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S↔R ~令和女子、昭和に放り出される~ 「1970年」マジありえない文化なのに人情に泣ける。そして未来へ繋がる……  作者: 髙井菜是


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【22】夢と現実と②

私の夢

みんなが黙って聞いてくれる。

「毎年楽しみに映画を観に行ってたんだけど、ある時ふと思ったんよ。あんなワクワクするお話を考える人がいるんだな、すごいな、て。私……私もいつか、あんなふうにみんなをワクワクさせるようなお話を作れる人になりたいな、て」


ふぁー! 言った! 言ったよ! 恥ずかしいよー!


「お話を作れる人、て……漫画家? 小説家?」


「あぁ、そこまで明確に考えてたわけやないねん。ふわっとな、ぼんやりそんなこと考えてただけで……いつのまにか忘れてたわ。あはは!」


「思い出したなら、これから目指すん?」


「え!」

意外な質問きた……

「う、うーん。どうやろ。……いつか、未来に戻れたら、そのときに考えてみるわ」


「はぁー!」

幸子がウーンと寝転んだまま背伸びして言った。

「みうにもワクワクしてた頃があったんやねぇ。冷めた子やなぁて思てたけど、うちらと同じや、良かったぁ」


冷めた子やと思われてたんや

「そういう幸子は、料理人目指さんの?」

「え! いやぁ、うちは……料理人は厳しい思うわ」

「女はダメだから?」

「ダメってわけやないと思うけど……女が料理人なんて生意気や言われるわ」


は? 意味わからん。昭和ってそんな感じなん?

「なんかね、未来って、生活が便利になるだけやないと思うねん」


3人とも不思議そうに首を傾げる。


「未来はな、自由やねん」

自分で言ってて何かカッコイイ


「自由って? どういうこと?」

「まずは仕事。えっと〜、職業選択の自由ってのがあってな? う、うーん……と、とにかく、男女雇用機会均等法ってのがあるねん!」

語彙力なさすぎて全然かっこつかんやん! 帰ったら勉強せな!


「つまり、男も女も雇用の機会は平等ってこと?」

さすが典子ちゃん、優秀やわ


「そやねん! みんな平等! 女だと生意気なんて言うやつおらんで!」

「50年後はそうなってるんや、すごいな。想像つかんわ」

「いやいや! もっと早かったはずやで。……はっきり覚えてへんけど、確か私のお母さんの時にはもう……」

あれ? でも、待って


「お母さんの時にはもう、男女雇用機会均等法はとっくにあった、て言ってた気がする……だけど……」

「だけど、なに?」

「女だけお茶汲みさせられてた、て言ってて、それ聞いてめちゃくちゃびっくりしたんよ」


3人がまたまた不思議な顔


「お茶汲み……普通ちゃう? 未来ではダメなん?」

「え! ダメというか……女だけさせられてるのが差別やんか。あと、女は結婚したら辞めるべき、て雰囲気がまだあった、て。あと女より男のほうが役職に付く機会が多かった、とか」


「みうちゃんの仕事は? そうじゃないん?」

「私の仕事はそんなんないよ! お茶は各自で買うし、結婚しても続けてる人おるよ。出産しても育児中も休みながらお給料もらえるんよ」


「な! なにそれ! そんなことできるん? 旦那さんは? 怒るんやない?」

「へ? なんで旦那が怒るん? どっちも同じ親やのに。そもそも父親も育児休暇とれるんやで?」


3人とも、口、開いてるで


「……未来、すごいな。ホンマにそんなことになるん?」

「ホンマやで。そうなってるもん」

「……誰が?」

何が? 典子ちゃん、びっくりし過ぎて壊れた?


「誰が、そうしてくれたん?」


……え?

「だ、誰が、て……わかんない。なんか……偉い人?」


そこから典子ちゃんは黙ってしまった。

みんなでまだたくさん話したいことはあったけど、さすがに眠たくなってきた


「……そろそろ、寝よか?」

「そやね、今日は色んなことあって疲れたね」

「みんな休みやろ? ええなぁ、うちは仕事や」

「ふふ、弘子ちゃん頑張って」


ポツリ、ポツリと話しながらウトウトしてきた。

そのとき、



ガンガンガンガンガン!!


外の方から突然すごい音が聞こえて飛び起きた。


「な、なに?」

「わかんない!」


男の人の叫ぶ声も聞こえた。何て言ってるかわかんないけど……

また

ガンガンガン! オラー!!


いや! 怖い!


誰や!


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