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第15章:影の覇者と光の魔導師

本当は、番外編にしようかと思ったけどw


ビブラス商会が歴史の表舞台から消え去った後

帝国最大の商会となったのは言わずもがな

「ダニエル商会」であった。


しかし、主であるダニエルは決して

傲慢になることはなかった。


「お嬢様……いえ、皇后陛下。

我ら商人は、あくまで陛下の影。

光が強ければ強いほど

影もまた深くなるものでございます」


ダニエルは以前と変わらず

マリナベリーの前で慇懃に頭を下げた。


彼は裏社会の浄化と

魔界からの不法流入を監視する

「帝国の目」としての役割を完璧にこなしていた。


マリナベリーからの信頼は絶大で

ダニエル商会は単なる商人を超え

帝国の経済と治安の要石となっていった。




そんなダニエルが唯一

目尻を下げて語るのが自慢の娘

エリーのことだった。


エリーは魔法学園を歴代最高成績で卒業した後

周囲の予想を裏切り

宮廷魔導師ではなく

**「帝国魔法騎士団」**への入団を志願した。


「お父様、私は商売で人を動かすより

この杖一本で陛下と皇后陛下をお守りしたいのです」


ダニエル商会の潤沢な資金で

最高級の魔導具と教育を与えられたエリーの才能は

戦場でこそ開花した。

彼女が放つ広域殲滅魔法は

かつて魔族が残した負の遺産や

残党たちを一瞬で塵に帰すほどの威力を持っていた。



入団からわずか一年。

エリーは史上最年少で小隊長に昇進した。


「エリー小隊長

本日も皇后陛下からの直々のご指名です!」


部下の報告に

エリーは凛とした表情で頷く。


「光栄なことね。両陛下の馬車を護衛するわ。

……一点の塵も寄せ付けないように準備なさい」


彼女は、父ダニエルが「影」として守る帝国を

自分は「光(魔法)」の力で

物理的に守り抜くことに誇りを感じていた。



ある日の午後

王宮の庭園でマリナベリーとエリーは

二人きりで茶を楽しんでいた。


「エリー、貴女が騎士団にいてくれるおかげで

私も安心して陛下と街へ出かけられるわ」


マリナベリーが微笑むと

エリーは騎士らしい敬礼を解き

少しだけ少女のような顔を見せた。


「もったいないお言葉です。

父からは、ビブラスの娘のような

不届き者が二度と現れぬよう

常に目を光らせておけと厳命されておりますから」


「ふふ、ダニエルらしいわね。

でも、貴女の魔法はもっと別の

温かいことにも使ってほしいのよ」


マリナベリーは

エリーの杖にそっと手を添えた。


エリーは、皇后の手に宿る不思議な慈愛を感じた。


それはゲームのシナリオにはない

この世界で懸命に生きる

「人間」としての温もりだった。


「はい。陛下と皇后陛下が作るこの平和な時代を

私は生涯かけて守り通します」


ダニエルが裏から支え、エリーが表から守る。


バレンティノ公爵家から始まったこの「縁」は

シャリオッドとマリナベリーの治世を

揺るぎないものにしていった。



お読み頂きありがとうございます

次回もお楽しみに♡

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