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391.2人になって

どさっ。チュッ。チュッ。

「ん・・。ちょ・・まって・・っはぁ。」

桜華様はベッドに私を下ろすと急に私に口づけをした。そして私を黙って抱きしめた。私の心臓は激しく暴れ、脳みそが沸騰してどうかなりそうだったが、頭の中で数学の公式を唱えながら自分自身に冷静になれと言い聞かせた。そして絞り出す様に


「あ、あの・・。痛いです。」

「ごめん。」

すると私を抱きしめる腕の力が少し弱くなった。

「あの、つ、ついでに離してもらえませんか?」

「だめだ。」

「そうですか。・・・あの雇い主の桜華様に相談をせず、勝手な提案をして申し訳ありませんでした。」

「・・・。」

「怒ってます・・よね。」

「うん。」

「でも、百合ちゃんは大事な友達です。だから百合ちゃんに傷ついてほしくないんです。」

「わかってる。わかってるけど・・。」

「で、ですよね。」

「うん。」

「あの、えっと、桜華様、安心してください。父さんは多分百合ちゃんの護衛を引き受けてくれますよ。」

「なんでそんなことがわかるんだよ。」

「父さんは私のことが可愛くて仕方ないんです。だから百合ちゃんのことを心配するご両親・・ご家族の気持ちがよくわかるんです。」

「なるほどね。」

「だから離してください。」

「やだ。」

え?なんで?やばいって。これ以上桜華様を供給されると私は爆発してしまう。戸惑う私を桜華様はぎゅっと抱きしめた。その時、桜華様の心臓の音が聞こえた。桜華様の心臓も早く動いてる・・・。私は

「ふふふ。」

と思わず吹き出してしまった。余裕がないのは桜華様も一緒なんだ。

「な、なんだよ。」

「桜華様の心臓、走った後みたいです。」

「そ、そうだよ。悪いか?」

「いいえ。・・私も一緒です。あ、あの、お互いの心臓が落ち着くまで、しばらくこうしていませんか?」

私の提案に桜華様は

「うん。それがいい。」

と返事をした。

・・

・・・

「ん?」

気がつくと私は桜華様とベッドで寝ていた。部屋の電気は消え、私と桜華様の上には毛布がかけてあった。・・桜華様の心臓の音を聞きながら寝てしまったんだ。眼鏡も刀のマントも外してある。菊さんがやってくれたのかな?それとも桜華様かな?私はよく見えないので目を細めて桜華様を見ると着替えもせずに寝ている。

「桜華様、庇ってくれてありがとうございました。嬉しかったです。」

私の口から無意識に感謝の言葉が溢れた。その時

「うん。」

と桜華様が返事をした。

「・・・え?」


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