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117/170

第117話:【117日目】カレンダーVer.2.0と、新たなフェーズ

 117日目の朝。

 タクトが「残り248日」の紙をめくると、カレンダーから今までとは桁違いの眩い黄金の光が放たれた。


『システムアップデート完了。日めくりカレンダー Ver.2.0を起動します』


 無機質だった空中のアラート画面が、洗練されたデザインの魔導端末(タブレット)のようなインターフェースへと進化した。


「ついに再起動したか……!」


 タクトが歓声を上げると、シルフィやガルドたちも集まってきた。

 再起動後の記念すべき第一回目のドロップ。光の粒子が収束し、現れたのは巨大なガラス張りの美しいドーム型施設だった。


『SSRアイテム【相互成長(シナジー)・魔導イノベーションラボ】を獲得しました』

『※これまでの「完成品を与える」機能から、「住人のアイデアと協力を具現化する」機能へと進化しました。内部で議論したアイデアは、自動で設計図やプロトタイプに変換されます』


「なるほど……。もう、俺が一人で『答え』を引くフェーズは終わったんだな」


 タクトは深く納得した。

 村が小さかった頃は、強力なインフラ(完成品)をトップダウンで与える必要があった。しかし、人口が500人を超え、優秀な技術者やリーダーが育った今の村には、彼ら自身の創造力(ボトムアップ)を支援する環境こそが最適なのだ。


「ガルド! クロエ! 昨日壊された結界の修復と、新しい防衛設備の設計、このラボを使ってみてくれ!」


「おう! ドワーフの技術と錬金術の融合だな!」

「任せてよ村長! もっとすごいやつを作ってあげる!」


 二人がラボに入り、円卓で熱い議論を交わし始めると、空間に次々と新しい魔法陣や防壁の3Dホログラムが自動生成されていく。

 タクトは、自律的に動き出した彼らの姿を頼もしく見つめた。

 これこそが、真の意味での労働環境(ホワイト)の完成形だ。


(残り247日。明日は何が出る?)

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