361.友見様
「西園寺さん。11時に仁母町の駅、改札に集合です。できれば街に馴染む様な服装で。」
「そこは僕が確認するよ。」
と西園寺先生が言った。その時、ノックの音がして執事の方とスーツを着た男性が入ってきた。・・・この方、どこかで・・?
すると、皇太子殿下が
「彼が友見くんだよ。」
と紹介をしてくれた。私は立ち上がり挨拶をすると、
「このはさん、宿題はもう終わっているんですか?」
「はい。もう終わらせて・・・。あ、あの時の・・。」
「はい。あの時のです。」
「あの時は助かりました。」
「いえいえ、で、みなさんお集まりで何ごとなんですか?」
と友見さんが尋ねると、西園寺先生がこれまでのことを伝えてくれた。
「え?ゆ、百合子が?・・でも、まぁ、父の役職と、家柄から考えると妥当だよね。でも、百合子が了解するとはね。・・にしても、清華様は考えましたね。清華様百合子のこと、よろしくお願いしますね。」
「わかった。」
2人の話がまとまったタイミングで西園寺さんは、友見さんに、
「ところで兄様。明日はお暇ですか?」
「特に予定はないけど。」
と友美さんが答えると『術師覚書』と南武政右衛門について調べるたまに仁母町へ行くことを話した。すると友見さん同行することを快く了解してくれた上、
「帝大の図書館、確か民族学の書棚に彼の本があったと思うんだ。南武政右衛門という人物は、陰陽師で、宗教家、学者色々な側面がある人だったかと。ただ、調べると言っても彼の執筆した本は眉唾物ばかりだと記憶しているが・・。このはさんが探しているということは、眉唾物ではなかったと・・・。」
「そうなんです。」
「なかなか興味深い話だな。」
「本当ね。ゆっくり話を伺いたいわ。」
「しかし、お父様、お母様お時間が・・・。」
と西園寺先生が時計を指差した。
「あ、もう10時半。」
私が呟くと、皇帝陛下が、
「明日の夕方、皆で食事をしないか?その時に本の話をしようではないか。」
と提案され、明日6時から食事会が開催されることとなった。
「チャリコさん、また明日!おやすみなさい!」
「おやすみなさい。」
「このはさん、明日僕は大学に行くから、南武氏の本を図書館で探してくるよ。」
「ありがとうございます。」
「このはさん、明日、11時に。」
「はい。友見様明日はよろしくお願いします。おやすみなさい。」
私も皇帝陛下、皇太子殿下、桜華様と使用人の方々に混じって西園寺さん御一家と見送った。




