そう叫びながら男の子は、両腕の翼を羽ばたかせると先に出た友人を飛びながら追いかけていった。


「……飛んでいた、よな………」

今し方、自身が見た物が信じられず、俊也は男子が飛んでいった方角を呆然と見つめていた。

そんな俊也の背後で、「ジャン! アル! 他の人にぶつからないように気をつけなさい!」とジェーンが男子達を注意する声が聞こえてきたが、俊也には反応する余裕がなかった。


「ふ、二人とも〜待ってよ〜速すぎだよ〜」

また扉の向こうから声が聞こえてきたので、思わず身構えてしまう俊也だったが、出てきたのは黒髪の小柄な男の子だった。

俊也がほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、

「よ~し、僕も使うぞ〜」

男の子がそう宣言した途端、彼の両足が突然《《伸び始めたのだ》》。

「……な……な……」

俊也が見ているうちに足はみるみる伸びていき、

遂には、男の子は見上げるほどの高さになっていた。

ただ、天井に届きそうになっている身体の大きさは元のサイズのままで足だけが高くなっている状態だった。

そのちぐはぐな姿はまるで、サーカスで見る竹馬芸のような様相だった。



「よ〜し、行くぞ〜」

「エリック! 少し待ちなさい!」

ジェーンは今にも走り出そうとした少年、エリックを大声で呼び止めた。

すると、俊也の頭上からのんびりとした返事が聞こえてくる。

「あ~、ジェーン先生だ〜、分かりました〜」

そう言った途端に、少年の足はみるみると低くなっていき、まるでテレビ番組の巻き戻しでも見ているかのように一分もかからずに元の身長に戻っていた。

目を疑うような光景の連続に、もはや叫ぶ事も出来なくなった俊也は口をあんぐりと開けて見ている事しか出来なかった。

そんな俊也に気付いた少年はペコリと頭を下げて挨拶してきた。

「あれ〜お客さんだ〜こんにちは〜」

「ど、どうも……こ、こんにちは……」

「はじめまして〜僕はエリックです〜」

「え、えーと……坂口 俊也です……」

「日本の人なんだ〜よろしく〜」

どもりながら挨拶を返す俊也を見てもエリックは特に気にも留めず、ニコニコ笑って話してくる。

「きちんとお客様に挨拶が出来てえらいですね、エリック」

いつの間にか俊也の横に来ていたジェーンに褒められると、エリックは益々嬉しそうに挨拶してきた。

「ジェーン先生〜こんにちは〜」

「こんにちは、エリック。元気ですか?」

「はい〜元気です〜」

「それは良いですね。ですが、ジャン達に追いつく為とはいえ、足だけを大幅に伸ばすのは危険ですよ。他の人にぶつかったり、バランスを崩して倒れたらアナタも大怪我してしまいますよ?」

ジェーンの忠告にエリックは、先ほどまで浮かべていた笑顔が曇り、悲しそうに説明し始める。

「それが〜本当は〜こんなに伸ばすつもりじゃなくって〜大人の足をイメージしたつもりだったんです〜でも〜焦っちゃったからか〜長い足になっちゃいました〜ごめんなさい」

説明し終えたエリックは小さな身体を更に縮みこませて謝罪するが、ジェーンはそれに応えず、俯くエリックに近寄って彼と同じ目線になるように身体を屈めるが、その表情は怒っていなかった。

彼女は穏やかに微笑んでいた。

「焦っていたり、イライラしていると上手く力を制御出来なくなるという事は誰にでもあります。

アナタは自分が出来なかった理由を分かっていますし、私が呼び止めたらすぐに元の身体に戻れました。ですから、謝らなくても良いのですよ、エリック」

ジェーンは優しく説明しながらエリックの頭を丁寧に撫でていく。

すると俯いていたエリックはパッと顔を上げる。先ほどまでの悲しげな表情はなく、明るい笑顔に戻っていた。

「ジェーン先生……ありがとうございます〜」

「これからは異能を使う時は、落ち着いてイメージが出来るように練習していきましょう」

「分かりました〜」

ジェーンの言葉にエリックは嬉しそうに何度も頷く。

「ところで、エリック。ジャン達はどこに行くと言っていましたか?」

「よく遊んでいる〜第二運動場だと思います〜」

「分かりました、では私が送りましょう」

「良いんですか〜ありがとうございます〜」

「あぁ、それと……これをどうぞ」

ジェーンの両手にはいつの間にか三つのカップアイスが抱えられており、それをエリックに渡していく。

「お客様にきちんとご挨拶出来たご褒美です。三人で仲良く飲んで下さい」

「ありがとうございます〜!わぁ〜嬉しいです〜」

エリックは大喜びでアイスを受け取る。

身体が大きくなるという事実を知っても、歳相応に喜ぶ姿に俊也も思わず顔が綻んでしまう。

しかし、それも束の間。


「それから……二人には今度やったらイエローカードと私が言っていたとも伝えてもらえますか?」


不意に俊也は、急に寒気を感じて身震いをしてしまう。

ふとジェーンの方を見ると、先ほどまでの穏やかな表情が幻想だったかのような冷たさを感じる微笑みを浮かべていたのだ。

しかし、ほんの数秒後には元の微笑に戻っていた。

エリックもそれを感じ取ったようで、笑顔が若干引き攣ってしまっていたが、首をブンブンと激しく振って頷いていた。

「は、はい〜!きちんと伝えておきます〜」

「よろしくお願いしますね」

(あれ? そういえば、送るって言っていたけど一緒に付き添うのかな……)

俊也がそんな疑問を浮かべているうちに、ジェーンは怯えるエリックへと右手を伸ばす。


その瞬間、エリックの姿が消えてしまった。


「へ………?」

俊也は思わず間が抜けた声を出してしまったが、それを気にする余裕は微塵もなかった。

もう驚く事はないと思っていたのに、いきなり普通に話していた少年が影も形もなくなってしまったのだ。

最早パニックを起こして騒いでしまう段階になってもいいはずだったが、俊也はそうはならなかった。

《《いや正確にはなっていたが、分からなかった》》。

(何で彼は消えた?いや人が消える訳ないからきっと幻覚を見たんだそうに違いないだって人が目の前からいなくなるなんて瞬間移動以外ありえないバカいうなテレポートなんてあるわけないだろトリックだよしたにとびらがあってとおりぬけたんだよとびらなんてないきえたのがトリックならはねがはえたこやかべをすりぬけたなまくびはなんだとりっくかこすぷれかそらをとぶのはあしがのびるのもてじなかしかけがあるんだいやげんじつなのかわからないわからないーー)


俊也はしっかりと混乱していた。

無理もない。生首が壁から現れるという現象に始まって、羽根が生えて飛ぶ人間や足が異様に伸びる人間を目にして冷静でいられる者は大人でも少ない。

むしろ、今までこうならなかっただけ俊也は冷静な方である。

だが目の前で突然人間が消えるという超常現象を目の当たりにしたのが、とどめとなった。

『人間は脳の許容範囲を超えると混乱する』という事象を俊也は身をもって体感しているのだ。

なお、まだエリックが消えてから一分も経過していない。

脳内は未だに混乱の真っ只中にある俊也だったが、ふとジェーンと目が合ったような、気がする。

俊也の目に映った彼女はバツが悪そうな表情を浮かべているのが分かった。

(つまり、これはジェーンさんがやった事か……)

それを理解した俊也がした行動とは――




「申し訳ありません、俊也さん。今のは私の………あの、どうしました?自分の頬をつねって?」

「……まだ、夢の中にいるんじゃないかと確かめようとしています」


自分自身の頬を思い切り引っ張って夢かどうかを確かめる事だった。

そんな様子を目にしたジェーンは心配と呆れが入り混じった表情を浮かべていた。


「……俊也さん、痛くありませんか?」

「………めちゃくちゃいたいれすね……」

「……それは、当然です」

「………つまり、現実って事ですよね」

「……そうですね」

「………幻覚じゃなくってよかった」

「……………は? 何ですって?」

予想外の俊也の言葉にジェーンは思わず素に戻り、聞き返してしまった。


「いや、その……てっきり校舎から飛び降りた時に頭を打ってしまって幻覚を見ているのかなと思って……でも、現実なら身体に不調はないんだなと分かってホッとしたんですけど――」

赤くなった頬を擦りながら話す俊也だったが、途中で言葉が止まる。

ジェーンがいきなり俯いてしまったのだ。

顔が下を向いてしまっているので、彼女の表情はよく分からない。

(も、もしかして怒らせた!?)

部屋やエリックに見せた凍るような笑みを思い返して俊也は身震いした。

気のせいか、ジェーンの身体も震えているように見える。

これは怒声をあげる前兆ではないか?

「じ、ジェーンさ…」

心配になった俊也が恐る恐る声をかけようとした瞬間、


「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!」


彼女は突然、声をあげて笑い出した。

何とか笑う事を堪えようとしていたが、抑えきれずにお腹を抱えて大笑いするジェーンを見て俊也は呆気に取られてしまう。

「ち、ちょっとジェーンさん、どうしたんですか、いきなり笑い出して……」

「す、すみません……つ、つい可笑しくて………こ、怖がるどころか……あ、安心したってっ……し、心配していた、こっちが……バカみたいで……」

心配する俊也を他所に、ジェーンは目尻に涙まで浮かべて笑っていた。

先ほどエリックを慰める時の穏やかな微笑みでも一瞬浮かべた冷笑でもない、心から可笑しいと思っている素の笑顔だった。

今までの彼女の印象は、『怒らせたら怖いが、優秀で美人な女性』というモノだったが、声を上げて笑う姿は第一印象とは異なる魅力を感じさせていた。

(なんか、可愛い人だな……)

そんな俊也の生暖かい視線に気付いたジェーンは一瞬頬を赤く染めるも、軽く咳払いをしてから表情を戻す。

「すみません、お見苦しい所を見せてしまいました」

「あっ、い、いや。こちらこそ変な事を言ってしまったみたいで……」

深々と一礼して謝罪するジェーンに、俊也もペコペコと頭を下げて謝る。

「あの、俊也さん……申し訳ないのですが、先ほどの私の様子はご内密にしていただけますか……?」

「えっ、えぇ! もちろん! い、言いませんよ!! 」

僅かに赤面しながら上目遣いでこちらに懇願するジェーンの姿に、今度は俊也が顔を真っ赤にしながら首を激しく上下させて肯定する。

そんな俊也を見たジェーンはホッとした顔になり、「ありがとうございます」と礼を言った。

美人なジェーンからのお願いに、俊也は再び顔が熱くなるのを感じたが、同時に『これ、うっかり誰かに話したら俺も処されちゃうのでは?』という僅かな恐怖も合わさり、嬉しさと不安で内心ドキドキしていた。

「俊也さん、どうされました?」

「うぇっ!? な、何ですか?! い、言いませんよ!!」

「? 何の事ですか? 」

「あ、あぁ……すみません、何でもないです…」

「??」

挙動不審な俊也にジェーンは不思議そうに首を傾げたが、気を取り直して丁寧に礼を述べる。

「改めてお礼を言わせて下さい。私やエリック達を怖がらないでくださってありがとうございます」

「い、いや、その……恐怖より驚きの方が強かったからで……」

「それでもですよ。私達の力を見ても怖がらず、興味本位で質問をしないでくれる人は意外と少ないのですよ。……クラウンがアナタを連れてきたのは単なる思い付きではなかったようですね」

「ジェーンさん……」

「どうか、その気持ちを忘れないで下さい。私は予知は出来ませんが、その美点はいずれアナタの助けになるでしょう」

穏やかに微笑むジェーンの顔に俊也は思わず綺麗だなと、ボーッと見惚れてしまった。

「………さん? 俊也さん? どうしました?」

「うぇ゙っ…!? な、ナンデスカ!?」

「いえ、そろそろ行かないとまずいので……」

「あ、はい……すみません………」

ジェーンの声掛けに妙な声で返事をしてしまい、俊也は穴があったら入りたい気分になるも、ジェーンはそんな俊也の様子を特に気にも止めていないようで、エリック達が出てきた白い扉を開ける。


「では、こちらへどうぞ」

「は、はい!」

先導するように中へ入っていくジェーンを追って俊也も慌てて後へ続く。

(高速移動に、瞬間移動、足を伸ばす力に、鳥の翼を生やすと来て、次は何だろう? やっぱり念力とかかな? でも、流石にちょっとやそっとの事じゃあ驚かないぞ………)


そんな決意を固める俊也の心情は、


「ようこそ、

異能者のコミュニティ『デイドリーム』へ」


扉を開けた先に広がる光景によって儚く消え去ってしまう。






目の前に広がるのは、学校の体育館の倍にしてもなお足りないほどの大広場だった。

広場には柔らかな色合いの植木が様々な動物の形に手入れされて等間隔で配置されていた。植木一本毎にカラフルな電光装飾まで付けられているかと思えば、棒付きキャンディーが木から生えたように飾られている。

辺りには小さな屋台が幾つも並び、店頭にはグミやクッキーなどのお菓子がたっぷり詰まったキャンディマシンが何本も置かれており、下のバルブで好きなだけ取ることが出来るようだ。

お菓子の他にも、様々な味のジュースが入った大瓶が置かれている屋台もある。

広場の中央には、ショッピングモールで見かけるようなショーステージが作られており、ステージを囲む形でカラフルなベンチやサイドテーブルも配置されていた。

ステージの裏手には二階へ上がる大階段と共に巨大なすべり台が設置されていて、一階へ降りる際はすべって降りられる。

吹き抜けの天井は青空の絵になっており、飛行機や鳥などの絵が描かれているが、驚く事に絵の飛行機や鳥が青空の中を動き、飛び回っていた。照明部分には黄色い太陽が描かれ、ニコニコと笑顔を浮かべて照らしており、その回りには様々な色の雲がプカプカと浮かんでいた。

左右の壁際には教室ほどの大きさの部屋が幾つも並んでいるが、学校の教室のように机や椅子、黒板や扉などはなく、置かれている物も見える部屋によって違っていた。

ある部屋は、パステルカラーな木々やカラフルな茸が生えた妖精の森のような内装を。

ある部屋は、カラフルな無数の本棚が幾つも並び、床に柔らかそうなクッションが置かれた子供向けの図書室のような内装を。

ある部屋は、よく分からない機械達が音をたてながら忙しなく動き続け、金属音や蒸気音が響くスチームパンクな内装を。

各部屋毎に異なる特徴があり、まるで洞窟の中に作られた秘密基地のようだった。

室内では、まるで魔法のような力を難なく使って思い思いに過ごす子供達の姿が目に入る。


黒髪の女の子がアイドル衣装を着せたぬいぐるみ達に手を振るうと、ぬいぐるみ達は華麗なステップで踊り出す。

その近くでは緑髪の少年は鱗に覆われた両手に乗せたスマホを差し出し、正面の銀髪の少年に深く頭を下げて何事かを頼み込んでいる。

銀髪の少年はそんな様子にため息をつくも、スマホが繋いである充電ケーブルのコンセント部分を左手で握りながら目を瞑ると、彼の髪が逆立ち出し、時折青白い光が走り出している。

どうやらスマホの充電をしているらしい。

その様子に緑髪の少年は腰から生えた尻尾を床に打ち付けて喜んでいるが、喜びで出てきたのはまるで肉食恐竜のような咆哮だった。

そんな声に耳を押さえた少女だったが、途端にぬいぐるみ達は踊りを止めて動かなくなってしまう。

女の子はムッとした表情になると、再びぬいぐるみ達に手を振るうと、止まったぬいぐるみ達は勢いよく立ち上がったが、二体のぬいぐるみが大声を出した少年に抗議するように、少年の尻尾へポカポカと殴りかかっていく。


喫茶店のような部屋では、三人組がテーブルを囲んでポーカーをしているのだが、突然紫髪の少年が勝ち気な赤髪の少女に文句を言いだす。

どうやら、女の子が男の子の手札を透視しようとしていると物申したようだが、女の子は男の子が自分の心を読もうとしたと反論し、口論となるも、栗毛の少女がいつの間にかトランプの役を作り、独り勝ちをしていた。

喧嘩していた二人が驚いている様子を栗毛の少女は自慢げに眺めていたが、トランプが独りでに動き出したかと思えば行儀良く整列しだしたのを見て焦り始めた。

どうやら栗毛の少女の仕業らしく、先ほどまで喧嘩していた二人は口を揃えて再勝負を主張している。


図書室では小さい子達に読み聞かせをしている男の子が持っていた本に手をかざすと、本から文字が出てきて、無数の字が小さなドラゴンと騎士を形成し闘い始める。

そんな様子に歓声をあげる子達もいたが、他の子達に注意されると、口を塞いだり、身体だけが透明になる様子が見られた。


ファンシーな森の部屋では、背中に白鳥の羽や蝶のような美しい羽を生やした女の子が数人で室内を飛び回ったり、近くの茸や切株に腰掛けてお菓子を食べながら楽しげにお喋りをしている。


ビルが建ち並ぶ大都市の様な部屋では、どこかで見たような黒い全身スーツの戦闘員達を引き連れてニヤニヤと笑う小学生程の虫型の怪人に相対する男子小学生五人組が、一斉に変身!と格好良くポージングをした途端に、全員が赤色のヒーロースーツに変わっていた。

いざ闘うかと思いきや、変身したヒーロー同士で揉め始めていた。

どうやら誰がリーダー役をやるかで喧嘩となってしまっているらしく、泣き出す子もいた。

そんな様子に怪人役の子は慌てて駆け寄って仲裁しようとすると、引き連れていた戦闘員達も全く同じ動作をしている。


まるでアニメや映画で観るような世界観が詰まった夢に入り込んだような光景に、俊也はただただ、圧倒されていた。

「……………スゲェ」

ようやく発する事が出来た俊也の感想にジェーンは満足そうに微笑んだ。

良ければ、感想をいただけると嬉しいです。

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