27話 緊急事態
同時刻、魔塔連本部管制室。
突如室内に鳴り響く緊急アラート。
管制室の巨大なスクリーン上の一部へと、赤い球体が点滅している。
「この反応は––––––––––––急ぎ副魔塔主を呼んでください!」
それから数分もしないうちに姿を見せるアモン。
「何事ですか––––––––––––まさかこれは!?」
「国内に上魔級ダンジョンが出現しました。場所は、『富士山』です」
「何!? そんなことが––––––––––––一度攻略したダンジョンが再度ダンジョン化する例など、これまでなかったというのに・・・・・」
異変が起き始めたのは、千葉の未登録ダンジョンから。
それから『国会議事堂』・『富士山』と、高難易度ダンジョンにこれまでにない異常事態が立て続けに起きている。
「一先ず、今動けるハンターたちへ救助要請を出しましょう。ダンジョン周辺住民の避難を優先させましょう」
「了解です」
「それから、今回建築班、採掘班として参加していた人たちの詳細をまとめたデータを送ってください。もちろん、付き添っていたハンターたちの情報もです」
「わ、分かりました。ですが––––––––––––」
「言いたいことは分かります。上魔級ともなれば、たとえS級ハンターであったとしても無事ではすみません」
アモンは、悔しやのあまり唇を噛み締める。
いや、この場にいる全員が悔しやを抱いている。
もっと早く異変に気がついていれば、建築班を送り出すことはなかった。
通常兵魔級以上のダンジョンに建築班は不要。しかし、『国会議事堂』や『富士山』は国の資産なため、攻略後の復興がすでに計画されていたのだ。
「もっと慎重になるべきでした」
この場にいる誰も、アモンを攻めることはできない。
魔塔連発足後、議員たちは魔塔連の環軸下に入り、国の決定は魔塔連で行われるようになったのだ。
魔塔連の最高責任者が「最門 丈一郎」。
『神託者』の名を授かる人類の頂点の一人ですら勘ずくことのできなかった二重ダンジョン化。
最早、これまでの常識は通用しなくなってきている。
「塔主様は今どこに?」
「あの方は今、アメリカの特魔級ダンジョン攻略に行ってしまっています」
「––––––––––––今、『ヘパイストス』の夜神さんと連絡が繋がりました。共有します」
『夜神です。ネット上はすでに凄いことになってますね』
確認すると、噴火し、崩壊した『富士山』の頭上へと馬のような鳥のようなモンスターの目撃情報が多数ネット上にアップされ、拡散されていた。
「完全に我々の管理不足です」
『ダンジョンでは常に何があるか分からない。そうでしょう?』
「おっしゃる通りです」
『ですが、うちのギルド員が巻き込まれてしまった可能性があるので、そう悠長なことも言っていられませんが・・・・・』
「一体誰––––––––––––」
アモンは、つい先ほど東条 香から『富士山』への入場申請を受けていたことを思い出す。
『僕たち2人は先に向かっているので、できる限り早急な合流を頼みます』
「分かりました」
「引き続きS級ハンターたちへの要請を頼みます。私も現場へと直行します」
「「「お気をつけて––––––––––––」」」




