第1章・4幕 情事
今回の登場人物
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◎灰谷家
・灰谷 墨子 (はいたにすみこ)
蛭子里の生まれで、朝友と喜朗とは幼馴染。母子家庭だったが、半年前の冬に母と姉が行方不明となり、灰谷家へと嫁ぐ。非力だが賢く、里でも若く美人との噂。
・灰谷 朝友 (はいたにあさとも)
墨子と喜郎の幼馴染みで、墨子の旦那。墨子の境遇を想い、結婚に至る。里に小さいながらも畑を管理している。里でも良好なイケメン男子で通る。
・灰谷 儀兵衛 (はいたにぎへえ)
朝友の父で墨子の義父。編み笠職人で、口数は少なく、嫁に先立たれてからは家事は墨子にお願いしている。神奈備の中心まで笠を売りに行くことがある。
ーーー
・三条 勝巳 (さんじょうかつみ)
本編・三条勝太郎の実父。妻と勝太郎を捨てた後、何故か蛭子里へと流れ着く。里では近代的な男前、と評判だが、裏の顔は好色と貪欲の悪人。
・吉田 健右衛門 (よしだけんうえもん)
蛭子里の官人の1人。現状、一番経験が豊富な故、官人所役・神奈備支部からの信用も厚い。紳士的で礼節を知る男として里でも名声がある。
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【前回までのあらすじ】
蛭子里に住む墨子は、山菜採りに北の森へと向かった、旦那・朝友と幼馴染・喜朗に合流する為、北の森へ、息子・美継と向かう。
森で、朝友と合流するも、喜朗の姿は見えない。朝友は帰宅するも、墨子と美継は少し森を散策する。
美継も消え、墨子は探し回る内に蛭子神社へと辿り着くと、美継を発見。彼は喜朗を見たというも、時間を掛けても神主・神籬すら見つからず、一旦帰宅をする。
墨子らが健右衛門と雅代の関係を疑いながら、帰宅すると、朝友はその件は保留にした。そして翌日に、神社へ喜朗を探しに行くと二人を安心させた。
一方、夜九時に、良からぬ企みをする勝巳は、灰谷家へと向かうのだった・・・
◎和都歴450年 7月12日
置田村・神奈備・蛭子里・灰谷家 20時
墨子は、儀兵衛の言う、酒のアテに、糠漬けを用意し、部屋へと持っていった。
朝友は部屋で寛いでいると、縁側から戸を叩く音がした。
「ん?誰だ?」
ーガラ…
「よっ!」
戸を開けると、勝巳が馴れ馴れしく掌を立てて挨拶をする。
「勝巳さん?なんだこんな夜更けに?」
「いや…雅代さん、喜郎と喧嘩でもしたのか?悲しそう…つーか寂しそうだったからよ。」
勝巳は白々しくも妙な嘘をつく。
「雅代さんが?ああ、なんか喜郎が帰らないみたいだしな。それで悲しいのかもな。」
「雅代さん、元気付けてくれよ。」
「そう言われてもなぁ…」
「とにかく、頼んだぜ。」
勝巳はそう言うと外に出ていく。
「仕方ないな…」
少しして、朝友は儀兵衛の部屋へ行く。
「ちょっと出てくる。すぐ戻るよ。」
「…ああ。」
相変わらずぶっきらぼうな返事をする儀兵衛。
朝友は雅代の元へと走っていく。
◎灰谷家 21時
「…どうだ?これで俺達だけだ。」
儀兵衛の部屋の奥から、勝巳が出てくる。
「…覗くだけだろ?何でまたー」
「ーバカ。こんな好機に覗いて終わるワケねぇだろ!今夜はお楽しみだ。」
「やめろ!義理とはいえ、儂の娘。そこまでのー」
「ーじゃあ、墨子に言うぞ?お前の義父は、夜な夜な墨子のカラダを舐め回すように見ていたとな?いいのか?お前はもう終わりだぞ?」
「…そ、それは…」
「…変態じじぃは、黙って俺にヤられる墨子を拝んどけ。」
脅迫される儀兵衛。
⦅すみませーん、巡回です。⦆
「…あんだ?」
「健右衛門さん?巡回みたいだ。どうぞ。」
部屋へ招き入れる儀兵衛。
「どうも。おや、勝巳さんもこんな夜更けに?珍しい。何もありませんか?」
「ああ。ただ、最近喜朗さんが居なくなったとかで里のー」
健右衛門は、しばらく立ち話をしだす。
「…儀兵衛さん、俺、今夜は帰るわ。」
数分後、勝巳は残念そうに帰る。
しばらくすると、健右衛門も帰った。
儀兵衛は、糠漬けを食べながら酒を飲むと、少し微笑んだ。
「…ふぅ。気持ちいいわ。」
汗を流し終えた墨子は、カラダ全体を布でゆっくり拭き終えると、浴室から脱衣場へと向かう。
裸のまま少し涼みながら、髪を整えて、寝る準備をする墨子。
綺麗なカラダを浴衣が覆う。
そんな墨子の姿を、窓の隙間から覗く者がいたとは露知らず…
◎水戸部家 21時
「すみませーん、雅代さん?」
朝友は、雅代の元へと駆けつけた。
「…はーい…あれ?朝友さん?どうしたの?」
浴衣1枚を羽織るように出てくる雅代。
「え?いや…喜郎の事で、気を落としていると…」
「あら?わざわざ来てくれたの?どうぞ、お茶くらい出すわ。」
「いや、お構いなく。喜郎のことは明日、俺が探しに行くから、待っていてほしい。」
「…」
「きっと、どこかで野宿してると思うんだ。」
「…今夜は朝から独りで、寂しいの。寝るまで、少し一緒に居て?」
「…それはー」
「ーお願い…」
雅代は朝友に抱き寄る。
「…ま、雅代さん?」
「…朝友…」
雅代は色目で朝友を見ると、浴衣の隙間からカラダを触る。
「雅代さん、ダメだ…喜郎や墨子を悲しませー」
「ーそれは、朝友がバラしたら…よ?」
そう言うと、雅代は朝友に口づけをする。
「内緒…今夜だけ…お願い…」
雅代は更に朝友のカラダを妖艶に撫で回し、深く口づけをする…
「雅代…さん…」
雅代は、墨子とは違い、育ちの悪さはあれど、美貌とスタイルは里でも群を抜く。
そんな雅代に、気を許してしまう朝友だった。
「朝友…最高よ。やっぱり里で一番の男だわ。」
2人はしばらく、お互いのカラダを確かめ合った。
次回2025/8/18(火) 18:00~
「第1章・5幕 再捜索」を投稿予定です。
※8月はお盆休み・強化月間です。
期間中は毎週(火)(金) 及び祝日18:00に投稿致しますので、御期待下さい。




