第111話:【111日目】洗脳解除装置の起動と、拮抗
111日目の朝。
俺はリビングに向かい、日めくりカレンダーの「残り254日」の紙をペリッとめくった。
『システム・アップデート中(3日目/3日)……アイテムはドロップされません』
今日でカレンダーのアップデートは終わるはずだ。だが、今はアイテムを待っている余裕はない。
村の南側、防護結界のすぐ外には、クロサキ率いる一万の王国軍が到着し、無言のまま陣形を組んでいた。
「村長! 徹夜組の執念、見せてやるよ!」
「カッカッカ、久々に骨が折れたぞ」
村役場の屋上。フラフラになりながらも目を輝かせたCTOのクロエと、CDOのネクロディアが、不用品パーツを組み合わせて作った巨大なパラボラアンテナのような装置――【広域魔力ジャマー】をセットした。
「よし、起動だ!」
クロエがスイッチを入れると、アンテナから特殊な魔力波が放射され、結界の外にいるブラック騎士団へと降り注いだ。
クロサキの【絶対的やりがい搾取】の洗脳波長を打ち消す、逆位相の魔力だ。
「おおっ! 兵士たちの動きが止まったぞ!」
ザンギュラが歓声を上げる。確かに、最前線にいた数百人の兵士たちが、ハッと我に返ったように武器を下ろし始めた。
しかし、陣形の奥から、聞き覚えのある不快な怒声が響き渡った。
「誰が休んでいいと言った! 貴様らの代わりはいくらでもいるんだぞ! 働け、休むな、結界を壊せェェェッ!」
クロサキが固有スキルをさらに強く発動すると、兵士たちの目に再び虚ろな光が宿り、狂ったように結界への攻撃を再開した。
ジャマーの洗脳解除出力と、クロサキの洗脳出力。
両者の魔力が激しくぶつかり合い、戦局はギリギリの拮抗状態に陥った。
(残り253日。明日は何が出る?)




