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幻聴に恋をして《第四夜》

『わ、痛そう』

よりにもよって一番見られたくないところを見られた

「別に、そこまでよ」

『どうしたの?その傷』

「バイトで切った」

『そんな手首の方を?』

「そうよ」

『もー、はやく手出して』

「あんた応急処置できないでしょ」

そうだった、みたいなおどいた反応をしてから彼女は棚を叩く

「もー、結局私が出すんだから静かにしててよ」

『でも、はやく!包帯巻き直してたんじゃないの?』

「そうよ、わかってたならいちいち聞いてこないで」

『むー、でもそんだけ切り傷あったら心配だよー』

「はいはい、ありがと」

誰も、親ですら、面倒事を避けて触れてこないのに。この影は気軽にプライベートに踏み込んでくるんだから

『はやくー!!何考えてるの!?』

「ん、いや。あなたがおかしな人だなって」

『そんな事考えてたの!?ひどいー!!じゃなくて、早く、包帯まいてよ!』

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