表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
28/89

第28話:【28日目】魔導リゾートプールと、水着の休日

ジェラートの導入により体内からの冷却は完璧になった。

しかし、夏の日差しは依然として容赦なく照りつけている。


「村長……やっぱり、お水に入ってパシャパシャしたいですぅ」


ルナが氷室の壁に張り付きながら、情けない声を出している。

温泉(大浴場)はあるが、さすがにこの猛暑の中で熱い湯に浸かるのは体力を使う。

前世で言うところの「納涼」のためのアクティビティが必要だ。


「よし、今日は『半休』にして、避暑施設を作ろう」


俺はカレンダーの前に立ち、「残り338日」の紙をめくった。

光の粒子が収束し、現れたのは巨大な巻物(設計図)と、輝く青い魔石だった。


『SSRアイテム【常夏の魔導リゾートプール・展開キット】を獲得しました』

『※任意の場所に、浄化機能・水流制御・造波装置を備えた巨大なプールを生成します』


「よっしゃ! これで完全なリゾート地になる!」


俺はすぐさまガルドとシルフィ、クロエを呼び出し、村の東側の空き地にキットを展開した。

青い魔石を地面に突き立てると、地響きと共に地面がすり鉢状に凹み、純白のタイルが敷き詰められていく。そこへシルフィが水魔法を注ぎ込み、クロエが魔石の制御系をいじって「波」と「水流」を設定する。


「完成だ! 名付けて『ホワイト村・ウォーターパーク』!」


幅五十メートルはある巨大な波の出るプールと、ガルドが即興で木材を組んで作った巨大なウォータースライダーが太陽の下でキラキラと輝いていた。


「うおおおおっ! すっげえええ!」

「海だ! アタシ、海なんて初めて見ました!」


半休を告げられた獣人たちは、大歓声を上げてプールへと飛び込んでいく。

ちなみに、水着は前日にルナたちにお願いして、商人マルコから買った布で作ってもらっていた。


「タクト様っ! いかがですか!」


振り返ると、白いビキニ姿のシルフィが、少し照れくさそうに立っていた。エルフの透き通るような白い肌と、抜群のプロポーションが眩しい。


「おお、よく似合ってるよ。涼しげでいいな」

「えへへ……タクト様のために、ルナさんに手伝ってもらって作りました!」


「村長ーっ! アタシの自慢の犬かき、見ててくださいねー!」

ルナは元気いっぱいのスポーティな水着で、器用に波を乗りこなしている。


「ガハハ! 俺様のスライダー、最高のスリルだぜ!」

ガルドは豪快に水しぶきを上げて滑り台から飛び込んでいた。


俺もパラソルの下のデッキチェア(ガルド作)に寝転がり、ジェラートを片手に冷たい果実水を飲む。

子供のようにはしゃぐ社員(村人)たちを眺めながら過ごす、南国リゾートのような時間。


「……前世の俺が見たら、悔しさで血の涙を流すだろうな」


夏休みすら取れず、クーラーの効きすぎたオフィスで震えながらカップ麺をすすっていた俺。

今、俺は異世界の荒野のど真ん中で、最高のサマーバケーションを満喫している。


「タクト様! 一緒に泳ぎましょう!」

「お、引っ張るなシルフィ。わかった、行くから」


冷たい水に飛び込むと、夏の暑さは完全に消え去った。

ホワイト村の夏は、最高に楽しくて涼しい季節になりそうだ。


(残り337日。明日は何が出る?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ