↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
91/161

第91話:【91日目】500人の新人研修と、全自動魔導学習ルーム

 人口が500人規模へと膨れ上がり、統合基幹システム(ERP)やスマート端末(スマホ)による最先端の業務管理が導入されたホワイト村。

 だが、91日目の朝。村役場の最高デジタル責任者(CDO)ネクロディアから、一つの懸念事項が報告された。


「タクト村長。端末の配布自体は完了しましたが……元魔王軍の末端兵士や、字の読めない者たちの一部が、システムの操作に手こずっているようです」

「なるほど。情報格差(デジタル・バイド)が発生しているんだな」


 ネクロディアが空中に投影したグラフを見ると、業務連絡の未読率や、誤操作によるシステムエラーの発生率が、一部の部署で少しだけ跳ね上がっていた。

 全員が同じツールを与えられても、それを使いこなす「基礎スキル(リテラシー)」には個人差がある。

 これを現場のOJT(先輩からの指導)だけでカバーしようとすれば、教える側の先輩社員(獣人たちなど)の負担が激増し、業務効率が低下してしまう。


「大規模な組織には、統一された『新人研修プログラム』が必要だ。しかも、誰でも一瞬で基礎スキルを身につけられる仕組みがな」


 俺は日めくりカレンダーの前に立ち、「残り275日」の紙をめくった。

 光の粒子が収束し、現れたのは、流線型の白いカプセルがいくつも並んだセットだった。


『SSRアイテム【|全自動・魔導学習ルーム《ラーニングポッド》】を獲得しました』

『※カプセルの中で15分間リラックスして眠るだけで、脳に直接「読み書き」「ツールの操作方法」「村の就業規則」などの基礎知識を安全にインストールします』


「完璧だ! これぞ究極の社員教育(オンボーディング)インフラ!」


 俺は即座に村役場の隣に研修センターを設立し、操作に手間取っていた新人たちをカプセルに案内した。


「本当に、この箱の中で寝るだけで字が読めるようになるんスか……?」

 不安そうにカプセルに入るオークの青年。

 だが、15分後にプシュッという音と共にカプセルから出てきた彼は、手元のスマート端末をスラスラと操作し始めた。


「す、すげえ! 今まで謎の模様にしか見えなかった文字が、すーっと頭に入ってくる! シフトの申請も一瞬だぜ!」

「おおっ! 俺も、農業ドローンの操作マニュアルが完全に理解できたぞ!」


 学習カプセルから出てきた魔物たちは、誰もが自信に満ちた顔つきになっていた。

 知識がないことは恥ではない。ただ、学ぶ機会がなかっただけだ。

 教育コストを極限まで圧縮し、全員の基礎スキルを底上げすることで、ホワイト村の組織力はさらに強固なものへと進化した。


(残り274日。明日は何が出る?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。