第55話:【55日目】村開設55日記念と、ホワイト村の未来
俺がこの異世界の荒野に降り立ち、日めくりカレンダーをめくり始めてから、今日で55日目。
あの何もない乾いた土と岩だけだった場所は、今や図書館、最先端のジム、音楽スタジオ、豪華な迎賓館、そびえ立つタワーマンション、そして極上の温泉施設が並ぶ、世界で最も快適な小国家(リゾート都市)となっていた。
「今日は記念すべき55日目だ。せっかくだ、盛大にプロジェクトの中間打ち上げといこう」
55日目の朝。俺は「残り311日」の紙をめくった。
『SSRアイテム【開拓55日記念・村全体の祝祭イベント発生装置】を獲得しました』
『※村の全施設を祝祭モードに切り替え、住人全員の幸福度を最大化する魔法の装置です』
俺が装置のスイッチを入れると、村中の街灯やタワーマンションの窓が色とりどりのイルミネーションに輝き出した。各施設からは心地よい祝祭の音楽が流れ出し、広場の屋台からはセシルが腕によりをかけた特製パーティ料理(ローストポークや海鮮パエリアなど)の香りが溢れ出した。プールには光る蓮の花が浮かび、幻想的な雰囲気を醸し出している。
「村のみんな、聞いてくれ!」
俺は広場に集まった百人以上の社員(村人)たちに向けて、インカムで呼びかけた。
「今日は俺たちの村が開設されて55日目の記念日だ! 獣人たちの機動力、ドワーフの技術力、エルフの魔力、魔族のパワー、そして人間の知恵。ここまで誰も欠けることなく、誰も倒れることなく、全員の力で最高の村を作ってこれたのは、みんなの頑張りのおかげだ。今日は完全無礼講だ、心ゆくまでこの豊かさを楽しんでくれ!」
「「「うおおおおおおっ!!」」」
「タクト村長、バンザーイ! ホワイト村、バンザーイ!!」
夜空に祝祭の魔法花火が打ち上がる中、獣人たち、ドワーフ、エルフ、魔族、そして人間の冒険者までもが肩を組み、広場で踊り、笑い、美味しい食事を楽しんでいる。
暗殺者だったシオンと剣聖フレイアが酒を交わして談笑し、四天王ザンギュラとガルドが腕相撲をして豪快に笑っている。かつては敵対し、搾取され、傷ついていた者たちが、ここでは一つの家族のようになっている。
この光景を見ているだけで、俺はPMとして、そして村長として、これ以上のやりがいと幸せはないと確信できた。
「タクト様! 一緒に踊りましょう!」
「おっと、引っ張るなシルフィ。わかった、行くよ」
俺はシルフィに手を引かれ、笑顔の輪の中へと飛び込んでいった。
魔王討伐(復活)まで、あと310日。
彼らがどんな大軍勢でやってこようと、どんな過酷な試練が待っていようと、俺たちが築いてきたこの強固でホワイトな環境と絆があれば、きっとどんな相手だってコタツで丸くさせて、労働の喜びを教えてみせるさ。
俺はイルミネーションに照らされた夜空を見上げながら、そう強く確信した。
(残り310日。明日は何が出る?)




