398.会議室で
「こんな本が・・・。」
「最近の魔物騒ぎに関係しているのか?」
「この術誰でもつかえるのか?」
集まった人々が不安になり漏らした言葉で会議室内がざわついた。
私と桜華様は、皇居内にある会議室に呼ばれ、南武政右衛門の書いた『術師覚書』『術指南(肆)』の内容についてと、これらの本を手に入れた経緯を、(皇帝陛下に皇太子殿下、父、そして兵部省から大臣や退魔部隊の隊長と副隊長、警察隊からも隊長と副隊長、宮内省から文官の方3名(その中の1人は友美様)、その他スーツを着たお偉いさん?らしき人10人程度(その中の1人は太政大臣の西園寺父))説明し終えたところだ。
ここにいる人達は、(解決されたと言われている)2年前の冨久岡の事件(自ら魔物になった男が、作られた魔物を使役して桜華様と風花様を狙った事件)について詳しく知っている人達だろう。だからこの事件の様に魔物を作り犯罪に利用されたらと皆ひどく動揺しているのだ。しかも、冨久岡の事件は2年前に犯人の男の死と、(事件に関わったと思われる)陰陽教の幹部達の死により一旦は解決したと言われているが、真相は闇の中に葬られてしまっている。この本が悪い奴らの手元にあると考えるだけで気が重くなるよね。
「はぁ。」
私も気が重くなり思わずついため息をついてしまった。
私達の報告の後、兵部省の大臣が、帝国各地で作られた魔物による被害が増え、大麻部隊の出動件数と、負傷兵の数がこの2年で急増していると報告し、警察隊と退魔部隊の編成を改めてしなおすなど、話し始めた。
「・・・・であるから皇居及び、皇室に当たっていた警備員を近衛騎士団と名称変更し、組織自体の見直しと・・・。」
・・・は?いつのまにか本の話から帝国の国防に関する組織の再編成の話になっている。もう。私、いらなくね?そもそも高等学舎の一生徒が聞いていい話ではない。それに私は権力者に関わりたくもない。
私は、兵部省の大臣の話がひと段落したタイミングで、私は
「申し訳ありません。本の説明はさせていただきましたし、帝国の国防に関する重要事項を一学生が聞いていいとは思いませんので、ここで失礼させてもらえないでしょうか?」
と発言をした。すると父が、
「私もここで。」
と言って席を立つと、
「このは、行こう。」
と言って、会議に引き留めようとする声を無視して部屋を出た。
「はぁー。疲れた。」
父はそう言いながら伸びをした。
「父さんまで出てきてよかったの?」
と私が尋ねると、父は
「後はお偉いさん方の仕事さ。あーあ。今日は百合子さんとの顔合わせだって言うからバタバタ戻って来たのに。面倒なことが次々に起こってやんなるなー。」
と言いながら大きなあくびをした。




