63アキリアとの再会4
「では、これよりマ、ソウルの試みを開始する」
「おおおおおおおおおおお」
「観客の圧倒的支持を得たほうを勝者とする。
広い道場の中、指導者筋肉女と俺は向き合っている。
マ、ソウルの試みとかいう、イカれた勝負。
そもそもどうすりゃ勝ちなんだ?
ルールがよく分からないが、
ビキニ水着に着替えさせられた。
まぁマントの下全裸だったからたいして変わらんな。
指導者女は観客筋肉に向かって
「私のマ、ソウルの力を見ると良い」
そう言って次々ポージングをきめていく。
何という筋肉美。
踊る筋肉、躍動する肢体。
凄い。ある種の神々しささえある。
ん〜ようは筋肉使って客に受ければいいって事?
「おおおおおおおおおおお」
(なかなか凄いね)
「まだまだこれからよ」
そう言って指導者筋肉は、
更に自らのテンションを挙げていく。
まず筋肉の色がかわる。白から赤に、赤から白に。
そして次に筋肉量が、変化していく。
細マッチョから太マッチョへ。
上半身だけ太マッチョ。
下半身だけ太マッチョなど、
筋肉が移動しているかのように変幻自在だ。
(いやぁ凄いね。なんの勝負かわかないけど)
「人間じゃね〜な。もうアレただの筋肉だろ」
「おおおおおおおおおおお」
(ヒヤッホウ)
観客筋肉のボルテージも更に上がる。
あの筋肉の化物よりも、うけなきゃ勝てないのか?
アキリアも喜んでる事だし。
もう、ここにアキリア封印したままで、良いんじゃないかな。
アキリアはマ、ソウル神として、
第二の人生をおくるのだ。
俺もドラゴンになったしな。
そんな馬鹿なことを考えているうちに、
筋肉指導者のパフォーマンスは終わった。
「おれの出番か」
(勝てるの?)
「わかんね?観客がどれだけ脳筋かによるな〜」
スタスタと筋肉指導者のもとへと歩く。
筋肉指導者はハァハァいってるが、
俺を見るとニコリと笑い。
「私の勝ちね」
「さぁ、どうだろな?」
「私のマ、ソウル力を見た後でも勝ち目があると?」
「まぁね」
俺がそう言って観客に向き合うと、
筋肉指導者は驚いた顔をした。
そんなに自信があるのか?と
「なかなか良い筋肉だった。でもまだまだ人間レベルだ」
俺はそう言うと。
変幻スキルでショタバンテスの姿になる、
ポーズを決めて。
「マ、ソウルを極めるとこんなこともできる」
「うおおおおおと。変身した」
「マ、ソウルって極めると変身できんのか?」
「当然だ。マ、ソウルの力は偉大なのだ」
俺は大嘘をついた。
ま、変幻スキルはアキリアからもらったものだから、
必ずしも嘘とは言い切れないが、
平々凡々な男がいきなり、
美少年に変わってポーズを取ったから大騒ぎだ。
「お、俺も美少年になれるのか?」
「私にも?」
「小さくなると言う発想は無かった」
とか言って大騒ぎ
なので、
「まだまだ人間レベルだ。さらに上を目指すと」
変幻スキルでリトルドラゴンへと姿を変えた。
ドラゴンの姿。ドラゴン筋肉でポージングする。
人間にコレは超えられまい。
「アギャ」
「うわああああああ」
「凄いのじゃ」
変幻スキルで普通の人間に戻る。
「人間レベルを超えようと、筋肉を育てれば、こんな事までできるようになる」
(嘘だよね)
嘘だ。
でも相手は脳筋だ。うまく騙せれば俺の勝ちだ。
一瞬で静まり返る脳筋たち。
「私の負けだ。人間を超える筋肉を育てると言う発想がなかったわ」
「うおおおおお、マ、ソウルに新たな可能性が」
負けを認め崩れ落ちる筋肉指導者女
筋肉達は納得している。
ここにいる筋肉全員脳筋だった。
「貴方が次のマ、ソウル教団最高指導者よ」
「いや、いらんし。そんな怪しげな宗教団体だったのかここ?そんな肩書いらんて」




