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第14章:氷の冠と真実の愛

まだまだ続きますよー


ルシアとビブラスに対する審判は

帝国の歴史上、稀に見る迅速さで下された。


皇太子への禁忌魔道具(課金アイテム)使用未遂

および国家転覆を狙った不敬罪。

これらは、弁解の余地のない重罪であった。


ビブラス商会は全財産を没収され

一族は北方の極寒の地にある鉱山での

永久労働刑が言い渡された。


ルシアもまた、貴族学園から除籍され

父と共に二度と帝都の土を踏むことは許されない。


牢獄から連行される際

ルシアはかつての華やかさを失い

虚ろな目で泥にまみれた地面を見つめていた。


彼女が夢見た「ヒロインの座」は

最初から存在しない蜃気楼に過ぎなかったのだ。




騒動が完全に鎮火し

マリスリス帝国に真の平穏が訪れた。


皇帝カルロッタは、若き二人の絆と

今回の危機を未然に防いだ知略を認め

シャリオッドへの譲位を宣言した。


載冠式の1か月前に結婚式も行われた。



戴冠式の日。

大聖堂のステンドグラスから

差し込む光を浴びて

新しい皇帝となったシャリオッドと

その傍らに立つ皇后マリナベリー。


冷徹と謳われたシャリオッドの顔には

民の前で見せる気品ある微笑だけでなく

隣に立つ最愛の妻にだけ向けられる

心からの温かな眼差しがあった。


「……みなみ」

儀式の合間、シャリオッドは

隣のマリナベリーにだけ聞こえる小さな声で囁いた。


「前世の記憶を思い出した時は

どうなることかと思ったけれど。

君が隣にいてくれるなら

この重い冠も悪くない」


マリナベリーは

かつての我儘放題だった頃の

尖った雰囲気は微塵もなく

真に高貴な女性としての微笑みを返した。


「ええ、和哉。

……でも、我儘は少しだけ残しておくわね。

貴方に甘えられない人生なんて

私には退屈すぎるもの」


「ふふ、望むところだよ」


シャリオッドはそっとマリナベリーの手を取り

指を絡ませた。


かつて、6歳のシャリオッドが膝をつき

手の甲に口付けをしたあの日。


二人は運命に導かれ

前世の記憶という奇跡を経て

今ここに真実の愛を完成させた。


乙女ゲームのシナリオという

「作り物の運命」は

二人の「真実の意思」によって

完全に上書きされたのだ。




お読み頂きありがとうございます

次回もお楽しみ♡



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