400.早朝会議①
トントントントン
「はい。」
「失礼します。」
私と父は声を合わせてそう言うと、会議室の中に入った。
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会議室には昨夜会議に参加した文官以外の方が全員揃って私たちが入室するのを待っていた。そして私たちが席に着くなり
「昨夜の話し合いで、本日から正敏さんには皇居、皇族の皆様の警護に。このはさんには西園寺家の百合様の警護をお願いする事に決まった。つきましては契・・・。」
スーツを着た60歳くらいの男性が話し始めた。父はその言葉を遮る様に
「お断りします。」
と言って深く頭を下げた。
「は?何をいっている?無礼だぞ!」
父の返事に男性は顔を赤くして父を睨んだ。会議室にいる人達も「はあ?何言い出すんだよ!」という表情でこちらをみている。もちろん陛下も、皇太子殿下も桜華様も。
会議室にいる人達の視線に動じず父は、
「申し訳ありません。私も祖母も娘には魔導師として、魔物の倒し方は教えてきました。しかし、人間の倒し方は教えていません。皇居の仕事は主に魔物退治と結界を張る仕事だったので私はバイトを許しました。しかし、西園寺邸での仕事は、魔物から百合子さんを守る仕事ではなく、人間の悪意から百合子さんを守る仕事です。まだ未成年の、学生の娘には荷が重すぎます。」
その言葉に、髭を生やした小太りの禿げが
「あんたの娘は優秀な魔導師だろ?普通の女学生じゃないんだから、そんな事言って・・」
「黙れ!芹沢!口を慎め。」
桜華様は立ち上がり厳しい口調でそう言うと、私と父に向かって頭を下げて静かに席についた。
・・・そっか。百合ちゃんの警護って百合ちゃんに悪意を持った人から守る仕事なのよね。当たり前の事だけど魔物じゃなくて人と戦う事になるのね。中東王国の魔導師から桜華様をお守りした事はあったけど。・・・そっか。だよね。
と私が色々考えていると、
「私やこのは、そして祖母がいなくては国を守れない・・。その様な脆弱な防衛体制では帝国の未来はなくなると、私は殿下をはじめ兵部省に進言をさせていただき、その改革に従事し、各地の警察、退魔部隊の後進の育成にも協力をさせていただきました。ですから・・・。」
父の話の途中で、
「もう、帝国には力を貸さぬと。」
髭を蓄えた大御所感漂うおじさんがゆっくりそう言うと、
「来月の更新は致しません。元々私は今年の3月までの契約でしたから。これからはまた以前の様に私なりのやり方で魔物から国民の皆様を守っていきたいと思います。」
そう言って深く頭を下げた。




