第100話:【100日目】開拓100日記念祭と、奇跡のモニュメント
ついに迎えた、異世界開拓100日目の朝。
俺はいつものように村役場で、「残り266日」の紙をめくった。
『SSRアイテム【奇跡の魔導記念碑】を獲得しました』
『※村の中心に設置することで、村人たち全員の「最も幸福だった瞬間の記憶」を集め、美しい光のホログラムとして未来永劫記録し続ける魔法の石碑です』
「100日目にふさわしい、最高の記念品だな」
俺は世界樹の隣にこの白亜の石碑を設置した。
そして昼過ぎ、村の全員が広場に集結し、『開拓100日記念・大感謝祭』が盛大に幕を開けた。
「ホワイト村、バンザーイ!!」
屋台からは無限の焼きそばやたこ焼きの香りが漂い、巨大なステージでは、各部署の出し物が次々と披露されている。
ザンギュラとガルドたちによる「ドワーフと魔族の筋肉ポージングショー」は爆笑を誘い、シオンとルナたちのバンド演奏はプロ顔負けの熱気で会場を揺らした。
アーサーは聖剣を使った見事な「剣舞」を披露し、完全にエンターテイナーとして開花している。
夕方。
祭りの熱気が最高潮に達した頃、俺はステージに上がり、マイクを握った。
「みんな、今日は本当にありがとう!」
500人の社員たちから、割れんばかりの拍手が巻き起こる。
「100日前。俺がここに一人で立った時、周りには乾いた土と岩しかなかった。でも、シルフィが来て、ガルドが来て、ルナたち獣人、セシル、マルコ……そして魔王軍の幹部や勇者までが仲間になってくれた」
俺は広場に設置した【魔導記念碑】を指差した。
石碑から、淡い光の映像が宙に浮かび上がっている。
初めて温泉に入って泣き笑いする獣人たち、コタツで溶けるグレイシア、雪像を作って笑い合うアーサーとザンギュラ。
全員の「最高の笑顔」が、走馬灯のように空を彩っていた。
「俺は前世で、過労で死んだ。だから、この村だけは絶対に、誰もが健康で、笑顔で、定時で帰れる『最強のホワイト組織』にすると誓ったんだ」
「村長ぉぉぉっ……!」
最前列で、ルナやセシルたちが大号泣している。
「魔王復活まで、まだ時間はある。どんな奴が来ようが、この村の『圧倒的ホワイトな福利厚生』で全部骨抜きにしてやる! これからも、最高の村を作っていこう!」
「「「おおおおおおおっっ!!」」」
夜空に、【魔導花火】が何百発も打ち上がり、100日目の祝祭を極彩色に染め上げた。
隣でシルフィが、嬉し泣きしながら俺の腕にギュッと抱きついてくる。
たった一つの『日めくりカレンダー』から始まった俺のプロジェクト。
それは100日の時を経て、異世界で最も暖かく、最も強い「理想のユートピア」を完成させたのだった。
(残り265日。明日は何が出る?)
タクト
元PMの村長。100日間無休でカレンダーをめくり続け、500人の社員を「圧倒的福利厚生」で束ねる究極のホワイトリーダー。
シルフィ
エルフの秘書。タクトの右腕であり、100日祭では彼への愛をスピーチしようとして止められた。
ガルド
ドワーフの建築リーダー。20%ルールで「ホバーボード」を開発し、すっかり発明家気取り。
ルナ
狼獣人の警備リーダー。バンドではドラムを担当し、祭りの屋台飯を誰よりも食べた。
ガロ族長
農業リーダー。500人分の野菜を最先端の農機具で管理するスーパー農家。
セシル
総料理長。ドローン配達網の構築により、セントラルキッチンから村中の胃袋を完璧に支配している。
マルコ
行商人。ホワイト村の特産品を売り捌き、今や王国一の大商人になりつつある。
シオン
最高情報責任者。ブラック国家からの討伐軍を「ホワイトPR映像」だけで壊滅させるという離れ業をやってのけた元暗殺者。
ザンギュラ
最高防衛責任者。筋肉ポージングショーでガルドと意気投合し、魔族の威厳は完全に消滅した。
フレイア
元剣聖の見習い警備員。サウナと温泉のローテーションに命を懸けている。
グレイシア
最高財務責任者。コタツからデリバリーを注文する「引きこもりエリート」と化している。
ネクロディア
最高デジタル責任者。シオンと共にPR動画の編集作業に熱中し、クリエイターとしての喜びを見出した骸骨。
カーミラ
監査役。着る毛布に包まりながら、ホバーボードで村中を飛び回っている元暗殺鬼。
アーサー
元勇者の防衛部隊員。祭りの出し物で聖剣をジャグリングに使いこなし、エンターテイナーとしての道を歩み始めている。




