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幻聴に恋をして《第五夜》
「そういえば、今更だけどあなたなんなの?」
今まで幽霊だったら嫌だから気にしないことにしていたけど、もう逆にここまできて幽霊じゃなかったら怖い
『え、ほんとに今更』
もう影は私のベッドでくつろいでいる
幽霊じゃなかったらなんなのよ
『んー、私もわかってないんだよね』
「どっから来たとか」
『どっからって私はこの部屋から』
「どういうこと?」
『だから、私はこの部屋で育ったよ?』
私の住んでいる家、新築なのだけれど
「育ったって、親は?」
『おぼえてない』
「まぁ、そうよね」
影の記憶は変なところが抜けてる、家族構成、友人関係、変に知識があるのに金に関しては知識が薄い
本当に幽霊なら家族構成も友人関係もあるわけないのだが
「自分の名前は?」
『覚えてないよー』
「はぁ、悩んでも無駄そうね」
『無駄ってなによ、無駄って』
いや、だってまず他の人から見えてない時点で現実にはいないのだろう
「めんどくさくなったのよ」
『なにをー!』
「無理言わないで頂戴、あなたの正体なんて見当もつかないんだから」




