第117話:【117日目】カレンダーVer.2.0と、新たなフェーズ
117日目の朝。
タクトが「残り248日」の紙をめくると、カレンダーから今までとは桁違いの眩い黄金の光が放たれた。
『システムアップデート完了。日めくりカレンダー Ver.2.0を起動します』
無機質だった空中のアラート画面が、洗練されたデザインの魔導端末のようなインターフェースへと進化した。
「ついに再起動したか……!」
タクトが歓声を上げると、シルフィやガルドたちも集まってきた。
再起動後の記念すべき第一回目のドロップ。光の粒子が収束し、現れたのは巨大なガラス張りの美しいドーム型施設だった。
『SSRアイテム【相互成長・魔導イノベーションラボ】を獲得しました』
『※これまでの「完成品を与える」機能から、「住人のアイデアと協力を具現化する」機能へと進化しました。内部で議論したアイデアは、自動で設計図やプロトタイプに変換されます』
「なるほど……。もう、俺が一人で『答え』を引くフェーズは終わったんだな」
タクトは深く納得した。
村が小さかった頃は、強力なインフラ(完成品)をトップダウンで与える必要があった。しかし、人口が500人を超え、優秀な技術者やリーダーが育った今の村には、彼ら自身の創造力を支援する環境こそが最適なのだ。
「ガルド! クロエ! 昨日壊された結界の修復と、新しい防衛設備の設計、このラボを使ってみてくれ!」
「おう! ドワーフの技術と錬金術の融合だな!」
「任せてよ村長! もっとすごいやつを作ってあげる!」
二人がラボに入り、円卓で熱い議論を交わし始めると、空間に次々と新しい魔法陣や防壁の3Dホログラムが自動生成されていく。
タクトは、自律的に動き出した彼らの姿を頼もしく見つめた。
これこそが、真の意味での労働環境の完成形だ。
(残り247日。明日は何が出る?)




