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S↔R ~令和女子、昭和に放り出される~ 「1970年」マジありえない文化なのに人情に泣ける。そして未来へ繋がる……  作者: 髙井菜是


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19/65

【19】いやホンマホンマ

未来から来ました。

「は?」

「え?」

「え?」


「言うんかい」

「……言っちゃった」


4人が私のことを見てる


言っちゃったものの、信じてくれないよね。どうしよう

うーん……

パッと正志くんを見る

正志くんビクッとする、いやなんかごめん


「……正志くんには、私がどう見えてるん?」

「どう、て……はっきり見えてるわけやないねん。なんていうか……」


改めて正志がジッと見る

何て言われるの? ドキドキする!


「魂だけ、おる。実体がない。かな」


「え、みうちゃん、ここにおるやん!」

典子ちゃん、顔青いよ


「あ、いや、確かに肉体はあるんやけど……なんて言ったらええんや。……あぁ、未来、なるほど。今の時代におらん」


「え、そやから、みうちゃんおるやん」

弘子ちゃん冷静〜


「あーも! 俺も初めてのことやからようわからん! なんせ死んだ人は見えん! こいつは死んでへんけど、今ここに生きてないねん!」

「なるほどな、死んでへん、今は生きとらん、まだ生まれとらん、未来で生まれるんやな」

幸子、わかりやすい!


3人で思わず拍手する。


「……姉ちゃん! こいつなんやねん!」

「みうや」

「み、みゆ……は?」


お、久しぶりのくだりや

「み、う、やで。あんたより6個上や。こいつちゃうやろ」

ちょっとお姉さんぶってみる


「なっ!」

正志、顔赤いで? ふふ


「あー! スッキリした! みんなに内緒にしてるの窮屈やったんよ!」

「うち、あんたのためにずっと黙ってたんやで?」

「おおきに、幸子。ふふっ」


「ちょ、ちょ、ちょい待ち、幸子ちゃんは知ってたん?」

典子ちゃん、落ち着いて


「知ってたもなにも、なぁ?」

「うん、ふふ。私がこの時代に来た瞬間を、幸子がたまたま見ててな?」

「そそ、ホンマびっくりしたでぇ。宇宙人か思たわ」

「ははっ、そうそう」


弘子ちゃん、典子ちゃん、2人とも口開いてるで?


「……みうちゃんは、なんでこの時代に来たん? どのくらい先の未来から来たん?」

「……未来は、2026年なんやけど、なんで来たかと言われると……私にもわからへん」


「え? どういうことなん?」

「自分の意思やないってこと?」


「うん。家族と一緒にいたのに、突然……何が起こったのか本当にわからへんねん。気づいたら、知らん公園におってん」

「公園? 公園ちゃうで?」

「え? あそこ公園ちゃうん?」

「あそこは和夫兄ちゃんの後輩の、ヒロシさんちの私有地や。空き地になっててみんな抜け道に使ってんねん」


昭和、雑だな


「おーい、お前ら、正志が置いてけぼりになってんで」


あ、忘れてた

ずっとそこに立ってたんやね、ごめんごめん


「……和夫兄ちゃん、今の話、聞いてた?」

「あ? あぁ。……ま、信じられん話やけど正志が言うならホンマなんやろなぁ。それにしても幸子ちゃんもすごいよなぁ。普通はビビるで?」

「いやぁ、なんや怯えててなぁ。ええ子やし、可哀想やなぁ思て家(うち)に連れて帰ったけどな、家(うち)じゃ面倒見きれんから下宿屋に連れてったんや」

「捨て猫ちゃうねんから……」


和夫さんが呆れてる

私、捨て猫ちゃんかぁ……

でもそんな幸子のお陰で私は助かってる

「幸子、ホンマにありがとうね」


キュッと幸子の手を握る。

すると突然正志が「あぁ!」と声を上げた。


びっくりして見ると、正志は私と幸子を交互に見ている。え、今度はなに?


「なんや正志、今度は何が見えたんや」

和夫が聞くけど、正志は何とも言えない顔になって、何も答えない。


「……っ」

何かを言いかけて口を噤(つぐ)む

みんなが首を傾げていたら

「俺っ帰る!」


と急に踵を返して帰っていった。


……なんだったん?


「……うちらも、そろそろ帰ろうか。おばちゃん待ってるで」

「そやな、また夜、話そ?」

「幸子ちゃんも一緒にご飯食べて行くやろ?」

「ええの? ほんならあそこの肉屋さんでコロッケ買って帰ろ?」

「ええねぇ」


残った紅茶を飲みほし、みんなでお会計をする。

ごちになります


「あ、みうちゃん、明後日は朝から来るか? 朝飯あるで?」


あ、そうだった。う、どうしよ。

「……あのっ。明日も来ていいですか? 10時くらいに……あ! お給料はいらないのでっ見学させてください!」

そしてついでにお昼ご飯もください


「おぅ、ええで」


昭和ルールがまだ全然わかんないからね、突然働くのは怖すぎるもん

だけど、相談できる人が一気に増えたから嬉しい!


みんなでおばちゃんの待つ下宿屋に帰る。

お土産は未来館とコロッケだよ!


正志です。

昔から変なもんが見えます。いや、初めは普通やと思っててんで?けどな?周りのもんには見えへんらしいねん。なんやこう…命の光っていうんかな。ちっちゃい頃は全部見えててしんどかったけど、今はコントロールできんねんで?ただまだ油断したときは見えてまう。

結構つらいで。

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