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397.父に相談

「おかえり。このは。」

「おかえり。」

「ただいま帰りました。」

学校から戻って来た私を桜華様と父が出迎えてくれた。

「もう、このはの父さんには本のことは伝えてる。」

と桜華様は私の耳元でそう言うと、引き出しから『術指南(肆)』を出した。そして私と桜華様は封印を解き父にその本を見せた。

「驚いた。こんな本が出回っていたなんて。・・・天満出版?聞いたことないな。」

そう呟きながら本をめくっている。

「この本は私と桜華様しか見ていないの。書いてあることが物騒すぎてこれ以上誰かに見せてはいけないと思って。」

「うん。ただ、出版されている以上、どこかで誰かの目に触れているだろうね。・・・なるほど。どの術も使うわけにはいかないけど、僕も、このはも師匠もこの本に載っている術は使えるよ。少し面倒な手順を踏まなければいけないけど、魔力量が多ければ使える技ばかりだ。」

「そうですか・・・。」

「ただ、こんな危険な本が出回っていることだけは陛下や兵部省に伝えておいた方がいいと思う。冨久岡の時のように魔力の代わりに科学を使われる・・なんてことがあっては大惨事になるだろ。」

「そうですね。」

すると父は本を閉じ、桜華様に手渡すと、

「今日は西園寺先生と一緒に百合子さんも来るんだ。僕と顔合わせするために。陛下にはその前に時間をとってもらおう。」

と言って私の頭を撫でた。そして

「このは。僕はしばらくはこっちにいるから。肩の力を抜きなさい。このはが不安そうにしていると、警護される桜華様に不安な思いをさせてしまうよ。」

と言うと、桜華様は私の手をとり、父に向かって

「このはが不安な思いをしている時は、俺がこのはを支えます。」

と宣言し、今度は私に

「このは、俺じゃ頼りにならないのはわかってる。だけど、俺を頼って欲しい。俺だってこのはの力になりたいから。」

と桜華様は真っ直ぐに私を見つめてそう言うと、私の手をとりぎゅっと握った。その瞬間、私の体がつま先から頭のてっぺんまで熱くなった。

「・・・あ、ありがとうございます。」

私は搾り出すように桜華様にお礼を言った。・・・ちょっと、しっかりしろ!私!私は桜華様の警護をするためにここにいるのよ!青春するためにここにいるわけではないの!何ドキドキしてんのよ私!しっかりしなさい!

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