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ゾンビライフ  作者: ひろ
2/5

前夜

僕の名前は中山正人。

もちろん生きていた時の名前だ。高校を卒業し、就職。いたって普通の人間だった。彼女はいた。

なんの夢もなく、なるようになれと生きてきた。そこそこの人間関係に、そこそこの生活。

特に不便なく生きてきた。

あの日までは。


6月5日。

今日も普通に仕事をしていた。

昼休みになり彼女が作ってくれた昼飯を食べる。幸せな時だ。

「おっ今日も彼女のか?」

原田一。仲良くさせてもらっている先輩だ。僕がここに入り、いろいろ仕事を教えてもらった。

とても仕事熱心で、時には叱られたりしたが感謝はしている、良い先輩だ。

「うらやましいなぁ毎日作ってもらえてな」

「あげませんよ」

ぼくは弁当を手で隠していった。

「けちだなぁーてか、今日の天気、気味悪いな」

たしかに天気予報では晴れだったが薄暗い。

普通の曇りといえば曇りだが、何だろう理由はわからないが気味の悪い感じは何となくする。

しばらくたわいのない会話をして、昼休みの終了のチャイムが鳴る。

「さあ楽しい仕事が待ってるぞ」

「どこがですか」

そんな会話をして仕事に戻った。


一日の仕事が終わり帰路につく。家は仕事場から徒歩で行ける距離だ。

「ただいま」

玄関を開けそう言うと奥から女性が現れた。

中村香苗。僕の彼女だ。恐らく、男性に尋ねれば皆が綺麗というであろう美人だ。黒髪長髪。背もすらっとしてモデルでもいけるんじゃないかと思う。僕にはもったいない彼女だ。

「おかえりーご飯できてるよー」

佳苗とは1年前から同棲している。

「今日カレー!?」

僕はカレー好きだ。

「そうよー正人の好きなカレー!」

何やら得意げに言ってきた

「匂いでわかった!」

鼻はいいほうだ。

僕は風呂をさっさと済ませ、夕ご飯にありついた。

「ほんとにカレー好きね」佳苗が頬杖をつきながら呆れた感じで言った。

「カレー嫌いなやつなんてこの世にいないだろ?」僕はスプーンを向けながら言った。

「行儀悪いよ」

「そっちこそ」たわいもない会話が楽しく、居心地がいい。

僕は彼女と出会えてよかった。出会いは合コンだ。ロマンチックな出会い方ではないが構わない。

僕の話を楽し気に、よく笑って聞いてくれた。そして付き合い始めたのだ。

女性としても人としても素晴らしいと思う。

カレーを半分ぐらい食べたところで彼女が言ってきた。

「そういえば今日、変な天気だったわね。晴れだって言ってたのにずっと暗かったし」

佳苗が外のほうを見ながら言ってきた。なんだか不安そうな横顔だった気がした。

「ああ、そうだな。先輩ともそんな話したよ」

カレーを食べ終わり皿を台所に運びながら言った。

「明日は天気よくなればいいね」

にっと笑顔でそう言った。

「きっと晴れるよ」

そう言ったがなんだか胸がざわざわする。こんな感じは初めてだ。

そのあと二人でテレビを観て、寝ることにした。


そして運命の日。

あれが落ちてきたのだ。







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