233.みっちゃんとマチ
「いらっしゃい。」
「おじゃましまーす。」
みっちゃんとマチが久しぶりに遊びに来てくれた。
昨日は帰り際、馬鹿皇子に「俺のものになって。」と言われ、その言葉が耳から離れず、ずっと落ち着かなかった。お陰で勉強に集中できず、英語のプリントを終わらせるのに苦労した。やっと課題を終わらせたのに寝る前も馬鹿皇子のことが頭に浮かんで疲れていたのに眠れなかった。
せっかくのお休みなのに、また、馬鹿皇子のことばかり考えてしまうのは嫌だったので、みっちゃんに電話したらうちに、(マチと一緒に)遊びに来てくれることになった。(しかも、おばさんが昼ご飯を作ってくれるそうだ。)
「はい。これ、お昼!食べよ。」
みっちゃんがそう言って、風呂敷を居間のちゃぶ台に置いた。私がお皿とお箸、お茶を並べていると、みっちゃんは風呂敷を開けて重箱を並べ、(一段目には唐揚げや卵焼き、きゅうりちくわ、二段目には筑前煮、三段目は五目炊き込みご飯が入っていた。)マチはお皿いっぱいの(おじさんが作っている)苺をちゃぶ台に置いた。
私たちはちゃぶ台に並ぶご馳走様を早速いただいた。
女子が3人集まると始まるのが恋バナ。みっちゃんは岩崎くんとのお付き合いは続いているそうで、明後日は駅前のカフェでデートをするそうだ。マチはお付き合いをしていた年下の彼とはお別れしたらしく、今は職業夫人になるべく勉強に励んでいるそうだ。
「で、このはは?いい人できた?」
突然マチに聞かれて、
「え??いないよ。」
と答えると、みっちゃんが
「中学の時に同じクラスだった西田と仲がいいらしいじゃん。」
とにやけた顔で言われた。
「え?」
「このはが西田くんを自転車に乗せて爆走してるのを見た子が何人もいるんだよ。そろそろ話して楽になろうぜ。」
マチは今流行りの舞台『町奉行真さん!』の主人公、真さんような口調で言った。
「西田くんとは仲良くさせてもらつてるよ。それと松本くんと上岡さんも。うちの学校課題が多いのよ。松本くんも上岡さんも部活があるから、私と西田くんで放課後その課題をやる為に図書館に行ってるの。さすがの私も、彼氏や意識してる人を後に乗せてたら爆走なんてしないし、自分で運転はせずに後ろに乗せてもらうよ。そんなお転婆な姿見られたくないでしょ。それに彼氏を作る暇なんてないよ。毎日恐ろしい量の課題をやらなきゃいけないんだもん。あー私も真さんの舞台、彼氏と見に行きたいなー。」
と私が答えると、マチは
「わかる。わかるこのはの気持ち。でもこのは、彼氏や結婚する相手はね、そのままの自分を受け入れてくれる人じゃないとうまくいかないよ。私、優くんと・・。」
と言って泣き出してしまった。
後からみっちゃんから聞いたのだが、マチは年下の彼氏にいい所を見せようと頑張りすぎていたようで、(詳しい理由はわからないが)それが一つの要因になりお別れしたらしい。
彼氏や結婚相手は、お互いに無理をしない、ありのままの自分でいられる相手をさがしたらいいってことなのね・・・。
その時なぜか馬鹿皇子の顔が頭に浮かんだ。ダーー!何でよ!私、無理してるっちゅーねん!相手は第二皇子だからね。常に敬意を払い、失礼のないように・・・。うん。私、無理してる。それに馬鹿皇子だって・・・。私といる時は無理をしてるはず。
結局、馬鹿皇子のことばかり考えてしまった・・・。




