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S↔R ~令和女子、昭和に放り出される~ 「1970年」マジありえない文化なのに人情に泣ける。そして未来へ繋がる……  作者: 髙井菜是


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【17】人類の進歩と調和⑤

やっとだよ

見えてきた見えてきたー!


いよいよ入場!

パンフレットをもらい先に進む。

みんなどんどんエスカレーターで上に上がってる。


パンフレットを見てみると

【50年後のあなた】と書いてあるのが目に留まった


50年後……2020年。私が高校生のときだ

え、私の知ってる未来が、ここにあるってこと?


先に進むと、動く歩道が見えてきた。

へー、こんな昔からこれあったんだ。そう思ってると幸子たち3人は「いやぁ!」「すごい!」とテンションめちゃくちゃ上がってる。


あ、やっぱり今の人たちには珍しい物なんやね

ふむ、トラベーターって呼んでたんや

歩かずに乗ったまま色んな展示物が次々現れる仕掛けらしい。楽でいいね


さぁ! 50年後! 私がしっかり確認してやるからね! ドンと来いやわ!

と思ったけど、まずは「日本の四季」とか「三菱100年のあゆみ」とかのご案内。未来まだだった


さぁ次!

……日本の自然? 未来じゃないやん

と思ったけどすごい! 映像だけど映画とも違う、自分がその中に入ったみたい。暴風雨、そして火山爆発! 

へー! やるね昭和。面白い


次は? どんなん? ワクワク

これは……宇宙だね。地球が浮かんでる……

その先には宇宙ステーション。

そこが、世界気象センターになっている、と。


世界各国のアナウンスが流れたかと思うと、突然赤いランプが点灯。「超大型台風接近!」となって、未来の人たちが気象コントロール、ロケット隊を出動させて台風を制圧する、という。


ないない

いくら50年後でもそれは無理だよ。というか、自然には人間は敵わないんだよ


みんなは口を開けて目を輝かせている。私だけ温度差よ


さて次は

海……の中?


未来海底都市? 海中牧場? ないない

海底発電所? これは……知らない。ありそうだけどなぁ。あるのかな。スマホで検索したい

でもダメだよ、いくら便利にしたいからって自然破壊はダメだと思うよ。昭和さん、未来のために地球を大切にしてよ


さて次……と思ってたら

スモーク? なになに? わ、頭の上を魚が泳いでるように見える

へー。と思ったら急にサメが襲いかかってきた!

ように見えた

みんなは、「キャー! フカや!」って騒いでる。

フカ? あぁ、そういえばおばあちゃんがサメのことフカって言ってて不思議だな、て思ったことあるな


さて次

通路を上がると花園が見えてきた。小鳥の鳴き声と明るい照明。朝を表現しているのかな?

バラのアーチや花園を抜けてまたトラベーターに乗る。


21世紀の未来都市? まさに私が生きてる時代や

さぁ、どうなってるかな


未来住宅? お、壁掛けテレビ! あるよ! あるある

ホーム電子頭脳? あ、あれかな。呼びかけて「音楽かけて」とか「カーテン閉めて」とか言うやつ。うちにはないけど、あるところにはあるのかな

電子調整器? なんのことだろ


全体的に、トラベーターの周りをグルっと映像にしたものが多かったなぁ。朝昼晩を光で演出したり。

2025年のほうでは未来館まで入れなかったから比べられないけど


最後は、よくわからないけど自分たちの影を映して大きく見せる、みたいな

これが昭和の人たちが夢見る未来なの?

みんなはすごく喜んでるけど、私にはピンとこなかったな……


会場を出ながらも3人はすごく興奮してるみたいで楽しそうに喋ってる。

確かにすごく豪華で綺麗だったけど、あまりにも私の知ってる未来とは違うし、今の人たちの普通がわかんないからイマイチ感動が理解できないよ


黙って3人の後ろを歩いていると幸子がスススッと寄ってきて、コソッと聞いてきた。

「みう、未来はあんな感じなん? 50年後はあんな風になってるん?」


う、うーん

「なってるものもあるかな。でももっと未来じゃないと無理かも」


「そっかぁ。あ、お昼ご飯どうする? どっか屋根があるところ探そ!」


みんなでウロウロ良さそうなところを探す。


「ここここ! ここで食べようや!」

4人でそれぞれお弁当を開ける。

美味しそう。おばちゃんありがとう


3人ともキャッキャ言いながら食べてる、けど私は……

ふと、さっき並んでたときに話してたことを思い出す


夢……

私、夢ってあったかな

ここの人たちは、なんだか未来にものすごく夢を持ってるように見える

だけど私は、未来を夢見たことあるかな


だって、全部揃ってるもん。そりゃ、寝坊したときなんかは、どこにでも行けるあのドアがあればな、とか、お風呂に入らなくても綺麗になる魔法があればな、とか考えたことはあるけど、夢とは違う


なんだか、自分がすごくつまらない人間に思えてきた


「なぁなぁ、次どこ行く?」

「もしかしたら次で最後になるんちゃう。」

「ほんまやねぇ。なんか朝より人が増えた気がするわ」


結局、あちこち行ってみよう、と、アメリカ館の方やソ連館の方へも歩いてみたけど、とてもあの行列に並ぶ気になれず、会場内をお散歩するだけで終わった。


あぁ、万博終わっちゃった。朝はあんなにワクワクしていたのに、なんだろうこのモヤモヤ


帰りもとんでもない人混みに揉まれながらやっと近所の商店街まで辿り着いた。


「なんや、みうちゃん元気ないなぁ? 歩き疲れたん?」

典子ちゃんが気を遣ってくれる。


「ん? ううん、大丈夫。終わっちゃったなぁ、て」


「ほんまやなぁ。ふふ、あないにたくさんの人間見たの、初めてや」


「あはは! ほんまや! みう、あんた、はぐれんようにうちのシャツずっと握ったとったやろ、しわくちゃや!」


あれ、バレてた。

話しながら歩いてると、ふと、本屋さんに目が留まった


思わず立ち止まると

「みうちゃん? なん? 本屋さん寄りたいん?」

「えっ? あ……うん、ちょっと寄りたいかも」

「ええで、行こう」


みんな付き合ってくれた。


なんで急に本屋さんが気になったんやろ……

特に目的もなくマンガコーナーに向かう。

うーん、知らない作品ばっかりだなぁ。そりゃそうだよ、50年以上昔やもん


ブラブラと他のコーナーも歩く。


すると、

「え!」

見た事あるマンガのキャラクターに気づいた



アレですよ

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