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記憶喪失剣聖  作者: 融合


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35/57

34話 レオナvs『剣聖見習い』

 周囲を囲むモンスターを一瞬で蹴散らし、溶岩の柱ごとボスモンスターを断ち切った後、香を比較的熱の届いていない安全な場所へと横たわらせる。

「–––––––––––– 貴様は誰だ?」

 声のした方向へと咄嗟に振り返る。

 すると、2人の人物が目に入った。

 1人は見たことのあるS級ハンター。だけどもう1人の女性の方は、一度も目にしたことがない。

 上魔級ダンジョンに入れたということは、実力は相当なものだと推測できる。

「見ない顔だな。こんな場所で一体何をしている?」

 俺は咄嗟に顔を逸らしてしまったが、側から見ると明らかにおかしな挙動。

「俺は・・・・・知り合いを助けに来ただけです」

「1人でか? 私はお前のようなハンターを見たことがないし、正式な攻略隊では、私たちが一番乗りなはずだ」

「自分もそう思います!」

 まず、この力のことを話すのは論外。

 だとしても、俺を敵だと思っているのか、今にも殴りかかってきそうな雰囲気。

 さて、どうしたものか・・・・・

「ならば、彼女をこちらに渡してもらおう。貴様の言うことが本当ならば、私たちが預かろう」

 ここはなるべく荒波を立てず、穏便に済ませるんだ。

「分かりました」

 俺は香を抱えると、慎重にハンターたちとの距離を詰めていく。

「お願いします」

「随分と聞き分けがいいじゃないか」

 女性の挑発するような笑みが、俺の緊張を更に加速させる。

「おい。彼女を愚弟たちの下へ運ぶんだ」

「はい! 任せてください! 自分にかかれば100人だろうと1000人だろうと、10000––––––––––––」

「早くしろ」

 女性の威嚇を受けたS級ハンターが、まるで蛇に睨まれた蛙のように大人しくなる。

 今この状況で彼女と関わるのは非常にまずい気がする。

 

 S級ハンターがこの場を離れる様子を見守った後、俺も続いてこの場を去ろうとする。

「待て––––––––––––」

 なぜかこの展開が分かっていたかのような感覚に襲われる。

 つまり、この後起きるであろう出来事の検討がついているということ。

 俺は立ち止まり、横目で彼女の姿を捉える。

「貴様の言い分は信じてやろう。だが、このまま返してやる訳にはいかないなぁ」

「俺には貴方と戦う理由がありません」

「ほぉ、なかなかにいい直感をしているな。ならば話は早い」

 俺は覚悟を決めて体ごと彼女に向き直る。

 そして悟る、この場の試練は、避けては通れないのだと。

 今にも爆発しそうな女性の狂気の笑みが俺にそう思わせる。

「一度だけ聞く––––––––––––先ほどの一撃を放ったのは貴様で間違いないな?」

「・・・・・だったら?」

「気に入った!」

 直後、目にも止まらぬ速さの拳が目と鼻の先へと迫る。

「––––––––––––ッ!?」

 咄嗟に聖剣を出し、間一髪で受け止めるも、今にも吹き飛ばされてしまいそうなほどの威力。

「私の拳を止めるか! ハッハッ、ますます気に入った!」

 腹部に繰り出されたもう一方の拳を躱し、俺は聖剣に白魔気を纏わせて峰打ちを狙う。

「なっ––––––––––––」

 俺の一撃は相手の体に届くことなく、漆黒のオーラによる壁に防がれてしまう。

「そうではないだろ、貴様の一撃は。先ほどはもっと鋭く、重いモノだったはずだ」

 いや・・・・・この人がおかしいんだ。

 今の一撃は、さっき放った一撃と何ら威力に大差ない一撃だった。

 それを、魔力によるオーラ一つで防いだのか?

 誰なんだこの人は・・・・・考えろ、考えろ、考えろ、考えろ––––––––––––

「なるほど––––––––––––貴様もそっちタイプの人間か」

 1人でに何かを納得する素振りを見せた後、発散する魔力の質量が爆発的に増加する。

「何だ・・・・・これ。2色のオーラ?」

 俺のオーラが白と黒だとすると、彼女のオーラは赤と黒。

「死んでくれるなよぉ!」

 直後、防御する暇もなく、腹部へと強烈な痛みが走る。

「カハッ」

 俺は噴火後の富士山の地をひたすらに爆進する。

 道中、いくつかの岩山を破壊し、入り口とは反対の山の麓まで吹き飛ばされた。

「はぁはぁはぁはぁはぁ」

 まるで勝てない。

 今の俺の実力は、S級ハンターよりも上のはず。

 つまり、あの女性はS級ハンターよりも強い存在。

 言い換えれば、S級ハンターたちの頂点に君臨する存在。

「神託者––––––––––––」

 そう考えればあの規格外の強さにも納得がいく。

「あぁ・・・・・強くなることって・・・・・こんなにも楽しいのか」

 瞳に浮かぶのは嬉し涙だ。

 そして、悔し涙。

 理性的に考えれば、この場で退散するのが正解。

 『絶歩』を使えば、それも難しくない。

 まだ、転職ミッションのカウントは1/5のまま。

 一番大事な目標を考えれば、引くのが正解なのは分かっている。

「だけど––––––––––––」

 一撃だけでいい。

 たった一撃に、今の俺の全力を注ぐ。

 もうやられっぱなしの八尺 流星はいない。

「ステータス」

 

 【ステータス

 

 称号:【記憶喪失剣聖】【メテオ】

 ジョブ:『剣聖見習い』

 スキル:『×10のポイント増加』『白魔気』『聖剣メテオ』『聖剣の恩恵』『絶歩』

 

 体力:7080

 武力:7500

 防御力:5000

 敏捷:8335

 技術:5000

 運:7112

 魔力:8342

 

 『メモリーツリー:12%「1507321P」』】

 



 【ステータス

 

 称号:【記憶喪失剣聖】【メテオ】

 ジョブ:『剣聖見習い』

 スキル:『×10のポイント増加』『白魔気』『聖剣メテオ』『聖剣の恩恵』『絶歩』

 

 体力:9360

 武力:11379

 防御力:6344

 敏捷:10311

 技術:8452

 運:8021

 魔力:10032

 

 『メモリーツリー:13%「688863P」』】

 

「いくぞ、メテオ」

 俺は『絶歩』を使用し、全力の一撃を神託者へ向けて放つ。

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