368.いつも通りになったけど①
「桜華様って脇の下弱いんですね。」
「し、仕方ないだろ!」
「ふふ、ふふふふ。」
「何笑ってるんだよ!」
「よかった。いつもの桜華様に戻った。」
私は桜華様から降りると術で濡れた布団に温風を当てた。
「このはの髪から乾かせよ。」
「大丈夫です。」
「仕方ないな。」
そう言って桜華様は私の髪をタオルで拭き始めた。
「このはの髪、綺麗だな。」
「ありがとうございます。」
それから2、3分、布団が乾いたタイミングで菊さんがおにぎりと飲み物を持って来てくれた。
「このはさん、お待たせしました。先に髪の毛を結いましょうね。」
菊さんは私を鏡台の椅子に座らせると髪をブラシでとくと、緩いおさげ髪に結ってくれた。鏡越しに菊さんが
「あ。あの・・このはさん?何があったんですか?」
と尋ねた。
「え?」
「首、あ、ここも。えー?このはさん、これって吸い跡ですよね・・。これ、桜華様が?」
「え?」
「ですから吸い跡が。」
「あ。赤くなってる・・。」
「え?あ、えー?私、お邪魔だったですよね?」
「じゃ、邪魔じゃないです!」
「でも、困りましたね。とりあえず、冷やすものを持って来ます。おにぎり食べてください。」
そう言って菊さんは部屋を飛び出して行った。
「菊は忙しそうだな。」
「忙しそうだなって、桜華様のせいですよ!」
「は?」
「首に跡残ってます。」
「このはは俺のものだってみんながわかるだろ?このはは俺のものだって。」
「誰がつけたものかなんてわかりませんよ。」
「俺はわかる。」
と何故か自慢げに言った。はあ。明日までに跡取れるかな・・。ってかおなかすいたな・・。
「桜華様とりあえずおにぎり食べていいですか?お腹すいちゃって。」
「ああ。悪い。・・夕飯まだだったんだな。」
「ラーメンいただいてたんですけど、魔物が発生して半分くらいしか食べれなかったんです。」
それから私はソファーに座りおにぎりを頬張った。
「うまいか?」
「はい。とっても。梅干しと昆布が入ってます。」
「ごめん。このは。こき使って、食事も満足に食べさせてなかった。なあ。このはは西園寺さんの家で働くのか?ここより高い給料で3食昼寝付きだって誘われていたんだろ?」
あぁ、だからあんな態度とったのね。




