第67話:【67日目】冬の乾燥と、魔導スキンケア
村は分厚い雪に覆われ、魔導ストーブやコタツが大活躍している。
しかし、暖房設備の充実と引き換えに、新たな問題が村の女性陣を悩ませていた。
「タクト様ぁ……お肌が、カサカサしますぅ……」
シルフィが、エルフ特有の透き通るような頬を気にしてため息をついている。
「アタシもです! ストーブの前にずっといると、肉球がひび割れそうになっちゃって……」
ルナも、自分の手のひらをこすり合わせている。
さらに、村役場のソファでは、CFOのグレイシア(元・氷将)と、勇者パーティーの魔法使いマリアが、二人並んで深刻な顔をしていた。
「北の魔王城も寒かったが、この村の暖房は少し『乾燥』が過ぎるな。氷の肌にシワができたらどうしてくれるのだ」
「わ、わかります! 野宿の時も乾燥しましたけど、暖かくても乾燥するんですね……」
冬の乾燥(湿度の低下)。
それは美容の大敵であり、インフルエンザなどのウイルス性疾患のリスク(労災)も高める。
快適な職場環境を維持するためには、湿度のコントロール(加湿と保湿)が不可欠だ。
「任せてくれ。今日のカレンダーは美容と健康のソリューションだ」
俺は67日目の朝、「残り299日」の紙をめくった。
現れたのは、巨大な壺に入ったなめらかな泥と、村のあちこちに設置できる小型のポットだった。
『SSRアイテム【極上・魔導スキンケア泥パック&全自動加湿ポット】を獲得しました』
『※ミネラルと魔力がたっぷり溶け込んだ魔法の泥パックです。一度塗るだけで肌の潤いを永遠の春のように保ちます。加湿ポットは村全体を最適な湿度(50〜60%)に自動調整します』
「キタ! これで女性陣の不満もウイルスの脅威も一掃できる!」
俺は早速、村役場やタワマン、食堂の各所に加湿ポットを設置。シュッシュッと心地よいミストが吹き出し、室内がしっとりとした空気に包まれる。
そして、泥パックの壺は、大浴場の「女湯」の脱衣所にセッティングした。
「みんな! 今日は午後から『美容半休』とする! 女湯に最高のスキンケア用品を用意したから、存分に潤ってきてくれ!」
「「「きゃあああっ! 村長大好きーーっ!!」」」
女性陣が歓声を上げて大浴場へと駆け込んでいく。
数時間後。
風呂上がりのラウンジに現れた彼女たちは、文字通り「発光」するほどの美肌を手に入れていた。
「すごい、すごいですタクト様! お肌が水を弾いて、もちもちですぅ!」
「肉球もぷにっぷにに戻りましたぁ!」
「……ふん。人間が用意したものにしては、悪くない効能だ(ツヤツヤ)」
美容への投資は、女性社員のエンゲージメント(帰属意識と幸福度)を劇的に高める。
潤いに満ちた笑顔が溢れるホワイト村の冬は、どこまでも快適だった。
(残り298日。明日は何が出る?)




