↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目には目を、歯には歯を、能力には、能力を  作者: 妄想お面
ウサギとダイスとひとつまみの欲望を

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/54

最大級のイカサマ

第31話です!

是非楽しんください!

毎日投稿継続中!

 「さぁぁぁーっと、ここでぇぇっ! ターンは巡り巡ってルシアン選手の行動フェイズに突入だぁぁぁぁ!」


 青ウサギの甲高い声が響き渡る。


 場内は、まだ立ち続けるルシアンの姿に驚愕と熱狂が入り混じった空気で満ちていた。


 「信じられない光景だ! 普通ならHP0に陥った時点で意識は飛び、その場に倒れ込むのが当然……ユキ選手の時のように! だがルシアン選手は奇跡のカード《命の雫》で蘇り、そこから更にHP1でなお立ち続けている!」


 「そう!この瞬間に行動を取れるというだけで……すでに人外の執念ッ!異常なタフネスと精神力を示しているのだぁぁぁっ!」


 私は唇を噛みしめ、ルシアンに視線を向ける。


 その横顔は蒼白で、汗に濡れていた。


 「ルシアン……無理しすぎ……」


 だがルシアンは振り返らず、震える腕でカードを構えた。


 その指先は血の気を失っていたが、瞳だけは確かに燃えている。


 「……まだだ。俺は……まだ戦える」


 「おおっとぉー!ルシアン選手、瀕死のHP1でなおカードを構えたぁぁっ!ここからどう立ち回る!? そしてルシアン選手がここまでして守ったヒロイン!ミノリ選手!この絶体絶命の局面をどう切り返すのかぁぁぁぁ!?」


 場内の観客たち数百、数千のバニーたちが固唾を呑み、耳をぴんと立てて見守る。


 青マス効果で 2枚多くドローしたのちルシアンの震える指先が、一枚のカードを叩きつけた。


 「――《すり替えトリック》!」

 瞬間、カードの光が宙を舞い、兎幸のフィールドに手を伸ばす。


 「おっとぉぉ!?ここでルシアン選手、《すり替えトリック》を発動だぁぁぁっ!こちらは対象の手札からMP最大のカードを強奪し、その代わりに自分の好きなカードを押し付けるトリックカード! なんとぉ、兎幸様の切り札級の一枚が奪われてしまったぁぁぁ!」


 バニーたちが一斉に悲鳴をあげる。


 兎幸は一瞬だけ目を見開き、しかしすぐに唇を吊り上げた。


 「……あらあら。本当に悪戯好きな子ね」


 ルシアンは息も絶え絶えの様子で、続けざまにカードを掲げる。

 

 「次は……これだ。《煙幕》……展開!」


 黒煙が盤上に渦を巻き、兎幸の《マジックフィールド》を覆い尽くした。


 次の瞬間、魔方陣は軋むような音を立てて崩れ、粒子となって消え去る。


 「おぉぉっとぉぉぉ!! ルシアン選手の《煙幕》が場を支配したぁぁぁっ! フィールドカードは場に1枚しか存在できないルール! 新たに《煙幕》が置かれたことで……兎幸様の《マジックフィールド》は墓地送りとなったぁぁぁ!しかも煙幕は攻撃対象になったとき、1D20で1を出せば攻撃を無効化できるというとんでもない効果のカードだぁぁぁぁ!!」


 「や、やったぁぁ!?あの追加ダメージ+3が……! ルシアンが消し去ったぁぁぁっ!」


 私は思わず声をあげる。


 兎幸は扇をぱたりと閉じ、紅の唇を弧に歪める。


 「……ふふ、やるじゃない。命を燃やす火花って、美しいわ。最もこれは消え際の激しき光かしら?」


 ルシアンは肩で息をつきながらもカードを構え、ミノリに視線を送る。


 「……これで、少しは……戦えるはずだ。ミノリ……お前の番だ」


  「さぁぁぁーっと続いてはミノリ選手のターンだぁぁぁっ!」


 私が進むと足元に赤く燃え上がるマスが展開される。


 「っ……!」

 炎が立ち昇り、彼女のHPが2点削られる。

 

 「赤マスに突入ぅぅ! ダメージ判定だぁぁっ! ミノリ選手、1D10のダイスロールで……出目は2! わずかに2ダメージで踏破ぁぁっ!」


 私はカードを1枚引き、力強く叩きつけた。


 「MPを6消費、《カラーチェンジ》を発動!

」


 足元のマスが淡い光に染まり、波紋のように盤面へと広がっていく。

 

 私はカードを掲げ、サイコロを振る。転がった出目は6。

 

「これで……6ターンのあいだ、私が踏む白マスはすべて青マスになる!」


 「なんとぉーっ! 出目は最大値の6ぅぅ! 白マスを青マスに変換する効果が6ターンも継続するとは……これは強烈なアドバンテージだぁぁぁぁ!」


 「さらにHPを2消費、《アクセル》を唱える! 次に進むマスを決めるサイコロを振るとき、私はサイコロを3つ振る!」


 「ここで加速ぅ! 《アクセル》発動!このダンジョンすごろくでは進んだマス分MPが回復します!よってそのサイコロが3個触れるということは大量のMP回復を仕込んできたのと同じなのだぁぁぁぁー! まさに攻める準備は整ったぁぁ!」


 私は息を整え、指先を前に伸ばした。


 「……兎幸。絶対に逃げきる。」


 13ターン目終了時

ルシアン:HP1/MP=10/手札8/スタートから

マス=61


ミノリ:HP 1/MP=6/手札6/スタートからマス=62


兎幸:HP14/MP=10/手札5/スタートからマス

=62


 14ターン目は全員一回休みのため15ターン目


 「それでは15ターン目のダイスをどうぞ!」


 ルシアン:6

 ミノリ:6,6,6=18

 兎幸:1


 「…………っ!?」


 その瞬間、兎幸の笑みが凍り付いた。


「……まさか、私が……“1”を引くなんて」


 その声音は低く落ち着いていたが、わずかな動揺が滲んでいた。


 「おおおおおおおおっとぉぉぉぉぉ!? こ、これはぁぁぁとんでもない事態だぁぁぁぁぁっ!」


 青ウサギが耳をぴんと跳ね上げて叫ぶ。


 「兎幸選手ッ!普段はまるで運命をも操るかのごとく“6”しか出さない!他の目が出ても必ず有利なマスへ導かれてきた兎幸様がッ!ここでまさかの“1”ッ!」


 場内に悲鳴とどよめきが広がる。


 「信じられない……兎幸様が“1”なんてぴょん……!」


 「そんなこと、あり得るのかぴょん……!?」


 兎幸は微笑を取り繕い、唇に指先を添えて小さく息を吐いた。


 「……ふふ。まだ…マス効果がある。それがきっといいもののはず。」


 「そ、そうでした、驚くのはまだ早い! 兎幸選手の止まったマスは白マス!きっととんでもなくいい効果に違いない!気になる今回のイベントはぁぁぁぁ!」


 牛歩

  1D6ターン 1ずつしか進めない。


 ダイスの結果は6


 「この、私が?」

 常に笑みを浮かべていた兎幸が誰からでもわかるほど動揺していた。


 「牛歩?しかも6ターンの間?兎幸様が?ありえない。」


 実況で常に声を張り上げていた青ウサギもこの結果には心底驚いたようでわざとらしいリアクションをせず素ででた言葉が会場に広がる。


 「まだ!ドローしてここからコンボにつながれば!ドロー!……何もできることがない。ターンエンド。」


 「ルシアン選手ッ!ダイスは“6”!止まった先は白マスだぁぁぁ!」


 青ウサギの声が響き渡る。


 白マスの前に光のカードが浮かび上がると、ルシアンが手を伸ばす。


 「さぁ発動ぉぉ! 白マスイベント《職業共鳴(ジョブ・リンク)》! 効果はシンプルだぁ! 山札の上からカードを1枚めくり、それが自分が持つ“職業”の系統カードなら――なんとっ! ただで使えるぅぅぅ!」


 場内がどよめく。ルシアンの指がカードをめくる。


 めくられたのは《ドレイン》。


 「ドローしたのは……《ドレイン》! ヒーラーであるルシアン選手、即座に発動します!」


 ルシアンの前に黒紫の魔法陣が浮かび、兎幸の胸元に吸い込まれるような衝撃が走る。


 「ぐっ……!」


 兎幸のHPに 3のダメージ。


 「同時にルシアン選手はHPを――本来3回復のところ、ヒーラー補正で4回復!」


 すごい!一気に4回復した!


 「……まだ足りないな」


 ルシアンは静かに手札を差し出した。


 「手札の《ドレイン》を発動!兎幸に3ダメージと4点回復。更に《ヒール》を発動。」


 淡い光がルシアンの体を包み、さらに HPを7回復!


 「おっとぉ! これで合計11回復! ルシアン選手のHPは……ついに 12に到達! 見事に立て直したぁぁぁ!」


 これでルシアンは現場で1発で死ぬことは無くなった。


  「……なるほど。そういうこと、だったのね」


 青ウサギが振り返る。


 「な、なんですか兎幸様っ!?何かお気づきに――」


 兎幸は扇で唇を隠し、涼やかな瞳でルシアンを見据える。


 「おかしいと思っていたの。……私の出目が“1”なんて、あり得ない。」


 ざわ、と会場にざわめきが走る。


 「そして、ルシアン。あなたは私とは対照的に引きは異常なほどに良すぎる。誰かに不運をおっ被せて、幸運が流れ込んでいるようにね」


 彼女はゆっくりと指を上げ、自分の手札の一枚を撫でる。


 「そう……これはただのカードなんかじゃない。貴方が私に押し付けたカード。」

 扇をぱたりと閉じ、声を低く落とす。


 「――斧幸。これは、普通のカードとすり替えられたあなたの遺物ね。」


 青ウサギが絶叫する。


 「な、な、なんですってぇぇぇぇぇぇ!?兎幸様の手札にあるのはっ……ただのカードじゃなく、呪われし遺物《斧幸》だったのかぁぁぁぁぁっ!!」

 

 「……なるほど。そういうこと、だったのね」


 青ウサギが振り返る。


 「な、なんですか兎幸様っ!? 何かお気づきに――」


  観客は息を呑む。

兎幸は余裕の笑みを浮かべたまま、まるで推理ショウの幕を上げるように指先を軽く立てた。


 「私は基本的に“6”を引き、仮に違う目でも必ず有利な場所に導かれてきた……それがこの私。けれど、十五ターン目“1”が出た。しかも、白マスの効果は致命的。これは偶然ではなく、意図的に仕組まれた不運。」


「い、意図的な不運ッ!?」


 青ウサギが驚愕の声をあげる。観客からも悲鳴が飛ぶ。


 兎幸は優雅に笑い、まるで舞台女優のように続けた。


 「思い出してごらんなさい。三ターン目、私がバレットを追い詰め、カードを強奪した瞬間を――その中に“斧幸”はなかった。だから私はルシアンの腰にある斧幸を注視していた。けれど……それが甘かった。」


「ど、どういうことですか!?」


「真実はこうよ。二ターン目、すでに“斧幸”は偽装されていたの。クレイブで覆い、変化の霧をかけ、見た目はただのカード。すり替えトリックとプレゼント交換によって、一度ルシアンに返されていたの。」


 会場がどよめく。青ウサギは耳をばたつかせ、観客は「まさか!」とざわつく。

兎幸は一歩引くようにして、静かに結論を告げた。


 「つまり……斧幸は、十三ターン目までルシアンの手元に眠っていた。そして彼が私にそれを押し付けた瞬間――私の“運”は落ちたのよ。」


 彼女はわずかに肩をすくめ、余裕の笑みを崩さない。


「すべて……最初から仕組まれていたことだったのね。」


 ここからは単調に進んでいく


 兎幸は牛歩の途中でショップマスで20MPを購入するものの、それ以外のマスが悲惨だった。


 基本私とルシアンの攻撃をいなすことと自分のHPを回復することに割かれてこちらに仕掛けることができない。


 私達と兎幸のマスの差はどんどん広がっていく


 しかし私がゴールまであと4マスの時にそれは起こる。


最後まで読んで頂きありがとうございました!


もしこの作品が気に入りましたら感想や評価をいただけると幸いです。

そうでなくともこの作品が少しでも気に入っていただけたら今後も読んでいただけると幸いです。


改めまして最後まで読んでいただきありがとうございました!

また次回もお楽しみください

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。