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目には目を、歯には歯を、能力には、能力を  作者: 妄想お面
第4章

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42/44

頭のいいキャラは描きにくい

危ない!間に合った!

お待たせ致しました!

第42話です!

是非楽しんでください!

 「……ああ、やはりこちらでしたか」


 丁寧で、柔らかく、ねっとりとした声が、重なり合って響く。


 「血の匂いがとても分かりやすい。

 恐怖、焦燥、そして未練……は、こうした“弱さ”を愛でてくださるのです」


 一体目のアニマが、遺物袋を持つ教徒に視線を向ける。


 「それを、こちらへ。

 第四階層に残された遺物は、すべて(しゅ)の御許に返さねばなりませんから」


 教徒が袋を差し出すと、アニマはそれを受け取り、ゆっくりと城の方角へ歩き出す。


「私はヴァイス殿の城へ向かいます。

 彼自身を含めてまだ回収しきれていない“祝福”がありますので」


 二体目のアニマは、通話用遺物を持つ教徒を抱き上げた。


 「あなたは私と。

 主からのお言葉と神のために働く敬虔な信徒への連絡は、遅延が許されません。

 リアルタイムでなければ、祈りとは呼べませんからね」


 二人のアニマは、同じ方向へと去っていく。


 残されたのは


 一体。


 路地の中央に立ったアニマが、ゆっくりと拍手をした。


 胸の奥が、じっとりと濡れたように冷えた。


 理由は分かっている。


 路地の中央に立つ、アニマ・フェルマータ。


 「……さて」


 彼は拍手を続けたままゆっくりと一歩踏み出す。


 足音は軽いのに、空気が重くなる。


 「改めまして。ミノリさん、とお呼びしてもよろしいでしょうか」


 その翡翠色の、濁った瞳が私から一瞬も逸れない。


 「……あぁ」


 喉の奥で、満足そうに息を鳴らす。


 「なんと、なんと素晴らしいことでしょう。

 あなたのその目……焦がれている。

 恐れながらも、拒みながらも、なお“先”を欲している。

 先ほどの戦闘、実に、実に素晴らしかった!

 怒り、焦燥、そして探究心。あなたは“下の階”を欲している。 ヒュベルの真理を、誰よりも強く。」


 一歩。


 また一歩。


 距離が縮まるたび、空気が重くなる。


 「ヒュベルの下層。

 人が人であることをやめてでも知りたくなる真理!

それに立ち塞がる私!それを前にしてもあなたは立ち止まらなかった!私を突破しようとした!」


 ねっとりと、言葉を噛み締めるように。


 「ヒュベルの未知に焦がれる!それはもう、祈りなのです!あなたは主にたいして祈りを捧げている。」


 ぞわり、と背筋を何かが這った。


 「ですから……

 どうか、正しい形で祈りなさい」


 口角が、ゆっくりと持ち上がる。


 「ソーマネクルに来なさい、ミノリさん。

 遺物と祈り、肉と信仰を重ね、

 意識を保ったまま“同化”できた者こそ――

 主に認められた使徒なのです」


 拒否する言葉が、喉に詰まる。


 その瞬間だった。


 「……あんた、ええ加減にしぃや」


 メノウの姐さんが、前に出た。

 

「女の子のお顔を、じぃーっと舐め回すみたいに見はって、気色悪うて、ほんまにかなんわぁ。ストーカーなん?」


 メノウはにこり、と。

 

 けれど、目はまったく笑っていない。


 「祈り?同化?

 そないなもん、痛めつけて壊して従わせる口実やろ。

 あんたらの神さん、随分と下品なお方どすなぁ」


 一瞬、場が凍る。


 アニマは、驚きも怒りも見せず、ただ嬉しそうに目を細めた。


 「……なるほど」


 吐息混じりに、ゆっくりと。


 「信仰を理解しない者ほど、こうして主を侮辱する。

ええ、ええ。

 よく言われます。

ですがそれは、“まだ神を知らない者”の言葉です」


 視線が、修羅丸副隊長へと移る。


 血に濡れ、動けない身体。

 

「……さて。言葉だけでは、迷いは晴れませんよね。ならば、祈りとは何か。理解していただきましょう」


 次の瞬間。


 アニマから一本の腕が伸びてきた。


 一直線に修羅丸副隊長へ。


 「――させるかッ!!」


 ルシアンが、迷いなく飛び出した。


 斧幸が巨大化し、アニマの腕を正面から叩き潰す。


 衝撃が路地を揺らす。

 アニマは、うっとりとした声を漏らした。


 「ええ……ええ……

 それでいい。守るために前に出る。それもまた、尊い祈りです。

ですが、あなた方が守れば守るほど、彼女は選択を迫られる」


 その言葉を合図に。


 狼の獣人が、地を蹴った。


 灰色の影が、一気に距離を詰める。

 

「来はります。」


 メノウの姐さんの声。


 次の瞬間、教徒たちも一斉に動いた。


 短剣、槍、


 統制の取れた、殺意の波。


 「チッ……!ミノリ、絶対に目ぇ逸らすな!」


 「――了解!」


 斧幸が唸りを上げる。


 狼獣人の爪を弾き、家屋を吹き飛ばす。


 横合いから別の攻撃が飛び込む。

 

 「ッ――!」


 脇腹が裂け、血が散った。


 「ルシアン!」


 声が震える。


 アニマは、その様子を慈しむように眺めていた。


 「ほら……ほら……

 あなたの信仰心の薄さが、誰かを傷つけている」


 ねっとりと、甘い声。


 「どうしますか、ミノリさん。

 このまま主に抗い続けて、皆を失いますか。

 それとも――

 正しい祈りを捧げ、主に選ばれますか」


 その瞬間だった。


 メノウの姐さんの影から巨大な黒い靄のような塊が蠢いていた。


 それが犬の形を形成したときその犬はメノウの姐さんを飲み込んだ。


 そしてその犬の全身から生えている数十、いや百にも届く眼球が一斉にこちらを向いた。


 「グルルルル」


 「これは!これは!これは!御使様(みつかいさま)ではありませんか!まさか御使様直々に私どもの眼前に姿をお見せいただけるなど、なんと!なんと!なんと!身に余る光栄!光悦至極(こうえつしごく)感激至極(かんげきしごく)恐悦至極(きょうえつしごく) 欣喜雀躍(きんきじゃくやく)恐懼(きょうく)でございます!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!あぁ!このように我々に感激を与えてくださった御使様に何も出来ず本当に申し訳ありません!お詫びになるとは思えませんが首を刎ねさせていただきます!」


 そうアニマが言い終えると同時にアニマの近くに控えていた教徒の1人がアニマの首を刎ねた。


 アニマの首は地面に落ちてそのまま再生し始める。


 そして残った首から下は犬が食べ始めた。


 骨が噛み砕かれている音がその場に広がる。


 先程メノウを飲み込んだのとは別のようだ。


 「いい!いい!いい!すごくいい!御使様のその素晴らしき牙で私のような下賎で卑賤(ひせん)で賤しいものを食していただけるなんて!まだなんの成果もあげられていないこんな下々のものにまでこのような褒美を与えてくれるなんて!なんて!高貴で高潔で尊貴なお方なのでしょう!それに甘えている私はなんと!卑怯で下劣で醜悪なのでしょう!あぁぁぁぁぁぁぁぁ!この身体!死ねぬのならばせめて!この任務をより完璧にこなしていきましょう!私!先程刻まれた神言書のお言葉を今すぐここにいる全教徒の脳に刻みなさい!」


 その瞬間教徒たちは頭を押さえ始める。


 「御使様、ご伝達、誠にありがとうございました!これより先の任務、不詳、このアニマ・フェルマータ、誠心誠意!粉骨砕身!一心不乱に!真摯に!懸命に!全身全霊で死力を尽くして参ります!」


 聞いていたのかどうかはわからないが犬はアニマを食べ終えた後に自分の身体を食べてそのままその場から消えていった。


 「さてと、本当はミノリさんをじっくり勧誘したかったのですが神言書のお言葉で私は先程よりも誠心誠意!粉骨砕身!一心不乱に!真摯に!懸命に!全身全霊で死力を尽くさなければならないので貴方の勧誘を時短します。簡単に言えば心を折ろうと思います。いくつも穴のある作戦とも言える代物ではないですが試してみましょう。あのメノウさんというお方これから第四階層の階層ボス、ヴァイス殿を獲得するための贄になっていただきます。」


 「ユキ!バレット!ヒュース!カスミ!すぐに城にむかえ!」


 「おっと、バレットさんとユキさんは行かせませんよ。」


 そういってアニマは手を伸ばし、動き出そうとしていたユキちゃんとバレットの足を掴んだ。


 それによりヒュース君とカスミちゃんだけがここから離脱して城に向かうことになった。


 「あなた方はミノリさんと苦楽を共にしてきた同期。他のメンバーよりも思い入れがあるでしょう。そんな貴方たちが目の前で死亡すればミノリさんは絶望するでしょう。そして心に穴が空きその穴をソーマネクルが埋めてあげましょう!そのために!」


 そういうと先程アニマの首を刎ねた教徒がアニマの右腕を斬り、狼獣人の男がアニマの左腕を詰めて切り裂く。


 すると切り離された両腕から新たなアニマが誕生する。


 「貴方3人はそれぞれこのアニマが1人付いて相手してあげましょう。教徒の皆さんはミノリさんの足止めをしてください。これは私の私用なので主のために働く皆さんを巻き込むのは心苦しいので手当を出しましょう。」


 そういうとアニマは教徒の胸に手を当てて何かを埋め込む。


 「これで準備万端ですね。あと、これも伝えた方が絶望感を与えられますかね?貴方は救援を期待しているようですがそれは来ませんよ。万が一来るとしてもそれはだいぶ先の話です。理由は二つ。1つはこの階層への転移は封じたため、より高度な転移遺物か第五階層と第三階層からこの階層に来る必要がある。すでにその階層につながる扉の前に複数人の私を配置してあります。転移するにしてもそのまま攻略してくるにしてもそれなりの戦力が必要です。しかしそれなりの戦力を集めるにはだいぶ時間がかかるでしょう。それが二つ目の理由です。」


 アニマは口元が耳まで裂けんばかりな笑みを浮かべて言い放つ。


 「ただいま多数の私が遺物犯罪者収監所つまりは不滅ノ翼の管轄に当たる施設を襲撃しました。」


 その言葉が私たちの思考を支配する。

最後まで読んで頂きありがとうございました!


さぁ、アニマ・フェルマータは頭の良い策士という設定。

この設定に私の頭はついていくことができるのか!

それとも置いて行かれてなんちゃって策士になるのか!

今後どちらになるかもお楽しみくださいませ!

持ってくれ!私の脳みそ!


改めまして最後まで読んでいただきありがとうございました!

また次回もお楽しみください

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