11話 『国会議事堂』ダンジョン(1)
A級ダンジョン『国会議事堂』。
魔塔連が発足した理由の一つに、国会議事堂がダンジョン化したことが存在している。
国会議事堂を起点とした半径1キロメートルは、黒いドーム状のバリアに覆われた状態となっている。そのため、ダンジョン内の様子が確認できない。
国会議事堂は早急に攻略したい場所の一つであるため、魔塔連は『国会議事堂』の報酬をかなりなものとしている。ただし、小規模ダンジョンかつ、魔力測定の結果はA級であるものの、S級ハンター並みの魔力を有する者の侵入を阻む結界が存在するため、未だ攻略できていない。
集められたのは、A級ハンター約50名とB級ハンターが100名程度。C級ハンター以下は募集基準に満たない高水準のダンジョン依頼となっている。
「これより4つのグループに分かれて行動する」
兵魔以上のダンジョンにはダンジョンボスが存在しているため、ボスを倒すことを目標として作戦を組むことになる。しかし今回のような建築を目的とする攻略では、それほど手強いモンスターは存在しないため、分散して行動する方が正しい戦略と言える。
「桜田門駅を通って正門を担当するチーム。南門または北門側を担当するチーム。そして西側を担当するチームだ。重要なのは、4つ目の西側チーム。『国会議事堂』は、主に建物内のモンスターが凶暴かつ強力なため、他の3つに比べてかなり難易度が跳ね上がる」
正門側はともかく、北・南側にも大きな建物は存在しているが、西側は地形の影響で他チームとは国会議事堂までは隔絶される上、複数の会館が立ち並んでいる。
「それで言うと、国会図書館の存在する北側も相当数の人員をさいた方が良さそうじゃないか?」
「本来ならもっと人員が欲しいところだが、そういうことなら、赤部。お前がリーダーとなって北側の指揮を頼む」
赤部 亮。焦茶色の長髪を後で結んだダンディなA級ハンター。元気がよくムードメーカー的存在で、口元に生やした髭がチャームポイント。
「俺は西側を担当する」
「あんたなら心配いらねぇな。おそらく今回集まったハンターたちの中だと一番強い。そうだろ? シャルマンさん」
シャルマン・クレイン。出身はアメリカで国籍は日本の日本人ハンター。
上に掻き上げた真っ赤な髪と、青みがかった綺麗な瞳が特徴の人物。身長は190cmもあり、ハンター業の他、モデルなどの仕事も勤めている。
ある意味、この中では最も目立つ存在だ。
「また後でな」
「ご武運を」
こうしてハンターたちは散り散りに各リーダーの指示の元、規定の位置につく。
西側。
「A級ハンター20人に、B級ハンターが43人か–––––––––––––ん? 見ない顔だな。二人ともA級ハンターかな?」
「––––––はい。アレンと言います。A級ハンターにはなったばかりで」
「私はミセス。B級ハンターになったばかり」
「そうだったのか。あまりにも綺麗な二人で、目に入ったものでね。シャルマン・クレインだ。よろしく頼む」
「よろしくお願いします」
シャルマンはアレンとミセスと挨拶を交わし、再び最前列へと戻っていった。




