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終息

「・・・兄は今どこに」仁哉はまだ何が何やらわからず混乱していた。でもとにかく和由と会いたい。会って話がしたかった。

「すみません、私もわからないんです」小林が申し訳なさそうに言った。

「お兄さんが私のところへ訪ねてきた時、ずいぶん弱っていたのでうちの病院でまた入院したほうがいいと言ったんですが、大丈夫ですと言ってそのまま行ってしまったんです。本当は私が付いていればよかったんですが・・・」

「そうだったんですか」仁哉が呟き、沈黙が流れた。

「でもきっと大丈夫です。そこまで兄がしっかり話せるならおそらく一人でやってると思うし」

「そうですよね」小林が少し微笑んだ。


小林が帰った後も仁哉は放心していた。あまりにも突然いろんな話を聞いて心の整理がつかなかった。とにかく、和由は家を出た後働いていた。そしてすさんだぎりぎりの生活をしながら俺のところまでやってきた。そして和由なりの罪滅ぼしみたいなことをして勝手に去っていった。ただそれだけのことだ。これでよかったんだ。これ以上和由と暮らすことはできなかったし、事の真相を知った今でもやっぱり和由とは暮らせない。もう他人同士として生きるほうがいい。


でも、もう一度会って暴力をふるったことを謝りたい。和由が怒っているということはないだろうけれど俺の気があまり済まない。まぁいいや。和由がどこかで暮らしているならきっとまたいつか会えるだろう。そう思うだけでも仁哉の心は少し晴れた。それは久しぶりの晴れ間だった。

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