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第22話「裏で糸引く者」
そしてほぼ同時刻――。
「全く。目的ついでに余計な欲だしたのがいけなかった、かなッ!!」
――キャンッ。
山中のとある洞窟に、少年の苛ついた声と何かが蹴りつけられる音が響いた。続いて柔らかく大きなモノが転がり、そこからあがったのは獣の苦鳴。
揺らめく灯に照らされるのは、灰色の体毛をもつ獣型の魔物――ウルフだ。腹部を蹴りつけられたのか、喘鳴をあげながら地に伏している。
「ああもう、4体も減ったのは誤算だよ。無駄に駒を減らした。」
少年は苛々と言葉を吐き捨てた。
しかし、次の瞬間には年齢に似合わぬ冷めた表情を浮かべる。
「・・・さて、これからどうしよっか。」
その間、ウルフは少年の足元に静かに伏しつつ様子を窺うのみだ。
「このまま引き下がるのも骨折り損だし・・・。ひとまず駒の補充、か。・・・めんどくさい。」
パチパチと松明の爆ぜる音を背景に、少年の淡々とした言葉が続く。
「命令はやり遂げないと、だしねえ・・・。」
その声音には何の感情もうかがえなかったが――。
――しかしまるで、少年が自らに言い聞かせているようでもあった。
第22話「裏で糸引く者」




