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394. 術指南(肆)を読む①

「じゃあ、今日はここまで。」

「ありがとうございました。」

「このページはちゃんと復習しておくんだよ。」

「わかりました。」

「・・・あ、それと、百合の警備、このはさんのお父様が引き受けてくれたって。このはさん。ありがとう。」

「西園寺先生、私は何もしていませんよ。私も父が帝都に居てくれるのは心強いです。」

「じゃあ、次は水曜日だね。桜華様、失礼します。」

「ああ。気をつけて。」

西園寺先生が部屋から出ると、(自分の机で勉強していた桜華様が)私の元へやってきた。

「お疲れ様。夕飯、ここで一緒にいいか?その、このはの課題が終わったら一緒に術指南を読みたいから。」

「はい。そうですね。私は西園寺先生のおかげで課題もほぼほぼ終わりましたし、急いで食べて、課題おわらせますね。」


 (私の)課題も終わり時刻は11時を少し過ぎていた。西園寺先生が来る日は宿題が早く終わるのでとてもありがたい。


「じゃあ封印を解きますね。桜華様、唾液・・。」

話の途中で突然桜華様は私に顔を近づけてきた。

「うっ。」

私は咄嗟に桜華様の頬を手のひらで挟んだ。桜華様は(私の手で両頬を挟まれているから、)唇がタコのようになっている。

「ですから、口づけは必要ありません。」

「い、いいだろ?」

と縋る様に小さな声で桜華様は私に尋ねた。

「だ、ダメです。」

桜華様の縋る様な声に私の心臓はバクバクと音を立てて暴れ出したが、私の両手で挟まれた桜華様の顔を見ると、私は思わず吹き出してしまった。

「ふふふ。せっかくの男前が、台無しですよ。」

「じゃあ手を離して素直に口づけされろよ・・・。」

桜華様はぼそっと言った。私は

「何言ってるんですか、さっさと封印を解きますよ。」

と言って私達は術指南(肆)の封印を解くと2人で読み進めた。


「「投獣骸於澱」獣骸を澱に投ず。・・この魔物呼び出す方法は桜華様もご存知ですよね。」

「ああ。合宿の時もここの敷地でもこの方法が取られてるよな。」

「ええ。そうです。次を読みますね。「以澱混澱」・・澱を以て澱に混ず。「滓混則魔強」・・澱混ざれば、則ち魔強し。」

「・・・澱と澱を混ぜれば強い魔物ができる。なぁ、そもそも澱って運べるのか?」

「さぁ。私は澱を見たことがありません。悪い気が溜まって澱になるんです。だから澱って実態があるのか、掴める物なのかそれもよくわかりません。」

「そっか。」

私達はさらに読み進めていった。


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