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リヒトの激励に、騎士達が立ち上がり、臨戦態勢を取る。
けれど、何度も攻撃を仕掛けているが、命中したのは先ほどの一撃だけ。このままでは結局体力が奪われてしまうだけだろう。
でも、一体どうすれば……!?
〈姫、彼のあの〝剣〟には水晶の欠片が使われています。 あなたが私に願いを掛けることで、彼に「力」を分け与えることができれば、あの男を倒せるかもしれません〉
〈守護者〉の提案に、私は目を丸くする。……でも、私、まだ「覚醒」していないんじゃ……!?
〈大丈夫、あの男が無理に姫の「力」を引き出そうとしたことで、少しずつではありますが、あなたも「力」を使うことができるようになっているようです。 他の騎士達も力を合わせれば、きっと何とかできるはず〉
……確かに、このまま何もしないよりいいかもしれない。一か八か、やってみるしかない。
「みんな、こっちに来て!」
私が呼び掛けると、リヒト以外の四人が一斉に振り返り、私の元へと駆け付けた。
「ねぇ、みんな! 私はこれから水晶に願いを掛けるから、みんなも私に力を送って! そうしたら、リヒトにみんなの力を私が送るから!」
突然だったが、騎士達はすぐにうなずき、私を円形に取り囲みながら、私に意識を集中させ始めた。
首飾りを握り、私はみんなの力が送られてくるのを感じながら、首飾り――水晶に願いを掛ける。
(……お願い、水晶よ。 みんなの「力」をリヒトに分け与えて!!)
すると、水晶からまばゆい光が放たれ、リヒトへと向かっていく。
〝剣〟がその光を受け止め、水晶と同じ輝きを放ち始めた。
リヒトは〝剣〟をより一層強く握り、ライヅの方に向き直った。
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「……面白い」
ライヅが小さな声でつぶやく。
彼女と騎士達の「力」が込められた〝剣〟を手に、リヒトは意識を集中させた。
(〝剣〟よ、俺に力を! アイツを……止める力を貸してくれ!!)
そして、一瞬目を閉じ、深呼吸をすると、一気に駆け出した。
まずは〝剣〟を突き刺すようにして、ライヅに向け衝撃波を放つ。今までのように、当然かわされるが、リヒトはすぐに踵を返した。
思い切り地面を蹴り跳び上がって、空中で一回転すると、ライヅに方向転換し、そのまま一気に駆け出す。
「やあ――――ッ!!」
再度〝剣〟を強く握り締めると、リヒトは雄叫びを上げながら、再び意識を集中させ、〝剣〟を振るった。
その間、ほんのわずか。いつものように攻撃をかわせると思っていたのだろう、ライヅの表情に余裕がなくなっていた。
――決着はほんの一瞬だった。なんと、〝剣〟はライヅの胸を貫いていた。
「な……に……」
ライヅから驚きの声が漏れる。
そのままライヅの身体は地面に崩れ落ちそうになったが、なぜかそれより早く、カレの姿は霧散して消え失せてしまった。
意に介することなく、リヒトは振り返りながら、〝剣〟をライヅのいた場所に向けて、言い放った。
「もう二度と、俺の〝ひめ〟に手を出すな」
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戦いにはあまりにも呆気なく終わった。
……でも、これで安心だ。
「リヒト!!」
私は気が付くと、リヒトの元に駆け寄っていた。
リヒトは私を両腕で受け止め、優しく抱き締めてくれた。
「怖かった……怖かったぁ!」「安心しろ、もう大丈夫だから」
優しく言葉を掛けてくれるリヒトの声に安心しながら、私は泣きじゃくっていた。
「兄さん!」
他の騎士達も私とリヒトの元へと集まってきた。
「さて、これからどうする?」「……まずはここから脱出する」「そうだね、その後は?」
騎士達でそんな会話を交わした後、一斉に私を見つめた。
突然聞かれて、私は一瞬困惑するが、ふととあることを思いついて、口を開く。
「私、やっぱり『あの場所』に行ってみたい! なぜか分からないけど、あそこに行けば、何か、考えが思いつくような気がするから」
騎士達は私の言葉に顔を見合せ、うなずいてみせた。
「じゃあ、決まりだな」「それじゃ、出口を探しますか」
そう話しながら、騎士達四人が歩き出した。
唯一、その場から離れずにいたリヒトが微笑みながら、私に手を差し出した。
「ヒメ、行くぞ!」「……うん!」
私はその手を取り、リヒトとともに歩き出したのだった。




