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霧に覆われた森は月を見つける  作者: 華ノ月


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21.発見


「…………え?」


 聞き慣れた声が聞こえて、莉愛が前に立っている人物に顔を向ける。


「な……なんで……」


 莉愛が声を震わせながらそう声を出すが、恐怖感で身体が動かない。


「探したよ、ほのか」


 智己がそう言って莉愛の口元にハンカチを当てる。


 莉愛は何かの薬品が頭に回り、その場で崩れそうになる。


「大丈夫?安心したのかな?」


 智己が優しい声でそう言葉を綴りながら、莉愛を抱きかかえる。


 その様子に周りの人は、気付いていない。


 莉愛の手からビスコッティの入った袋が掌から落ちて地面に落ちるが、智己も周りの人も袋が落ちたことに気付かない。


 そして、智己は愛おしそうに莉愛を抱きかかえたまま、退場口をそっと出て行った。




***


(……どうやら兄がいるという事は間違い無そうだな……)


 優弥が調べていったある事とは、莉愛に本当に実の兄がいるのかどうかという事だった。


 そして、ある資料を見てそれが本当だという事が分かる。


 智己の住所はすぐに調べることが出来たため、近いうちに転落事件の事で事情聴取しないといけないなと考えながら、その資料を読んでいく。


 その時だった。


「…………え?」


 ある項目に目が留まり、優弥が愕然としながら小さな声を発する。


「嘘……だろ……?」


 その項目に書かれている内容に優弥は信じられなくて、愕然としたまま、そう声を発した。




***


(……莉愛ちゃん、楽しんでいるかしらね?)


 百合がベンチに腰掛けたまま、莉愛がフェスティバルを楽しんでいるのをお腹を擦りながら考えている。


(まさか今日のこの日にこの症状が出るなんてね……)


 百合がため息を吐きながらそう心で呟く。


(私も年に一度しか見れない世界の花を楽しみにしていたんだけどな~……)


 百合が少し残念そうな顔をしながら、心でそう呟く。


「………近いうちに産まれてくるあなたにも世界の花を見せたかったな……」


 百合が微笑みながらお腹を擦り、宿っている小さな命にそう声を掛ける。


 百合のお腹はまだ新しい命を宿したばかりなので、お腹は出ていない。なので、莉愛も百合が妊娠をしている事は気付かなかった。


 それに、つわりの症状はめったに出ることがなかったので、大丈夫だろうと高を括っていた自分に少し反省する。


 そして、莉愛が戻ってくるのを、お腹を擦りながら待っていた。




***


 ――――バタンッ……!


 智己は意識を失っている莉愛を後部座席に運び込むと、莉愛の身体にタオルケットを掛けた。


「もう……心配ないからね……」


 智己が莉愛の頬に愛おしさを込めたキスをする。


 そして、運転席に乗り込み、その場を去って行った。




***


「………連絡しておくか」





いよいよ、終盤に入りました!!


この後は、駆け足投稿になります!!


19日に1話投稿

20日に2話投稿


もし、作品が面白いと感じましたら、評価☆やブクマを頂けると嬉しいです(^^)


よろしくお願い致しますm(_ _)m

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